2009年 09月 29日
かけひきは、恋のはじまり Leatherheads
2008 アメリカ Casey Silver Productions,Somke House,113min.
監督:ジョージ・クルーニー
出演:ジョージ・クルーニー、、レニー・ゼルヴィガー、ジョン・クラシンスキー、ジョナサン・プライスほか。
邦題につられて、恋愛映画だと思って観ると失敗します。これは原題が示すとおり、革の頭、つまり
アメフトの防護用の革帽子のことで、アメリカのアメフト勃興時のお話を恋愛も絡めて綴った、アメフト
映画であります。(とも言い切れないキレの悪さはあるのですが)。シネコンに行こうかな、と思った作品
だが、行かなくて良かった。(爆)
ジョージ・クルーニーは自分で監督した映画に主演するくらいなので、よほどこの手の映画を作りた
かったのだろう。主軸はアメフトなのだが、それに若きチームメイトの第一次大戦を巡るウソ英雄伝説の
エピソードや、クルーニーと敏腕記者ゼルヴィガ-の恋愛模様も加わり、ユーモアやウィットも適当に配
された、まことに真面目に作られた映画なのだ、が結局何が言いたいのか判らず仕舞い、というそしりは
逃れられない。
一体、日本人に理解できないアメリカの映画題材として、このアメフトとトランプゲーム(ポーカー)が
ありますね。だから、日本人のアメフトを知らない人が見ると興味は半減、恋愛映画だと思った人は
興味は四分の一くらいに減ってしまうかも。
<ストーリー>
『1925年、アメリカ。アメフトのプロチーム“ダルース・ブルドッグス”のキャプテンとして活躍するドッジ。
(クルーニー)しかし、創設間もないアメフトのプロリーグは集客に苦しみ、ドッジのチームも存続の
危機に陥っていた。
そこで、ドッジはチームの窮地を救うため、プロより人気が高いカレッジ・フットボールの花形選手
カーターを勧誘することに。またカーターは、第一次大戦でのヨーロッパ従軍時にたった1人でドイツ軍
小隊を降伏させた、という武勇伝を持っていた。やがて、カーターのいるシカゴに到着したドッジは、
スター選手の密着取材に来たという野心的な敏腕女性記者レクシー(ゼルヴィガー)と出会い、彼女の
魅力に惹かれていく。だが、レクシーには、カーターの武勇伝はウソだとのタレコミをもとにその真相を
スクープする、という本当の目的があったのだった…。』(allcinema)
構図はこうだ。まだ売れないプロのアメフトチームに、大学の人気者カーターを金で呼ぶ。お陰でチーム
の人気は高まり、強くもなる。しかし、このカーター、いいやつなのだが、第一次世界大戦の英雄だ、
というところに秘密があった。ドイツ軍1小隊を1人で降伏させた、とのことで勲章ももらっているのだが、
実は、たまたま塹壕で寝てしまい、みなの出撃から取り残されていたところ、その塹壕にドイツ軍が侵攻、
目を覚まして驚いたカーターは、ドイツ語で「降伏だ!」と叫んでしまう。その言葉を、米軍に降伏しろ、
という命令と勘違いしたドイツへ兵たちがいっせいに手を上げてしまった・・・という、オバカな話。
しかし、戦地での事情を戦友たちで内緒にしておいたため、カーターは英雄のままで帰国したのだった。
しかし、カーター自身は、胸につかえをもったようにすっきりとしていなかった。
そんな折に、レクシーの新聞社に、当時同じ戦地にいた、という少尉が、「あいつは英雄なんかじゃない」
と暴露の証言を持ってきた。そこで、レクシーは、チームに接近。密着取材と称して、秘密を探るが、
そんなレクシーに、カーターもドッジも惹かれていく。
ついに、カーターの口から真実を聞き出したレクシーは、それを新聞記事にするが、世論は沸騰、
カーター側は、否定、謝罪を要求、新聞社は譲らない。そんな状況を打開すべく、判事出身の新しい
コミッショナーの裁定となることに。ドッジの作戦もあり、コミッショナーの前で、真実を口にするカーター。
コミッショナーは、英雄は当時たくさんいて自分もその1人であった、という記者会見を開くこと、そして
収入の半分を在郷軍人会に寄付すること、などを約束、陰で糸を引いていた、C・Cというマネージャー
は追放になってしまった。(彼はこれからはベースボールの時代だよ、と言い残してその場を去るが、
エンディングでベイブ・ルースらに囲まれた写真が出てくるところがオチャメである)
ドッジのチームに居られなくなったカーターは、当面の敵であるシカゴのチームに移籍する。そして、
ついに遺恨の試合が開催された。試合は、土壇場でドッジの頭脳プレーで、ブルドッグが辛勝するの
だった。
カーターはレクシーにそれとなく愛を告白するが、受け入れてもらえそうになく、試合後、真実を告白
する決心をし、レクシーの前から去っていく。そして、ドッジとレクシーの愛は一段と深まり、ラストシーン
ではバイクにまたがりながらのプロポーズ。二人は結婚することになりましたとさ・・・。
字面からは、映画のそこここに埋め込まれたユーモアや機微を伝えられないが、全体としては、前にも
書いたように、まことに真面目に作られている。クルーニーの性格なんだろう。
難点は、主題が絞りきれていないこと、邦題そのものは、いいネーミングなのだが、名が体を表して
おらず、観る人を惑わすこと、前半が、たるい事などが挙げられる。
この映画の詳細はこちらまで。
『遠まわりするほど、楽しいのが大人の恋。』 コチラの「かけひきは、恋のはじまり」は、「コンフェッション」で監督デビューを果たしたジョージ・クルーニーが、初めて自身の監督作品で主演を務めた11/8公開のラブ・コメディなのですが、早速観て来ちゃいましたぁ〜....... more