2009年 05月 05日
幸福の条件 Indecent Proposal
1993 アメリカ Paramount Pictures,117min.
監督:エイドリアン・ライン
出演:ロバート・レッドフォード、デミ・ムーア、ウディ・ハレルソン、シーモア・カッセル、オリバー・プラット
シーナ・イーストン、ハービー・ハンコック他
な~んか、またダメダメ映画を観ちゃったなあ。そういう映画を最後まで観ちゃった俺って?
最後にものすごいオチが待っていると思っていたんだよなあ、こういう胸糞悪くなる映画って、そういう
カタルシスがないと救われないじゃないですか。そしたら、なんてことないエンディングでねえ。
がっかり。 ローバート・レッドフォードがギャツビー張りの登場なのだが、結局最後に少々救いを残した
が、ただのわがままでいやな金持ちに終わっちゃた。
そして、デミの夫役のハレルソンも、いくら金が欲しいからと言って奥さんを金貰って貸すか?
信じられんよ。(このハレルソンて、「7つの贈り物」で目の見えない肉屋の男をやってましたね)
デヴィッド(ハレルソン)とダイアナ(デミ)は高校時代からの恋人で、19歳で駆け落ち結婚。夫は建築
デザイナーで、仕事も順調で、自分たちの家を設計し、着工するところまでこぎつけた。しかし、
世の中大不況になり、デヴィッドはリストラされ、友人の弁護士から、家を諦めろ、と言われる。
しかし、二人の夢を諦めきれないデヴィッドとダイアナは、デヴィッドの父親から5000ドルを借りて、
それを元手にラスベガスに行き、カジノで増やそうともくろんだ。
彼らはついていて、1日で2万5000ドルも稼いだ。しかし、よせばいいのに欲張って、翌日には
すっからかんになってしまった。そんな二人(いうかダイアナ)をじっと見つめていた億万長者ジョン・
ゲイジ(レッドフォード)。1つのコインが1万ドルというハイローラーのテーブルで彼も100万ドルを
すっていた。
ダイアナに一目ぼれしたジョンは、夫婦に、奥さんを貸してくれないか、彼女がテーブルに来てから
ラッキーになった、と言い寄る。まあ、なにがしかのお礼もあるかも、と気軽に引き受けたが、ポーカー
ではまたすってしまった。そこでダイスに行き、また100万ドルをいっぺんに賭ける。
そこでは、ダイアナの振ったダイスがズバリ当たり、200万ドルになった。ジョンは、お礼に、いまから
帰る、という二人に豪華な部屋に泊って行ってくれ、ホテル内の好きなものをサインで買っていい、と
礼をする。
ダイアナがホテル内のブティックで眺めていたドレス(5000ドル)が部屋に届けられ、ジョンの部屋で
パーティーがあるから来てくれ、とメッセージが添えられていた。
ジョンの部屋に行くと、ジョンは、100万ドル出すから、ダイアナを1日貸してくれないか?と二人に
誘いをかける。一晩良く考えてくれ、おれは本気だからと。
その夜、ダイアナは、夫の家の夢のためなら一晩くらいは、と思うのだった。そして、その決意をデヴィッド
に説明すると、彼は妻の提案を止めなかった。(普通止めるだろ)
こうしてダイアナはジョンと一晩過ごすことに。場所は、ヘリコプターで移動した豪華クルーザーだった。
よくよく考えて、やはりダイアナを止めようとしたデヴィッド、彼女のあとを追ったが、ヘリは飛び立った後。
これぞ後の祭り。
次の日、ダイアナは帰ってきたが、デヴィッドの中には嫉妬と猜疑心が渦巻いてしまった。すべて夫の
ためにがまんしてやったことなのに、デヴィッドはジョンとのセックスの内容についてしつこく聞いてくる。
そんな態度のデヴィッドに次第に我慢がならなくなっていくダイアナであった。
手に入れた100万ドルで土地を買おうと不動産屋に行くと、2日遅れで、すでに他人の手に渡ってしまって
いたのだった。調べてもらうと、買ったのはジョンであった。ダイアナは激怒して、レストランで仲間と
食事中のジョンの元へいき、テーブルをひっくり返して、なんて汚いことをするの!と怒りをぶちまける。
そうして帰ってきたダイアナに対し、夫は、ジョンと会ってまた「やってきた」のか、と優しくない言葉を
浴びせる。ささくれだっていく夫に対し、しつこいが、優しく接してくるジョンに、ダイアナは、傾いていく。
ある日のチャリティー会場で、デヴィッドは、ダイアナから渡されていた離婚届けにサインをして去って
言った。しかしどうしてもダイアナを忘れられないデヴィッドは、ある夜ジョンと連れだってホテルに入る
ダイアナを捕まえて、愛してると告げて去っていった。
2人の愛の強さに、やはり愛情は金では買えない、と(ジョンはジョンで幼いころどうしても好きだった
女の子に2度と会えない、という失恋のトラウマがあり、今度こそは人妻であろうが、チャンスを逃したく
なかったのだが)、運転手と小芝居を打ち、わざとダイアナを解放してあげる。
映画の冒頭、高校生の頃の二人のプロポーズの場所である埠頭に佇んで過去を嘆くところに戻った
シーンは、ダイアナが再び、ジョンの元を離れデヴィッドのところに戻ってきて、二人の固い愛情を確認
するところで終わる。
なんだ、大どんでん返しもないのか!とがっくりのエンディング。
私が脚本家だったら、埠頭に近づくダイアナ。遠方には人影。霧の向こうのベンチに座っているのは
デヴィッドに違いない・・。と小走りで近づく。しかし、そこにいたのは別人であった。彼は1通の手紙を
預かってた。手紙には、自分のことを思って自らを犠牲にしたダイアナのことを理解してあげられず、
済まない。でも自分は心から君のことを愛していたのだ。と記されている。
急いで、彼の家に戻ると、そこには銃で?頭を打ち抜いてこと切れたデヴィッドの遺体が横たわって
いた・・・・。と、こんな風にして、ダイアナを下ろしたジョンのロールスは、雨の中、大型トラックと
衝突して運転手ともに絶命。ダイアナはいくら夫のためとはいえ、自分の体を金持ちに売ったことを
今更ながらに激しく後悔するのだった・・・・。と、バカなやつらは懲らしめて終わりにするのだがなあ。
どうですか、みなさん。
レッドフォード御用達のレストランで歌っているのがシーナ・イーストンだったり、クルーザーでピアノ
を弾いているのがハービー・ハンコックだったりしたのが一番面白かったかな。
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