グッドフェローズ Goodfellas

●「グッドフェローズ Goodfallas」
1990 アメリカ warner Bros.Pictures,146min.
監督:マーティン・スコセッシ
出演:レイ・リオッタ、ロバート・デニーロ、ジョー・ペシ、ロレイン・ブラッコ、ポール・ソルビノ他
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<1990年度アカデミー賞助演男優賞(ジョー・ペシ)受賞作品>


NYのマフィアを描いた作品は一つのジャンルを形成するほどたくさんの作品がある。この作品を見て
私が思い出したのは「ワンス・アポンナタイム・イン・アメリカ」、「ゴッド・ファーザー」。
そして日本の深作の「仁義なき戦い」をも連想した。
映画通の間では、この映画の評価は極めて高く、アメリカのマフィア映画の1つの頂点を極めた、とまで
激賞する人もいる。

私が鈍感なのか、そこまでは感心はしなかった。確かにスコセッシの描く、「ゴッドファーザー」とは違う
地を這うチンピラやくざの生きざまの世界は興味深いものであるから、映画として面白いことには太鼓判
を押そう。

アメリカの少年たちが将来何になりたいかという問いかけに「大統領」と答えるのが一般的な頃、ヘンリー
(レイ・リオッタ)は幼い時分から“グッドフェローズ"と呼ばれるマフィアの世界に憧れ、すでに12歳の時
からブルックリンの街を牛耳るポーリー(ソルビノ)のもとで使い走りを始めた。
やがてヘンリーは本物のマフィアの構成員となり、強奪のスペシャリストのジミー(デニーロ)や、脅しや
手荒な真似が好きなトミーといった仲間たちと共に、荒仕事に手を染め始める。刑務所暮らしを
経ながらも、ヘンリーはカレンと結婚、子供ももうける。

ヘンリーなりに、自分が入った世界で出世できて、何の不満もない半生だった。しかし1978年、JFK空港
で犯罪史上空前の600万ドル強奪事件が発生、ヘンリーに大きな変化をもたらすことになる。
事件解決に向けFBIの大捜査が始まるが、事件の証人たちは実行犯のジミーがことごとく処分した。
窮したFBIは、ヘンリーの抱き込みを画策した。ちょうど麻薬密売事件(ポーリーやジミーには白い粉には
手を出すなとしつこく言われていたのだが、イタリア系でないジミーやヘンリーは決してファミリー中で
昇進は出来ないのだ。そんな絶望感からヘンリーはコカインに手を出していた)で逮捕されていた
ヘンリーは、何度かヘマをしでかしポーリーに見離されたこと、そして気の置けない相棒のはずだった
ジミーが、口封じのために自分の命を狙っているのを知らされ、ついに仲間を売る決心を固める。
連邦証人保護制度の下で、名前を変え一生日陰者として余生を送ることになるのだ。
かくしてジミーは投獄、鉄壁だったはずの“グッドフェローズ"はあっさり崩壊した・・・。

ヘンリーは、麻薬とも手を切り、ひっそりと隠れるような生活を続けている。ジミーはまだ今もまだ監獄に
いる。これは実話を元にした話だ。

決してカッコよくない、チンピラマフィアの30年を描き、彼らの泥臭い、バカバカしい(と僕らは思うが彼ら
は彼らの生き方として確固した信念をもっている)人生を、何をやっているんだろう、こいつら、でも
こいつらの、こういう人生もあるんだよ、とスコセッシはいっているような気がする。
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やはりこの映画は、チンピラマフィアの人生演じる役者の演技を堪能すべき映画だろうと思う。
特にジョー・ペシのキレ芸は見事だ。短絡思考の狂気を見事に演じ切っている。「仁義なき戦い」の中にも
こういう手の飛び道具みたいな奴は必ずいましたね。ロバート・デニーロは、言うまでもない。
そして主役にしてナレーションもするレイ・リオッタ。どこか弱さを含みつつ、狂気を内包し、コカインに
おぼれ、最後は仲間を裏切る。そんな一面へタレなギャングを上手く演じていたと思います。

それと、当時のヒット曲がキーになるシーンにたくさん使われていて、カッコ良かったですね。
この映画の情報はこちらまで。
Tracked from 映鍵(ei_ken) at 2010-07-06 17:21
タイトル : グッドフェローズ
ギャングを「組織」ではなく「個人」の目線で捉え、しかも実話をベースにしているからか、とても「リアル感」がある。その点で「マフィア」ではなく「ギャング」の方が適切な表現だろう。アカデミー賞で助演男優賞を獲得した「トミー」の演技とセリフに、とくに注目したい。... more
Commented by zebra at 2013-03-01 17:25 x
見ました。 友達がデニーロ好きだから 見せてみようと思ってます。内容自体は充実してよかったですよ^^

聞いたことありますが、マフィアの世界でも 麻薬のビジネスは禁じてるそうです。

ガンビーノファミリーをニューヨーク最強の組織にまでさせたカルロ・ガンビーノも"麻薬をやるやつは死ね"とまで言ったそうです。

もし、ヘンリーがガンビーノ一家の所属だったら・・・
アイルランド系で準構成員になれたとしても、ほぼ確実に消されてたと思いますよ。 元の親分だったポーリーにウソをついて麻薬やって縁切りされて 餞別にお金くれたなんて まだいいほうです。

ポーリー親分も 決してほめられた人物ではないが デニーロ演じたジミーやジョー・ペシ演じたトミーと比べれば まだまともだった・・・

「ポーリー・・彼が何したなんて知らないよ」
って かばってくれてもよかった気がします。 見ててヘンリーは一般人でも裏社会の人間にしてもチンケなハンパ者にしか思えませんでした。
by jazzyoba0083 | 2009-04-06 23:30 | 洋画=か行 | Trackback(1) | Comments(1)