2009年 04月 12日
ブラッド・ワーク Blood Work
2002 アメリカ Malpaso Production,Warner Bros.Pictures,110min.
監督・製作:クリント・イーストウッド 原作:マイクル・コナリー「我が心臓の痛み」
出演:クリント・イーストウッド、ジェフ・ダニエルズ、ワンダ・デ・ヘスース、ティナ・リフォード他
イーストウッドが「ミスティック・リバー」を製作する前年に手がけた作品だが、知られていない割に
ちゃんとしたサスペンスで、見ごたえがありました。派出な配役でもないが、脚本が良く作られていて、
ストーリーが良く見える作品です。このときイーストウッド72歳。刑事ものはこれがラストとなるわけで
すね。で、俳優としては「グラン・トリノ」がラストと。
FBIのプロファイラーであるテリー・マッケイレブ(イーストウッド)は、コードキラー事件という連続殺人
事件を捜査中、犯人を追跡しているうちに、心臓発作で倒れてしまう。
2年後、心臓移植が成功して、何とか普通の暮らしができるようになったテリーは、ヨットに住み、釣りを
しながら定期健診を受けるという生活をしていた。
ところがそこにメキシコ系の女性が現れ、あなたの心臓は私の姉のものよ。だからお願いがあるの、
姉を殺した犯人を捕まえて、と。テリーはもう警官でもないし、心臓のこともあるので断るが、グラシエラ
という女性は、あなたは命を救ってくれた姉に義務があるわ、と責める。
そこで、かつて勤務いていた警察に行って、防犯テープを見せてもらったり、捜査資料を見せてもらっ
たりして、自分なりに出来ることをしていった。すると、その日にある銀行ATMで、男がやはり射殺される
と言う事件が発生していた。テリーは同じように救急車がすぐに要請された二つの事件につながりがある
と考えた。
防犯テープを仔細に検討すると、犯人は、二人とも射殺する前に救急車を呼んでいて、しかも撃った後に
手当をしているのだった。
テリーは射殺されたATM前の男の家に行って見る。するとクルマの中に「献血に貢献しました」という
チラシを、見つけた。グラシエラは殺された姉は献血に熱心だった、と言っていた。テリーはひらめいた。
2人を結びつけるのは血液だ、と。
つまり、犯人は、テリーを救うために、(殺人ゲームを継続させるために)、友人のコンピュータ専門家に
ドナー登録者のデータベースに侵入させ、テリーと一致するドナー2人を探し当てたのだ。そしてまず
ATMの前で男を殺したが、救急車が場所を間違えたため、男は死亡してしまった。そこで、次に
街のコンビニに行き、たまたま子供のためにお菓子を買っていたグラシエラの姉の頭を撃って、植物状態
になるようにし、テリーに移植するように仕向けたのだった。
そして、数日後、友人のコンピュータ技師は、かつてテリーが倒れた場所で額を撃ち抜かれて死んでいた。
また、その夫人も自宅で首を刃物で掻かれて死んでいた。あの”コードキラー”が戻って来たのだ。
コードキラーは、現場に数ケタの数字を買い残すのだが、それが何を表わすのか不明だった。
しかし、ボートに遊びに来ていた殺された姉の子は、1がないね、と簡単に指摘した、no-one。
そこでテリーにひらめきが。隣のボートに住んでいて、何くれとなくテリーの世話をしていた男。彼は
テリーがものを頼むと小切手で謝礼を貰うのだが、宛名にヌーニー Nooneと書かせていたのだ。
犯人を突き止めたテリーはヌーニーのボートに行き、対決、テリーに容赦のない弾丸を撃ち込んだの
だった。
かつての仲間だったジェイン警部補や、メキシコ系?刑事のアランゴなど、味のある脇役もいい感じ
だった。まあ、一番近くにいるのが一番怪しいというサスペンスの王道のような映画だが、全体的に
締まりがよく、テンポもよい。心臓移植という視点も珍しく、引き込まれた。このころからすでに
イーストウッドの映画に外れがなくなってきているわけだ。
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コチラの「ブラッド・ワーク」は、2度のアカデミー賞監督賞を受賞しているクリント・イーストウッドが監督、主演、製作を務めたサスペンスです。 考えてみれば、クリント・イーストウッドってオスカーを獲得しているウェスタン、ヒューマン・ドラマをはじめ、戦争モノ...... more