プルーフ・オブ・マイ・ライフ Proof

●「プルーフ・オブ・マイ・ライフ Proof」
2007 アメリカ Miramax Films,100min.
監督:ジョン・マッデン
出演:グィネス・パルトロー、アンソニ・ホプキンス、ジェイク・ギレンホール、ホープ・ディヴィスほか。
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だめな映画だとは思いませんが、なにか引っかかるもの(悪い意味で)が残る作品でした。それが
何なのか。グィネス演じるキャサリンの神経症的な性格が、映画の中で終始観る人をイラつかせる
(精神を病んだオヤジさんよりキツい)のだが、それが解決しないまま終わるからだろうか。
なんか自分までイライラして観終わるという感じ。

オヤジさんの数学的証明であろうと思われていたものが、実際は娘であるキャサリンが解いたもので
あるところは、はっとさせられたが、どこから話が始まるんだろう、とこれまたイラつく。
キャサリンに心を寄せ、その精神のありようにも心配を寄せる数学研究者でボーイフレンンドのハルに
対する態度も、その精神的不安定さにより、心から受け止められない。これにもイラつく。

事前に、亡くなった偉大な数学者の父親との関係で自分探しをする、というようなストーリーであることは
判っていたので、オヤジさん(アンソニー・ホプキンス)はどうやって死んで行くのだろう、と怖さもありで
興味があったが、冒頭のキャサリンの妄想で、静脈瘤による病気で63歳で亡くなり、明日が葬式で
あることが解る仕掛けは、スマートだった。
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若いころから天才の名前をほしいままにしてきた数学の大家で大学教授の父は精神を病んでしまい、
その世話を、自分も数学を学ぶ学生だった次女のキャサリン(グィネス)。その父も病で亡くなり、
後には103冊のメモが残されていた。
父の教え子のハル(ギレンホール)は、キャサリンに思いを寄せながらも、精神が安定していない
キャサリンにどう接していいかとまどう。彼は103冊のメモを読ませてほしい、どんな偉大な証明が
書かれているかもしれないから、と申し出るが、キャサリンは断る。ひそかに持ち出そうとした1冊の
ノートで警察を呼ぶ騒ぎとなってしまう。

葬式にやってきた今はニューヨークで働く姉のクレア(H・デイヴィス)は、すでに父が住んでいる家を
売却する契約を結んでいた。長い間自分を犠牲にして父の世話をしてきた妹の世話をNYで見たい
というのだ。だが、キャサリンは、ここにいたいのに、と反対する。精神病院に入れようとしたでしょ、とも
詰め寄る。確かに、姉はその可能性も見ていたのだった。

やがて、ハルが手にしたノートに世紀の発見となるべき証明が書かれていることを見つけた。実は
父が亡くなる直前、キャサリンは父の助手のようなことをしていて、一緒に数学の証明について勉強
していたのだが、ある日、閃いてある定理の証明に成功していた。

ハルが見つけたノートの中身は私が書いたの、と姉やハルに説明するが、そんなことがキャサリンに
出来るわけがない。筆跡も父のものだと姉たち。疲れていたキャサリンにとってはもうどうでもいいこと
になっていた。しかしハルは大学の仲間や数学や物理学の教授に、ノートを見せ、その証明が実際
素晴らしい発見であることが解った。
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キャサリンは葬儀を終えて、姉とNYに行くことにした。ハルは、このノートはどうするんだ、君の手で
世界に発表すべきだと、去っていくクルマの窓からノートを投げ入れた。

実は、キャサリンは父と共同で定理を証明する研究していたが或る夜、二人同時に証明に成功したと
お互いに声を掛け合う。キャサリンは父のノートを読んで、驚き、涙が出てきたのだ。
そこに書かれていたのは、数学の証明ではなく、証明の体を借りた、散文詩のような意味のわからない
文章であったのだ。父は本当にイカレてしまっていたのだ。つまり、あのノートはキャサリンが書いたもの
であったのだった。神経に変調をきたしながらの勉強だった(自分も父のような精神破たん者になって
しまうのではないかという不安)ので、自分自身誰が書いたのか良く解らない混乱状態になっていたのだ。

NY行きを待つエアポートから姉を振り切って、大学に戻ったキャサリンは、自らの手でもう一度自分の
書いた証明を、検証しようと決意した。その横にはハルが座っていたのだった・・・。

結局、父親と同じくらいの数学の天才であったキャサリンが7年にも及ぶ精神病の父の看護に疲れる
中、自分も父と同じ病気になるのでは?という恐怖に襲われつつも、愛してくれるハルの力を借りて、
自らを再生していく、というお話だ。

監督は「恋に落ちたシェイクスピア」のジョン・マッデンだし、原作はデヴィッド・オーバーンのピュリッツァー
賞受賞の舞台劇だし、出ている配役も一流どころを並べたが、イラつきからのリリースが満足でないので
カタルシスを感じきれず、どこか引っかかったまま終わってしまったのが残念だった。
グィネスってもう少しきれいだと思っていたが、お年を召された、ということか?
この映画の情報はこちらまで。
Tracked from ☆彡映画鑑賞日記☆彡 at 2009-08-01 00:23
タイトル : プルーフ・オブ・マイ・ライフ
 『今世紀最大の証明(プルーフ)には愛があふれていました。』  えー今日は来年1/14に公開されるこちらの映画の試写会に行ってきましたぁヾ(〃^∇^)ノわぁい♪ 実を言うと今日はもう1本試写会に当たっていたのですが、初めてカブっちゃったのです(^-^;)めったに当たら....... more
by jazzyoba0083 | 2009-07-29 22:10 | 洋画=は行 | Trackback(1) | Comments(0)