永遠(とわ)の語らい  Um Filme Falado

●「永遠(とわ)の語らい Um Filme Falado」
2003  ポルトガル・フランス・イタリア 95min.
監督:マヌエル・デ・オリヴェイラ
出演:レオノール・シルヴェイラ、フリッパ・ド・アルメイダ、ジョン・マルコヴィッチ、カトリーヌ・ドヌーヴ他
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御歳100歳になられる、オリヴェイラ監督。9:11にインスパイアされて作った映画だそうだけど、
私的には付いて行きづらい映画の範疇。
何か寓意があるはずだ、といろいろブログを読んだり解説をネットで調べたりして、理解につとめようと
がんばりました。しかし、今一つ、腹に落ちないんだなあ。これ、劇場で公開されて、客は入ったのかな。

ストーリーは極めて単純で、ポルトガルの大学で歴史を教えている教授である母と6~7歳の女の子が
パイロットである父が待つ、インドのムンバイへ船で向かう。母は、教室で歴史を教えているだけでは
体感できない、と娘に様々なことを教えながら、ポルトガルから大型船で、地中海を航行し、マルセイユ、
ナポリ、カイロ、ギリシア、アデンなどに立ち寄り、歴史的な観光地を訪れながら西洋文明の成立して
行く様子を娘に語る。(もっとも娘は理解できていないようだが)。

その大型船に3人のハイソなご婦人が寄港地ごとに乗り込んでくる。フランス人、ギリシア人、スペイン人。
これにアメリカ人の船長(マルコヴィッチ)が加わり、船長主催のディナーを囲むが、この4人が全員
母国語しか話さないで会話を重ねていく。つまり4人が全員のことばを理解できるのだ。
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同じ客である教授と娘も、席に招かれるが、ポルトガル人である教授は英語とフランス語とポルトガル語
しかできないので、会話にスムーズに加われない。
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船長は、娘に、プレゼントとして寄港地アデンの土産物屋で買ったアラブの人形を渡す。ギリシア人の
女性が船長のリクエストで歌を披露していると、テロリストが時限爆弾を仕掛けた、との情報が入る。

時間があるので、全員に下船命令が出る。みな救命胴衣を付けて救難ボートに乗り換えて非難するが、
教授の娘が、アラブの人形を忘れて取りに戻っているうちにボートが出てしまい、教授母子だけが
残されてしまった。船長は、助けに戻ろうとするが、船員に時間がないと止められる。と、その時
目の前の船で大爆発が起きた・・・・(驚愕する船長の顔のストップモーションで映画は終わり)。

前半は観光旅行のようで、3人のご婦人が乗りこんで来たあたりから哲学的な雰囲気が出始めて、
最後の大爆発で、何を言わんとするのかが判らなくなる。
異国語同士の会話、というのは世界の人々の理解を象徴しているのか、とも思うし、アラブの人形を
助けようとした、幼い娘と母を殺すことにより、判りあえるはずの世界が、ささいなことから判りあえない
悲劇を言わんとしたとも思える。善意と純粋の塊のような存在の母子をテロリストに殺させることにより、
深く世界を理解しようとした善意はいつも理由もなく虐げられる、ということもくみ取れるかもしれない。

いずれにしても哲学的、形而上的な映画であった。日本人にはなかなか理解の難しい映画ではないか。
この映画の情報はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2009-04-20 22:30 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)