2009年 10月 25日
あなたは私の婿になる The Proposal
2009 アメリカ Touchston Pictures,Mandeville Films,108min.
監督:アン・フレッチャー
出演:サンドラ・ブロック、ライアン・レイノルズ、マリン・アッカーマン、クレイグ・T・ネルソンほか。
昨夜観た「ハート・オブ・ウーマン」とどこか感性が近いな、と思って観ていたら、監督が女性だった。
どこか女性目線なんだな。このアン・フレチャーという監督、ダンサー、振付師、女優、監督という
経歴を持つ。自身もこの映画にジルという女性で出演しているが、残念ながらジルがどこで出てきた
どういう人物か記憶にない。
さて本作も、ラブコメの王道を行く、都会のオフィス(ここでは出版社の編集部)を舞台にして、あまり
ありそうでないシチュエーションの中で、予定調和的なラブストーリーが進行していく。
出版社の編集長マーガレット(ブロック)は、有能だが冷たい性格から、部下から「魔女」のあだ名を
頂戴している。朝出社しただけで、みんなのパソコンに「魔女が現れた!」とのメールが飛び交う。
そんな鬼編集長のアシスタントを務めているのが、ずいぶんと年下のアンドリュー(ライアン)だ。
毎朝スタバに寄って、指定のコーヒーを買い、彼女の仕事の下働きのようなことをこなす毎日。
この3年というもの、休みらしい休みを取ったこともない。次の週末に故郷である祖母の90歳の
誕生日会も、仕事で断らざるを得ないことに。
そんな折、社長に呼びだされたマーガレットは、就労ビザが切れて、カナダに強制送還されることに
なりそうだ、と告げられ、ほんのさっき自分の手でクビにしたばかりのボブを編集長にするという。
そんなこと断じてさせられないと、彼女がとっさに取った行動は、自分がアンドリューと婚約した、と
告げたのだ。あっけに取られるアンドリューをしり目に、秘密にしていたが、そういうことなの、と、
言いきるマーガレットだった。マーガレットはカナダ人で、アメリカ人と結婚すれば自動的にアメリカの
国籍を取れる。彼女はそれに気がついたのだ。
自分たちは、この週末に予定されている祖母の誕生パーティーでみんなに報告しようと思っているの、
とマーガレット。唖然とするアンドリュー。社長から彼の実家はどこ?と聞かれ、アンドリューに振ると
「シトカ」。マーガレット=「そう、シトカなの」、社長=「で、どこのシトカ?」、アンドリュー「アラスカです」
マーガレット=「そ、!!!? そうなのアラスカ!!!?・・・・なの」。というわけで二人は週末に
アラスカに行くことに。
二人は移民局に行き、結婚することを説明する。しかし、係官は、ボブからの垂れこみで、これが偽装
結婚の疑いが濃いとにらみ、二人に周辺や友人たちから二人の関係に不自然がないか徹底的に
調査する、と宣告される。そして次の月曜に面接をするからと。ちゃんと一致しなければ、マーガレットは
国外追放、アンドリューは25万ドルの罰金と5年の懲役だぞ、と脅かされる。
こんなウソ嫌だ、とアンドリューは言い張るが、許さないマーガレット。ならばすぐにアシスタントから
編集者に昇格させろ、とアンドリュー。駄目だわ、というと、アンドリューは、じゃ、さよなら!と脅す。
仕方ないマーガレットは、アンドリューに促されるままに、人ごみで膝をついて、求婚するはめに。
そして週末。空路でアラスカ州シトカに入った。そこは想像していた以上に田舎であったが、実は
アンドリューの実家は、土地の富豪で、二人を一族郎党が出迎えた。
嘘をつきとおそうとする二人だったが、両親やおばあちゃん、元カノ、同級生らは暖かく迎える。
そして大豪邸で、二人は1つの部屋で過ごすように仕向けられ、プライベートでは一度も二人で何かを
したことのないアンドリューとマーガレットは、ぎくしゃくしながらも婚約披露パーティーをこなす。
実はアンドリューは跡取り息子であったが、父の家業を継ぐのを嫌い、NYに行ったのだったが、まだ
望みを持つ父は、なんとか実家に戻ってくれるように説得するが、アンドリューは首を縦に振らない。
すると、両親は、明日ここで結婚式を挙げるようにアドバイスする。おばあちゃんも出席できるから
という理由だ。おばあちゃん本人からも切望され、二人の挙式は伝統に則って、実家の納屋で執り
行われることになった。
結婚を控えドレスを作ったり、地元の人々の手荒い歓迎を受けたり、そんなことをしているうちに
マーガレットは、いい人たちを騙している自分がいたたまれず、ボートで逃げだす。
16歳の時から一人で生活してきたマーガレットには「家族」というものの暖かい存在を知らずに
アラフォーまで自分に厳しく生きてきたのだが、アンドリューの家族と接するうちにそのかけがえのない
存在に気が付き、これ以上彼らに嘘はつけない、と逃げだそうとしたのだ。
しかし、アンドリューに諭されて思いとどまる。そして挙式の日。まさに宣誓をする直前になって、彼女は
参列した家族たちの前で、ついに本当のことを告白する。またまた隣で唖然とするアンドリュー。
彼女は、置手紙をして、姿を消した。どういうこと?とアンドリューに詰め寄る家族だったが、おばあちゃんの
仮病で、マーガレットが飛び立つ空港へと来ることになるのだが、すんでのところでマーガレットは
アラスカまで調査に来ていた移民局の係官に連れられて、NYへ帰って行ったことろだった。
国外追放になることからオフィスを整理していたマーガレット。そこに現れたアンドリュー。家族も
マーガレットがアラスカを去ったのはアンドリューを好きになってしまったからだ、と理解し、彼に
彼女の後を追うように言うのだった。それを受けてマーガレットのもとに現れたアンドリュー。
彼は自分の気持ちを素直にマーガレットに告白。マーガレットがマーガレットもそれを受け入れ、
めでたしめでたし。ラストのエンドロールの横に、移民局でのインタビューが映し出される。どれだけ
お互いがお互いのことを知っているのか。調査は両親や友人たちにも及ぶが、その質問と答えの
けったいなことに笑える。
マーガレットが一人で周囲を振りまわしていることに、アンドリューと家族の存在が気がつかせる。
コメディエンヌとしてのサンドラも、40も半ばに来てふっ切れてきたのか、味わいが出てきた観がある。
ほとんど彼女の独り舞台で、(製作総指揮にも加わっているから、こうしたものを彼女自身も創り
たかったのだろう)サンドラが苦手な人は、ダメな映画だろうが、若さだけでは描ききれない恋愛の
機微のようなものは、ダイアン・レインや歳を重ねてきたメグ・ライアン、サラ・ジェシカ・パーカー、
キャメロン・ディアス、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、レニー・ゼルウィガーなどの年齢になると味わい
が出てくるものだ。日本の女優さんもしかり。「イルマーレ」で見せたサンドラとは全く別のキャラクターの
可能性を示唆していて興味深く観賞した。
トリビアだが、アンドリューの実家として描かれたアラスカだが、撮影にアラスカは全く使われておらず、
撮影はボストンとその西海岸で行われ、雪をかぶった山々はCGだそうだ!ということでシトカという
街はアラスカにはない、ということですな。
この映画の詳細はこちらまで。
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