バガー・ヴァンスの伝説 The Legend of Bagger Vance

●「「バガー・ヴァンスの伝説 The Legend of Bagger Vance」
2000 アメリカ 20th Century Fox Films,Dream Works SKG,125min.
監督:ロバート・レッドフォード
出演:ウィル・スミス、マット・デイモン、シャーリーズ・セロン、ブルース・マッギル、ジャック・レモン他
e0040938_125258.jpg

NHKは時々こういう作品をBSで放送するので油断ならない。出演者が物凄いのに惹かれて、しかも
ロバート・レッドフォード監督という興味もあり、観てみました。
いかにもドリームワークス的な作品だなあ、というのが第一印象。長い映画だけど、ゴルフの72ホールの
勝負が懸かっているので、興味深く観ることは出来る。

だが、残念なことに、これだけの豪華キャストに比べストーリーが弱い、またそれぞれの人の描き方が
弱い。エンタテインメントとして割り切れば、観流すにはいいかもしれない。決して不快な映画ではない
から。

物語は、バガー・ヴァンス(ウィル・スミス)というキャディーの不思議な活躍により、かつての天才
ゴルファーが再生する、というもの。
ジョージア州サバナ。第一次世界大戦前の南部でゴルフの英雄と言えば、16歳でチャンピオンになった
ラナルフ・ジュナ(マット・デイモン)であった。華麗なゴルフスイングで、ギャラリーを魅了し、本人も
サバナの富豪の美人アデール(シャーリーズ・セロン)と結婚することも出来た。
e0040938_1253646.jpg

しかし、そこに勃発した第一次世界大戦。彼も欧州を転戦、激戦の中を何とか生き抜いて帰国したが、
戦争中に受けた心の傷は癒えず、ゴルフ界からも、妻アデールの前からも姿を消してしまった。
12年間も夫の帰る日を待ち続けていたアデールだが、男勝りの性格で、父親とともに、町の沖にある
小島にリゾートゴルフ場を造り、観光客をたくさん招いて町起こしに一役買おうとした。
しかし、そこに大恐慌が襲い、ゴルフ場のオープンも危ぶまれた。アデールの父親は自殺してしまった。

アデルは、新しいゴルフ場で、ゴルフの神様ボビー・ジョーンズと、豪快なゴルフで知られるウォルター・
ヘイゲンを招きマッチプレイを開催し、全国から客を呼ぼうと考えた。しかし、町のおえら方は、サバナから
も選手が出なければ支援は出来ないという。そこで、指名されたのが、消えたジュナだった。
彼は酒に溺れ荒んだ生活をしていた。そこに、彼にあこがれていたハーディという少年が、まず彼を
説得に行くが、にべもない。次にアデールが登場して、彼を誘うが、ジュナは自分のスイングを忘れた、
と言って出ないと言い張る。

しかし、ゴルフを諦められないジュナは、夜中にクラブを持ち出して練習をしてみる。案の定酷い球筋だ。
そこに現れた黒人の不思議な男。彼はバガー・ヴァンスと名乗り、5ドルでキャディーをやるから
出ろ、という。そして「人生もゴルフもグリップがすべてだ」とか教訓めいたことをいってジュナにの心に
火をつける。ついに大会に出場することにしたジュナだったが、いざボビー・ジョーンズとヘイゲンとともに
町民が押し寄せた中での紹介イベントに臨むと、ビビってしまい、荷物を纏めて逃げようとする。
しかし、走るトラックに町民が手を振り声をかけ、おらが町の英雄に期待を投げかける。
e0040938_1261976.jpg

そうなると出ないわけにはいかない。ゴルフは3人が土日で36ホールづつ、合計72ホールのストローク
プレイで勝負を決めるものだ。久しぶりのゴルフで、どうかと思われたジュナだったが、バガーの
不思議なアドバイス、テクニカルなアドバイスではなく、「心を無にして自然と一体となれ」とか、精神的な
アドバイスが主。土曜日を終えて2人に12ストロークも差をつけられたジュナだった。すっかりしょげて
しまうが、バガーに励まされ、日曜に臨んだ。この日もバガーのアドバイスで順調に差を縮めてきた。
ちょっといい気になったジュナは、バガーのアドバイスを無視してスプーンで打てというのにドライバーを
使いイーグルを狙った。しかしボールはバンカーにハマり、さらに顎に当たって1発で出ず、リカバリー
ショットも林の中のベアグラウンドに。周囲に誰もいないことで、思わずボールを打ちやすいところへ
動かそうという悪魔のささやきに負けて、ボールに手をと伸ばそうとした瞬間バガーが現れ、心を無にして
打てとまた不思議なアドバイス。ショットは見事に決まり、ピン横にピタリと乗ったのだった。
e0040938_127512.jpg

日曜の最終ホールで日が落ちてしまい、競技委員たちは町の人々にクルマのヘッドライトで18番ホール
を照らすようにいう。このホールでセカンドショットを打とうと、小さい枝をどかそうとしたジュナは、それで
ボールを動かしてしまった。一緒に回っていたフォアキャディとして一緒に回っていたハーディー少年は
誰も観てないから申告することはないよ、止めとけよ、というがジュナは「いやボールは動いてしまった」と
競技委員と他の二人のプレイヤーに1打罰を申告する。ボビーも、ヘイゲンも、ボールが自然と動いて
しまったんだろう?ならいいじゃないか、と庇ってくれるが、ジュナは「自分が動かした」と主張、ペナルティ
を受け入れる。バガーは、そんなジュナを観て、もう自分がキャディーをやる必要はなくなった、と残りが
あるのにゴルフ場から姿を消してしまう。しかし、その後のショットでジュナは2人に追いつき、最後の長い
パーパットでは、心を無にして打とうとするとグリーンに道が見えた。

結局3人ともイーヴンで引き分け。地元のジュナが偉大な選手たちと引き分けたことに大喜びし、
長い間、距離を置いてきたアデールも、再びジュナのもとに帰ってきたのだった・・・。

こうした話を、冒頭とエンディングに出てくる現在のハーディ少年(ジャック・レモン)語りで綴っていく。
ジャック・レモンはなぜかクレジットされていない。彼の最後の作品になってしまったのに。

タイトルはバガー・ヴァンスだが、ジュナの再生の話であり、ハーディ少年が「世界に自分で自分に
ペナルティを課すスポーツがある?ゴルフは最高さ、自分との戦いだからね」という成長の話であり、
アデールの苦闘の話であり、サバナという町の話であり、ゴルフというスポーツの素晴らしさの話である。
結局バガー・ヴァンスは現実の存在ではなく、ジュナの守護天使として描こうとしたのでしょうか?
それはラストシーンで、老いたハーディー少年の前に現れるバガー・ヴァンスの姿を見てもそんな感じ
がします。

最後はめでたしめでたしなのだが、どうも的が絞りきれてないんだな。群像劇までも行かない散漫な
感じ。個性が強い高名な俳優が沢山出ているので、それぞれにトピックを少しづつ付けちゃうので、
全体に骨が通らない映画になっちゃったようだ。
ハーディー少年を演じた少年はまさに「とっちゃん坊や」というか「おばさん顔」の風体で不思議な顔の
子役さんだったなあ。
昔のゴルフはネクタイをしてニッカボッカでやってたんだなあ。クラブも木だしね。それにしてはボールが
どうも今っぽかったような・・・。
この映画の情報はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2009-05-08 22:15 | 洋画=は行 | Comments(0)