パラドールにかかる月 Moon Over Parador

●「パラドールにかかる月 Moon Over Parador」
1988 アメリカ Paramount Pictures,103min.<日本劇場未公開>
監督・脚本・製作:ポール・マザースキー 音楽:モーリス・ジャール
出演:リチャード・ドレイファス、ラウル・ジュリア、ソニア・ブラガ、ダナ・デラニーほか。
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楽しい映画なのになあ。配役が地味だからだろうか、日本では劇場未公開。しかもまだDVDにも
なっていない。これはダビングして保存しておこうかしら。
小洒落た映画で、年間数本出会えるかどうかの佳作だと思いますね。他の感動の大作などは
多くあるけれど。何といってもマザースキーの脚本がいいんだな。リチャード・ドレイファスも
愉快だけれど、どこか考えさせられる主人公役を好演しています。ラウル・ジュリアもいいね。
作品中のセリフにも思わずにやりとさせられる、ウィットとヒューモアがある。
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主人公ジャック(リチャード・ドレイファス)は売れない二流俳優。映画の撮影のために中米の
小さな国パラドールを訪れるが、パラドールの独裁大統領(リチャード・ドレイファスの二役
)が心臓発作で急死する。
事が公になると政府転覆の危機があると恐れた政府高官ロベルト(ラウル・ジュリア)は、
大統領の物まねを得意としていたジャックに無理やり影武者役を承諾させ、実際には自身が
権力を操縦していく。しかし主人公は、大統領の愛人(ソニア・ブラガ)と出会って国の内情を
教えられたり、貧民地区を遊説中にゲリラの襲撃を受けたりする中で、しだいに自分が何を
すべきか考え始めていく…。
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アメリカに行って本格的な女優を夢見る大統領の愛人マドンナ・メンデスが、重要な役周りを
務める。初めはパーな女と思えていたのだが、大統領が偽物と判ってからもジャックと心を
通わせ、やがて愛しあうようになる。そして、ジャックがパラドールと言う国の実情を知るに
したがい、本物の大統領のような施策を始める。ゲリラと和解したり、国民に喜ばれる政治を
していったのだった。そのおかげで、銅像まで建つことになった。
しかし、いつまでもこのままではいられない。ジャックは、再び入国してきた映画撮影隊の
力を借りて、大統領をたたえる式典で、にせの暗殺事件をでっち上げ、大統領は死んだことに
して、遺体を、食肉倉庫に冷凍保存していた本物とすりかえて、脱出することに成功する。
しかも、銃撃されて死んでいくと見せかけた時、ロベルトを指さして、こいつが悪い、と
言ったものだから、ロベルトは怒った民衆に殴り殺されてしまう、というおまけつきだった。

だが、国に残ることを決心したマドンナとは悲しい別れが待っていたのだ。

そして再びニューヨークに帰って来たジャックは、前と同じように配役探しの日々を始めた。
その時、テレビでは、マドンナが大統領に選ばれた、と報じていた。ジャックはにやりとして
ニューヨークの街にくりだしていったのだった・・・・。

古い映画にはなってしまっているが、古さを感じさせない恒久性を獲得している。映画内で
2回、美声を聴かせるサミー・デイヴィス・ジュニアが、美味しい。
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冒頭の歌を当時モテモテだった、フリオ・イグレシアスが歌っているのも、時代と土地柄を
上手く表しているし、ロケを敢行したブラジルの光景も映画にとてもフィットしていると思い
ました。私的にお勧め度の高い映画です。
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by jazzyoba0083 | 2009-08-24 22:55 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)