2009年 05月 26日
バブルへGO!! タイムマシンはドラム式
2007 日本 東宝、フジテレビ他 116分
監督:馬場康夫 原作:ホイチョイ・プロダクション 脚本:君塚良一
出演:阿部寛、広末涼子、吹石一恵、伊藤裕子、劇団ひとり、小木茂光、森口博子、薬師丸ひろ子他
「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」が、あまりにも重い映画だったので、普段はあまり
観ない種類のお気楽映画を観てみました。
それと、20年前のバブルを若者ではない立場で体験したものとして、ちょっと興味があったから。
ホイチョイ・プロが「彼女が水着にきがえたら」とか「私をスキーに連れてって」とかの映画を作り、
サザンやユーミンをバブル気分の音楽にしてしまったのが、20年前。時代は昭和から平成へと移り
株価は4万円に迫り、地上げの横行で、土地の値段は急騰していたころ。シーマ、ジュリアナ、ティラミス
アルマーニと、連赤の頃と同じ日本とは思えない、そんな・・・
『2007年、現在の日本。景気の回復に力強さはなく、低迷が続く日本経済だが、なかでも800兆円と
いう国の借金が重くのしかかり、国家の崩壊は目前に迫っていた。そんな日本の危機を救うべく、財務省
大臣官房経済政策課に勤める下川路功(阿部寛)はある計画を進めていた。それは、1990年にタイム
スリップしてバブル崩壊をくい止め、歴史を作り変えるという極秘プロジェクトだった。
ところが、タイムマシンの開発者・田中真理子(薬師丸ひろ子)が90年3月の東京にタイムスリップした
まま行方不明になってしまう。そこで、真理子の娘で借金取りに追われるフリーターの真弓(広末涼子)
が、母親を救うためタイムマシンに乗り込むのだったが…。』(allcinema)
まあ、どうこういう程の映画ではないので、それこそお気楽に観飛ばす感じでいいんじゃないでしょうか。
タイムパラドクス的には突っ込みどころ満載だし、だいたい、タイムスリップの構造が「バック・トゥ・ザ
フューチャー」のパクリですからねえ。
不良債権を増やしてしまう法律の成立は、真弓や当時はお気楽通産省役人だった下川路らの活躍で
確信犯だった芹沢(伊武雅刀)らの陰謀を暴露して、食い止めた。しかし真弓は自分が、母真理子と
下川路の子供であることも知ってしまったのだった。結果、現在に帰ってきた真弓が見たものは、総理
大臣になった下川路、夫人の真理子、お嬢様、と呼ばれる真弓。バブル崩壊の後の「失われた10年」は
見事に食い止められたのだった。ベイブリッジは4本だか5本も架かっていて、日本は繁栄を続けて
いたとさ・・・。
ストーリーはあまり関心がなく、20年前の時代考証をどう表現するか、が楽しみでした。広末が’90に
タイムスリップしてきたとき、見上げたところにあったのは、建築途上のベイブリッジ。もちろんCGだが、
ここは良かったんじゃないかな。それと、吹石一恵の役どころの20年前の姿。「ソバージュワンレン・
ボディコン太い眉」、ここもいい感じ。(吹石一恵、似合いすぎ)
ザッピングするテレビに出てくる露木茂と松山香織の2ショットはフジテレビならでは。広末が現代から
持ってきた携帯は圏外で、彼女が着ているダメージジーンズやへそ出しルックを奇異な目でみる若者、
でもパーティーのビンゴの賞金が現金200万円なんて、そんなの実際にあったのかな?総じて17年
前は結構リアルに再現されていたのではないでしょうか。
難しいことはさておき、あのハイ・テンションで浮かれていた時代、良かったなあ(ちっとも良くないんです
がね)と、人ごとのように懐かしみ、楽しんでしまうのがホイチョイの真骨頂なんだ。
因みに薬師丸ひろ子が演じた「田中真理子」という名前、「彼女が水着にきがえたら」では主人公・原田
知世の、「波の数だけ抱きしめて」では主人公・中山美穂の、名前だったんですと。その辺のおちょくり
具合もホイチョイらしいですね。
確かに87年ごろから91年ごろの日本は、良く考えれば変だったよ。でも誰もそれに気がつかなかった
のが悲劇だったんだよね。だから経済学的にいえばバブルの崩壊を食い止めるのでは無く、バブルの
発生そのものを止めなければならないはずなんだ。現代に戻ってきた主人公らが目にする東京は
バブルが継続している感じ。それじゃ、今度は日本は完全に破産してしまうわけで・・・。
この映画の詳しい情報はこちらまで。
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