ビッグ Big

●「ビッグ Big」
1988 アメリカ Gracie Films,20th Century Fox Films,102min.
監督:ペニー・マーシャル
出演:トム・ハンクス、エリザベス・パーキンス、ロバート・ロジア、ジャレッド・ラシュトン、ジョン・ハード他
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佳作!20年以上も前の作品だが、古さは感じない。シチュエーションもこれといって目新しいものでは
ないのだが、面白く観れてしまう。脚本の上手さだろう。
監督は「レナードの朝」のペニー・マーシャル。女流らしい、優しい目線を感じる。ふと気が付くと笑顔で
画面を見ている自分がいた。そういう映画だ。長さも丁度いい。荒唐無稽なのだが、ばかばかしくない。

13歳のジョッシュは、そろそろ色気づく年頃。きょうもきょうとて親友のビリーとつるんで、学校で
女の子の品定め。ある日、家族で遊園地に行くと、絶叫マシンの行列にあこがれの女の子が。
勇んで家族と離れ、1人で、彼女に声をかける。が、そこにボーイフレンドの登場。「彼、クルマ運転
できるの」と。しかたなく1人でマシンに乗ろうとするジョッシュだったが、残念ながら伸長が足らず、
ハネラれてしまう。
悄然としてジョッシュは、願いをかなえる魔王のゲーム機の前に行き、25セントを入れて、
「もっと大きくなりますように」と願いを掛けた。すると、機会から、カードが出てきて、「願いは叶えられた」
と。

そして次の朝,目覚めたジョッシュは、鏡に映った自分の姿にビックリ。30歳近い大人になっていたのだ。
魔王の願いは叶ったんだ、とは判ったが、家族に合わせる顔がない。勇気を出して母親に接近すると
強盗だと思われ、ナイフを振り回されるし、うちのジョッシュをどこにやったの!といわれる始末。

オヤジの服を着て、学校に行き、親友のビリーに実情を話す。彼も最初は理解できなくて、逃げようと
したが二人しか知らない歌をジョッシュが歌ったことから、何とか彼がジョッシュであることを飲み込み、
二人でニューヨークに行き、あの人形を探し出し、元に戻すお願いをしようということになった。

ニューヨークの役場で、そうしたものの捜索を依頼すると、運が良くて6ヶ月かかるといわれてしまう。
そこでジョッシュは仕事を見つけることに。自分がテレビげームなどおもちゃが大好きだったので
おもちゃ会社の面接を受けることに。要領を得ない面接だったが、なんとかデータの入力係として
雇ってもらうことに成功した。

画面に向かって終日データの入力をしただけで、子供にとっては大金の週175ドルを貰えた。そこはまだ
子供。親友のビリーとたくさんお菓子を買い、おもちゃを買って、ホテルで「豪遊」したりしていた。

ある土曜日、おもちゃ屋さんに行ったジョッシュは、いろんなおもちゃで13歳の子供らしい感覚で
ビリーと遊んでいた。一緒に踏むと音が出る鍵盤で一曲演奏したおじさんこそ、自分の勤めるおもちゃ
メーカーの社長であった。彼の13歳の感性で語るおもちゃの感想は新鮮で、社長はたちまちジョッシュが
気に入り、副社長に抜擢したのだった。
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面白くないのは、上昇志向たっぷりのポール。ガールフレンドのスーザンも、にごりのない子供のような
(子供なのだが)ジョッシュに心を奪われていき、ついにはポールの元を去っていってしまう。

副社長になって高給取りになりニューヨークのど真ん中に広いマンションを借り、おもちゃだらけにして
楽しんでいたジョッシュだったが、家族は誘拐されたままになっていると思っているので、手紙を書いて
無事を知らせたりしていた。(数ヶ月後には元に戻るから、)近いうちに家に帰るからと。

そのうちにジョッシュとスーザンは大人の関係になっってしまう。しかし、別れの時期は確実に近づいて
いる。彼の開発するおもちゃも次第に子供の発想から離れて行き、オフィスに遊びにくる親友ビリーも
忙しい、人に合う約束がある、と追い返し、ビリーを怒らせてしまう。

しかし、ビリーの家に役場から魔王占いのある場所を知らせる封書が届いた。ビリーはこれをジョッシュに
届ける。スーザンは自分と暮らしていても結婚しようといわないジョッシュにイライラしていた。それを
見たジョッシュは、スーザンに「自分は13歳の子供なんだ、魔術で大人になってしまったんだよ」と説明
するが、当然スーザンは頭から信用しない。

オフィスで新しいおもちゃのプレゼンをしていたジョッシュは、そのおもちゃが19ドルすることをポールから
指摘され、子供がそんなにお金をもっているのか?と責められる。その瞬間、ジョッシュはやはり自分は
家に帰りたい、と思い、オフィスを出て魔王のいる遊園地に出かけた。後を追うスーザン。
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ジョッシュは魔王の人形に願いを掛けた。家に帰りたいと。そのとき後を追ってきたスーザン。彼が言って
いることをやっと理解できた彼女だったが、彼と別れることは切なかったものの、やはり家族のもとに
帰らなければならない人だ、と理解し、彼を家まで送っていった。ラスト、クルマを降りて家に向かっていく
ジョッシュは、ふと目をそらして、今一度見ると、すでに13歳の子供に戻っていた。笑顔を浮かべ帰路に
ついたのだった・・・。

「パンチライン」と同じ年の作品でトム・ハンクスは32歳。彼の明るさ軽さがいい意味で映画を暖かい
タッチにしている。それと悪人がだれも出てこない、人が死なない、というディズニーが作りそうな映画
のタッチ。子役のジョッシュとビリーがいい感じだし、最近はテレビでしかその姿を見ないスーザン役の
エリザベス・パーキンスも、当時のソバージュヘアこそ時代を感じさせるが、なかなかいい味を出して
いたと思います。
機会があれば、一度ご覧になるといいとお勧めできる映画です。
この映画の
こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2009-07-28 22:50 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)