2009年 09月 26日
イースタン・プロミス Eastern Promises
2007 イギリス・カナダ・アメリカ Focus Features,100min.
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
出演:ヴィーゴ・モーテンセン、ナオミ・ワッツ、ヴァンサン・カッセル、アーミン・ミューラー=スタール他
短い時間でコンパクトに仕上げられた上等なサスペンス。が、ナイフを使った殺人シーンや
レイプシーンなど、かなりエグイので、万人にお勧めできる映画では無い。
主役のヴィーゴ・モーテンセンはこの演技でオスカー候補になっているとおり、暗く、
得体の知れないロシアマフィアの手下(実は違うのだが)を演じ、不気味であり、何を
考えているか判らない風情がダークにクールである。
映画自体も、暗いクリスマスの雨のロンドンからスタートする。床屋でロシア人がのどを
掻き切られて殺されるシーンからスタート。チェチェン・マフィアとロシアマフィアの
内部抗争を匂わせる。
一方、助産師アンナの勤める病院に出血した妊婦が運び込まれる。14歳だ。女の子が
生まれたが、母親は助からなかった。彼女の持ち物に、1冊の日記があった。
もともとロシア系であるアンナだが、ロシア語は判らないので、ロシア人である
伯父に翻訳してもらおうと、日記を家に持ち帰る。伯父が翻訳を嫌がったので、彼女は
日記の中に挟んであったロシアンレストランにいってみることに。
そこの主人こそ、ロシアンマフィアのゴッドファーザー、セミオンだった。セミオンは、
アンナに、人の良いレストランの主人を完璧に演じ、その少女のことは知らないが、
翻訳はしてあげよう、と申し出る。
次の日、コピーを持ってレストランに行くと、セミオンはしきりにオリジナルの存在を
気にするようになる。
このレストランに出入りしている運転手ニコライ(カッセル)とボスのアホ長男キリル
(カッセル)。彼らはこのレストランを本拠地としてロンドンで悪事を働くロシアン
マフィアの一族だった。組織の名前を"法の泥棒"という。
やがて、日記の全貌を読むことになった伯父は、アンナに、この一件には近づいては
いけない、関わってはいけない、と忠告する。
しかし、アンナはニコライという不思議な男とこの事件に関わりを持ち始めてしまって
いたのだ。
実は、ニコライは、長い間この組織の中に潜入しているロンドン警視庁の覆面捜査官だったのだ。
"法の泥棒"の壊滅を狙い、運転手から、ファミリーの一員にしてもらえるまでの信頼を得た。
しかし、セミオンの裏切りにあい、対立するチェチェンマフィアから、仲間を殺された報復と
してキリルをよこせと言われるが、当然わが子可愛いセミオンは、ニコライを騙して、
チェチェンマフィアに殺させようとする。サウナに誘われたニコライ、対立するマフィアは
彼の体に"法の泥棒"のファミリーの印である刺青が胸にあるから、それがキリルだ、と教えて
おいて襲わせたのだ。しかし、裸での格闘で、あちらこちらを切られたニコライだが一命は
取り留め、アンナの病院に運び込まれた。
更に、亡くなった14歳の少女は、レイプされていて、最初にレイプしようとしたキリルが
役立たずだったため、オヤジのセミオンが少女を犯し、妊娠させたのだ。あの女の赤ちゃんの
父親はセミオンということだ。
警察は、セミオンのDNA鑑定をして、まずはレイプでしょっ引くことに。
その背後には、ワインと少女を交換するという人身売買(イースタン・プロミス)をやって
いたのだった。その動きを察した息子のキリルは病院から赤ちゃんを連れ去り殺そうとするが、
アンナとニコライに追われ、かろうじて留まる。アンナはニコライの正体こそ知らないが、
ニコライのどこか優しいところに惹かれた。
一年過ぎて、女の子はアンナが引きとり、伯父伯母の家で育てていた。そして、ボスの
居なくなったレストランでは、一人椅子に座って瞑想するニコライの姿があった。
"法の泥棒"を乗っ取って、更に捜査を進めようというのだろうか・・・。
超有名な配役ではないが、ニコライのヴィーゴ・モーテンセン、アンナのナオミ・ワッツ、
キリルのヴァンサン・カッセル(ロシア人には見えないけど)、そしてなにより普通のいい
オジサンのような風貌で実は陰でものすごく悪いことをしているドンを演じた、アーミン・
ミューラー=スタールは、モーテンセンと並んで、光っていた。全体として非常に脇の
締まった映画だ、と感じた。ただ、映画に「意味」を求める人には、いささか、全体に何を
描きたかったか判りづらいかもしれない。
この映画の詳細はこちらまで。
『ここでしか、生きられない。』 コチラの「イースタン・プロミス」は、「ヒストリー・オブ・バイオレンス」の監督デヴィッド・クローネンバーグと主演ヴィゴ・モーテンセンが再びタッグを組み、6/14公開となったR-18指定のクライム・サスペンスなのですが、早速観て....... more
2008年6月上映 監督:デヴィッド・クローネンバーグ 主演:ヴィゴ・モーテンセン他 果たすべき約束がある、例えあなたが何者であったとしても・・・任侠映画みたいだったなw...... more
まさに「ダークでクール」でしたねw
凄く格好良かったです。
こういう男くさーい役って、はまる人ははまりますよね。
憧れはありますが、ヤクザはイヤ(笑