ゴスフォード・パーク Gosford Park

●「ゴスフォード・パーク Gosford Park」
2001 アメリカ USA Films,137min.
監督・製作・原案:ロバート・アルトマン
出演:マギー・スミス、マイケル・ガンボン、クリスティン・スコット・トーマス、ヘレン・ミレンほか。
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2001年度アカデミー賞脚本賞受賞作品>


アルトマンの群像劇は好きで、「ショート・カッツ」「ザ・プレイヤー」「今宵フィッツジェラルド劇場で」は
私の中のベストに位置する作品たち。
そのアルトマンの、しかもオスカーの脚本賞を獲った作品ということで、観はじめました。ま、上映時間の
長いのは彼の作品の特徴なので初めから覚悟はしていたのですが、時代がやや下ることで同時代性
の共感を得にくいこともあったのでしょう、途中で何回も眠くなり、HDDを何回もリワインドし(映画観の
禁じ手)、やっとこさの思いで観きりました。

アルトマンの作品は元来軽いものではないのだが、この作品は更に重い。イギリスの貴族と使用人と
いう心理設定も更に重い。群像劇なので、人が多いのは仕方のないことなのだが、職業が皆、貴族と
使用人なので、区別がつきづらい。誰が誰なのか、たとえば使用人同志の会話で、ご主人の苗字で
話されても誰のことなのかイメージし辛い。などなどで、「勘弁してください、参りました」という感じで
観終わった次第。アルトマンの独特の会話の中でのアイロニーや、でもどこか暖かさのある感覚は味わ
えずじまいでした。
きっと私の見方が悪いんでしょうね。

後半に殺人事件が起きて、お、クリスティーのポアロ物のようになるのか、と思えばそうでもなく、確かに
ラストにびっくりする設定は用意されていて、「なあるほど、その手で来たか!」と思わされ、人間の
「上の階」「下の階」に代表される貴族と使用人の人間関係なんて、所詮そんなもんよ、と思わせる
ところはさすがにアルトマンの脚本だ!とは思うけど、前段が長いのでセリフを楽しむゆとりもなかった。

アルトマン作品群では、私的にはいささか好みのステージが下がる作品ではありました。でも、しっかり
ストーリーを追い、吟味し、人間性のアイロニーを観賞しきれる人には、ものすごくいい作品なのかも
しれません。イギリスという設定や時代背景も含めて。
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『アカデミー賞脚本賞をはじめ、数々の映画賞を受賞し絶賛されたロバート・アルトマン監督作。
アルトマン監督お得意の群像劇で、イギリス上流社会をシニカルに描いたブラック・コメディ。
ベテランから若手までほとんどイギリス人の俳優を揃え、それぞれがホスト、ゲスト、メイド、従者などに
扮し複雑なアンサンブルを奏でる。
 
 1932年11月、イギリス郊外。ウィリアム・マッコードル卿とシルヴィア夫人が主のゴスフォード・パーク
というカントリー・ハウスでパーティが催された。
貴賓が優雅に来場する“上の階”とは対照的に、メイドや従者たちは大忙し。そんな“下の階”では虚飾に
溢れたご主人たちのゴシップが乱れ飛ぶ。2日目の晩餐の席、客の一人であるアメリカ人映画プロデュー
サーが、この“鼻持ちならない”貴賓たちをネタにした最新作の構想を披露する。
それはカントリー・ハウスを舞台にした殺人事件。そしてその夜、実際にウィリアム卿が邸内で殺される
事件が発生する。』(allcinema)

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by jazzyoba0083 | 2009-09-07 23:30 | 洋画=か行 | Trackback(1) | Comments(0)