モナリザ・スマイル Mona Lisa Smile

●「モナリザ・スマイル Mona Lisa Smile」
2003 アメリカ Columbia Pictures,Revolution Studios,Red Om Films,117min.
監督:マイク・ニューウェル
出演:ジュリア・ロバーツ、キルステン・ダンスト、ジュリア・スタイルズ、マギー・ギレンホールほか。
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<感想>
どうも50年代を描いた映画は、私の心の原風景のようで、見ていて趣深いし、時に郷愁を感ずる。
懐メロとかいう感覚じゃないんだな。まるで、その時代に前世があったような気分になる。自分が
産まれた世代だから、というわけだろうか?理由は判らない。そういえばジャズも大好きなのは50年代
に多いな。
というわけで、この映画も1953年から54年が舞台になっていて、自分が産まれてまだ1歳か、そこら
の時代なのだが、どこかデジャヴが漂う。アメリカなのにね。建物や着るもの、小道具、クルマなど
正確に(たぶん)50年代を表している。音楽がまた、当時のポップスとジャズのスタンダードが満載で、
気分をフィフティーズに誘う。さて郷愁はそのくらいにして。
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ストーリーは陳腐だが、俳優陣がなかなか個性的で、魅せてしまう。ほんの50年前のアメリカは
まだこんなに保守的であり、女性にとって結婚こそ最大の幸福であり、家庭を守ることが最大の義務で
ある、ということが疑いもなく受け入れられていた時代があったんですよ、その牙城みたいな名門
女子大に、革新的な女性教師が赴任し、苦闘の末、生徒たちに開明的な考えを理解させていく、と。
今でも良妻賢母をモットーとする女子大はありそうだし、家庭を守ることが女性にとって第一と考えて
教育する私立大学があっても別にいいんんだけどね、それをひっくり返そうなんて余計な御世話だ、と
思うところもあるけど、この映画の場合は、アメリカのその時代の女性の世界観と戦った女性として
描こうとしたんだね。来られた大学こそいい迷惑だったかもしれない。

日本でもそういう時代があったわけだし、そういう教育に立ち向かった開明的な教師もいただろう。
ただ、キャサリンという教師の存在が、人間として自立した女性として生きていこうとする目を覚ました
ことは感動的であったというべきだろう。
ただ、生徒たちの生きざまをたくさん欲張りすぎで配役の関係性が判りにくかったり、キャサリンの
男性関係も詰め込んだので、全体として薄味になってしまったのは残念だった。
ジュリアより、キルスティンやマギー、ジュリアらの生徒役の女優さんたちが光っていた。特にマギー・
ギレンホールが良かったと僕は思った。最初のうち、キルスティンと顔が似ていて、姉妹役かと
思った。

<ストーリー>
お話は、そう珍しくは無い。東部ニューイングランドの名門にして超保守的な女子大に美術教師として
カリフォルニアからやってきたキャサリン(ジュリア)が、良妻賢母を製造することを大目的として
人間として独立していない状況を嘆きつつ、生徒たちの反目に会いつつ、次第に共感を得、1年後に
学校を去ることになるのだが、その時には、キャサリンに感謝をする生徒ばかりであったと。
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生徒群の中に、学生結婚して、キャサリンと一番対立するベティに三白眼のキルスティン・ダンスト、
ベティと仲良しなのだが対極にあるノンシャランなジゼルにマギー・ギレンホール、さらに、頭が良くて
イェール大学の法学大学院に内緒で合格しつつも、保守的な夫と結婚し、進学を(仕事と家庭の両立)
あきらめてしまうジョーンにジュリア・スタイルズ、そして自分は持てないと決めつけて愛を持って
近づいてくる男子学生をベティのひとことで(遊ばれてるのよ)自ら身を引くものの、最後には男子寮に
押しかけて愛を獲得するコニーなど、学生たちのそれぞれの人生観を描いた群像ドラマでもある。
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"Maggie Gyllenhaal"

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"Julia Stiles"

開明的なキャサリンは、カリフォルニアから追いかけて来てくれ、求婚してくれたボーイフレンドを振り、
同じ大学のプレイボーイにしてイタリア語教師ともいい中にはなるのだが、古い時代の男を感じて、
共感できない。そう、あの時代は女性を見る男性もまだまだ保守的であり、男性社会であったわけだ。
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卒業式の日、条件付きで1年の契約延長となったが、条件を受け入れられず、タクシーに乗って
去っていくキャサリンを自転車で追いかけながら別れを惜しむ生徒たちであった。なんか「今を生きる」
「24の瞳」みたいだな。「モナリザ・スマイル」とは、モナリザの絵は見る角度によって(見る人によって
笑っていたり、考えていたり、悲しんでいたりと様々に見える、女性の生き方だって、一人ひとり
違って当然、皆自分の道を歩むのよ、というほどのニュアンスを訴えているようだ。
この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2009-11-09 22:42 | 洋画=ま行 | Comments(0)