ミラーズ・クロッシング Miller's Crossing

●「ミラーズ・クロッシング Miller's Crossing」
1990 アメリカ 20th Century Fox Film.Co.,Circle Films,115min.
監督:ジョエル・コーエン 製作:イーサン・コーエン 脚本:イーサン兄弟
出演:ガブリエル・バーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、アルバート・フィニー、ジョン・タトゥーロほか。
e0040938_23104780.jpg

このところWOWOWで特集をしていた「コーエン兄弟作品シリーズ」の1つ。タイトルの記憶から
一度、観たかな、と思って観はじめたら、未見であることが判明、そのまま面白く見終えました。
「ノー・カントリー」に通じる不条理みたいなものは、この作品でも顕著でした。
ストーリーはシンプルなのに何を言いたいのか判らない、という点。結局、私としては映画を通して
主人公のギャング、トム(ガブリエル・バーン=ごく普通な役者である点が不思議なリアリティを醸し出し
ている)が、何をしたいのか良く判らず、結局こういう人間にはなりたくないなあ、と感じた次第。

エンタティンメントとして見た場合、アメリカ東部を舞台としたアイリッシュマフィアとイタリアマフィアの
対立・抗争という陳腐な題材を、コーエン兄弟ならではの映像タッチ、テンポ、間、そしてストーリーの
組み立てなど、独特のスタイルを確立していて、観ていて妙に引きつけられてしまう。「ノー・カントリー」
のときもそうだったが、そのあたりがコーエン兄弟の真骨頂なのだろう。
e0040938_23113276.jpg

筋書きはこうだ・・・(By allcinema)

『1929年、アメリカ東部の町。アイリッシュのレオ(フィニー)とイタリアンのキャスパー(ポリト)、二つの
勢力が暗黒街でシノギを削っていた。
レオとその片腕で博打好きのトム(バーン)は厚い友情で結ばれていた。同じくレオの部下バーニー
(タートゥーロ)の姉、高級クラブで働くヴァーナ(ハーデン)はレオの情婦だったが、トムにも魅かれ
一夜を共にする。
e0040938_23121378.jpg

やがてその事実がばれ、トムはレオと袂を分かつ。博打の借金に追われるトムはキャスパーの下で働く
ことになるが、受けた命令は<好きな女の弟である>バーニーを殺せ、というものだった……。』

ボスの女に手を出す、ボスに放り出される。敵対するイタリアマフィアに取り入る。ここのボスから出た
指令は、女の弟を殺せ、というもの。だが、トムは、殺せず、バーニーを逃がす。
e0040938_231377.jpg

今度はバーニーがトムをゆする。トムは、もともとのボスの用心棒、デーンがボスを裏切ろうとしている
と画策、しかし女は自分の弟をトムが本当に殺したと思い、去っていく。
やがてトムの策略で、アイリッシュとイタリアンが殺しあいとなり、結局、元のボスに戻ると見せかけて
トムは自分の身の安全を図る。アイリッシュのもともとのボスは、トムに礼を言い、もう一度俺のところに
戻ってくれ、と頼まれるが、断って去っていく。
どうです?私の説明も出来が悪いが、判りやすそうで判りにくいでしょ?これは主人公トムが何をどうした
いのか、その目的が判らないゆえの不安定感なんですよね。「ノー・カントリー」のシガーと同じ不安定さ
だと感じる。殴られれば弱いし、自分で人殺しを積極的にしない(最後にバーニーを殺すところぐらいじゃ
ないかな)、女には弱い、という主人公トムの生き方、ずる賢いのか、恐ろしいくらいのゴーイングマイ
ウェイの人物なのか。ジョエルの奥さん、マクドーマンドがカメオで出ているのですが、どこに出ていたの
か、判らずじまい。トホホ。

相変わらず計算された映像は美しいし、本作は音楽もすごくいい感じだ。コーエン兄弟の他の作品も
ますます観たくなりましたね。
この映画の情報は、こちらまで。
トラックバックURL : http://jazzyoba.exblog.jp/tb/10301902
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
by jazzyoba0083 | 2009-05-18 23:10 | 洋画=ま行 | Trackback | Comments(0)