最高の人生の見つけ方 The Bucket List

●「最高の人生の見つけ方 The Bucket List」
2007 アメリカ  Storyline Entertainment,Two Ton Films,Warner Bros.Pictures,97min.
監督:ロブ・ライナー
出演:ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン、ジョーン・ヘイズ、ビヴァリー・トッド、ロブ・モロー他
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名作「スタンド・バイ・ミー」、「ア・フュー・グッドメン」のロブ・ライナーが、二人の名優を迎え、人生の
深淵を覗かせるようなテーマを、重くなくあっさりと描いて見せた。楽しくも考えさせられる作品だ。

本作品は、ニコルソンとフリーマンの演技を堪能するのが一義でいいでしょう。そして、彼らの演ずる
死に直面した老境の男の素直な心意気を感じ取って、しみじみと、ほんのりとするのがいいでしょう。
97分という時間も、作品を嫌味ない仕上がりにしていてよろしい。
びっくりするようなスゴイ作品ではないが、観終わってキモチの良い掌編といえるでしょう。

ニコルソンが病院をいくつも経営していて自家用ジェットを持っている大金持ちだったから出来たこと、
という見方もできるでしょう。誰でも彼でもがこんなことができるわけがないことは十分判ります。
それは「設定」というものですから、そこに目くじらを立てていては、この映画は楽しくありません。
むしろ、金も名誉もあるけど、1人きりの寂しい人間と、家族に恵まれ信仰心あふれる普通の対比の
中で、人間の本当の幸せって何さ?あなたは棺おけに入る前に何をやっておきたいかね?と
問い掛けてくることを受けて止めて考えることのを楽しむ(楽しいというコトバじゃないかも)映画ではない
でしょうか。

自動車修理工として45年間、自分の夢も犠牲にして家族を支えてきたカーター・チェンバース
(フリーマン)。いくつもの病院を経営、バツ2で独身生活を謳歌するエドワード・コール(ジャック・
ニコルソン)。二人は同じ時期にガンと診断される。
ニコルソンの病院経営理念は「入院はバカンスじゃない。1室2名。例外なし」というもの。そのおかげで
自分も2人部屋に入ることに。そこで隣のベッドにいた男がカーターだった、というわけ。

手術やら化学療法が続くが、老体にはとても苦しい。そんな中、エドワードは特注の料理を病室に
持ってこさせたり、コーヒー沸かしセットを持ち込んだり、オーナーならではの買ってし放題。
そして二人揃って余命6カ月から1年との宣告も受ける。
残された人生は家族と信仰とともに静かに生きようとするカーターは、棺桶リストと称して、死ぬまでに
やりた事と書き綴っていたが、あほらしくなりメモをまるめて捨てた。その紙を拾って読んでしまった
エドワードは、どうせなら俺とやりたいことをやろう、とカーターに持ちかける。そして作ったリストに従い、
病院を抜け出て、冒険を始めるのだった。

スカイダイビング、カーターが憧れていたムスタングとダッジチャレンジャー(だと思う)で、サーキットを
貸し切っての二人だけのレース、自家用ジェットを駆使して世界旅行。イタリア、エベレスト、インド、
万里の長城、香港と、途中でトラブルもあったが、旅は続いた。途中でカーターの妻から、エドワードに
夫を返して、と言われたり。
しかし、香港で、エドワードが、気を利かせてカーターに女性をあてがうような真似をしたため、
カーターは家に帰る、と言い出し、二人はアメリカに帰ることに。
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アメリカに戻ったカーターは、エドワードの絶縁状態の娘と合わせようとして、エドワードの逆鱗に触れる。
二人はケンカ別れしてしまう。

家族の元に帰り、皆で楽しく食事をするカーター。方や、億ションの部屋で女を呼んでは見たものの、
窓に向かって泣いているエドワード。
しかし、カーターは妻の前で倒れてしまう。急いで病院に駆けつけるエドワードだった。カーターは彼に
遺言ともいうべき手紙を渡す。カーターは脳に転移したガンを切除する難しい手術を受けるが、上手く
行かず、不帰の客となってしまう。カーターがエドワードに渡した手紙には、無理に娘さんに合わせようと
したことを詫びていたが、また同じことをするだろう、とも。エドワードに対し、「あんたは『俺は皆とは
違う』といっていた。その通りだ。しかし、あんたは皆の中の一人でもあるんだよ。牧師がいうには
"我々は皆同じ川に向かって流れている。その滝の先に広がるのが天国だ"と。人生を楽しんでくれ。
親愛なる友よ、目を閉じて水の流れに身を任せるのだ。」と書かれていた。
礼のしようがない。二人の目的を果してくれ、とも。

そして、カーターの葬式の弔辞に登壇したエドワードは「身勝手に聞こえたら残念なのですが、彼の
人生最後の数カ月は、私にとって最高の日々でした。人生の恩人です。彼はそれを知っていました」と
切々と語るのだった。人生のファイナルステージで知り合った二人はお互いに友情を育み、短い
時間で、無二の親友となったのだった。そしてエドワードも5カ後に亡くなる。

エドワードの眼が永遠に閉じられた時、彼の心は開かれたのだ・・・・。

二人が世界旅行をしながら語り合う言葉も含蓄に富む。人は死ぬと天国の扉の前で神様から2つの
質問をされる。ひとつは「人生を楽しんだか?」、二つ目は「他人のために何かをなしたか」だ、とか。

人は、人の中にいて初めて人であり、それは楽しいものであり、感謝すべきものであるのだ・・・。
そんなことを考えました。
ラストシーンはファーストシーンにセリフごとつながり、二人の遺骨が特別な入れ物に入って、山の上に
(エベレスト?)に埋葬される。それがリスト最後の希望「荘厳な景色を観る」であり、エドワードの
遺骨がそこに収容されたとき、彼の秘書の手でリスト最後の項目に線が引かれ、遺骨とともに置かれた
のだった。
二人の演技は、いまさら語るべきものは何もない。エドワードの秘書が、映画を締めていた。彼とボスの
会話もウィットに富んでいて楽しかった。「世界最高の美女とのキス」という目的が、エドワードが娘と
和解し、孫娘にキスをすることだったのもいいところだ。

一体にアメリカ人て、戦争ものの時もそうだが、どうして死に臨んで楽天的にジョークを飛ばせるのだろう。
信心深いカーターはともかく、信仰心のないエドワードも皮肉たっぷりにジョークを飛ばす。国民性の
違いだろうか。少なくとも私には、あんな度胸はないだろうなあ。
この映画の情報はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2009-05-31 22:50 | 洋画=さ行 | Trackback(4) | Comments(0)