白と黒のナイフ Jagged Edge

●「白と黒のナイフ Jagged Edge」
1985 アメリカ Columbia Pictures,Delphi IV Productions,109min.
監督:リチャード・マーカンド
出演:グレン・クローズ、ジェフ・ブリッジス、ピーター・コヨーテ、ロバート・ロジア、ジョン・デナーほか。
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<感想>
サスペンスとしては、デ・パルマの「殺しのドレス」のように作品の出来というよりは時代を(古さ)感じて
しまう作品だな。ということは、普遍性を持つ名作にはなれないということだろう。
出だしの大きな音で脅かすというのが、まず、いらっとする。殺人事件の始まりだから昔の手法としては
当たり前なんだろうけどね。それと真犯人がなぜこういう事件を起こすに至ったか、異常性格者なのか
何かストレスでもあるのか、財産目当てなのかが今ひとつはっきりしない。たぶん新聞社の小僧あがり
が逆玉を掴んでそれを離したくなかったわけで、2年近い計画の末、殺人鬼による殺人に見せかけた
ものなのだろうが、もう少しそのことをストレートに判るようにしてほしかったな。
また、本作は一方で法廷劇でもあるわけだが、そこでの真理の追求も、欠点が散見される。
ただ、伏線の張り方も含め、全体的には、まあ見られるレベルかな。
主役のお二人は、女弁護士を演じるグレン・クローズ(若きメリル・ストリープかと一瞬思った)も
妻を殺された新聞社の編集局長のジェフ・ブリッジスも、いまひとつ重みに欠け、犯人と思わせるテニス
コーチの出現も後から思えばわざとらしい。オチとしては割と普通なのではないかな。私的には好きな街
サンフランシスコが舞台なので、それだけで加点になってしまいますが(爆)。

<ストーリー:ネタばれしてます>
サンフランシスコ。資産家の孫にして、地元大新聞の編集局長の妻である女性が深夜ナイフで切り刻
まれ惨殺されるという事件が起きた。旦那も帰ってきたところを頭を殴られ負傷、メイドも殺されていた。
地方検事クラズニーは、最初から夫ジャックが怪しいと睨む。財産目当ても考えられる。
そして、カントリークラブの守衛が夫ジャックのロッカーで犯行に使われていたと同じタイプのナイフを
見た、と証言を得、ジャックを逮捕する。

この弁護を担当することになったのが、かつてクラズニーの下で検事として働いていて、「スタイルズ
事件」(この事件の犯人スタイルズは最近刑務所で首をくくって死亡したと聞かされていた)をきっかけに
検事を辞めて企業弁護士になっていたテディ(グレン)であった。テディは企業裁判担当だから刑事事件
を担当するのはいやだ、と断っていたが、ジャックの率いる企業が大きい顧客でもあるボスに説き伏せら
れて担当することになった。彼女にはスタイルズ事件の罪滅ぼしという気持ちもあったのだろう。
このくだりは後述するが、この事件のことをもう少し丁寧に事前に説明しておけば(全部明かす必要がない
が)映画が引き締まったと思う。
テディは検事だった時の探偵を調査員として雇い、ジャックの周辺を洗ってもらった。彼の心証では
ジャックは真っ黒だった。
テディもジャックの周辺を洗っていく。すると同じタイプライターで書かれた“彼は無実だ“という手紙が
何通か届けられた。誰が送っているのか?テディは、ジャックからいろいろ事情を聞くうちに、彼に惚れて
しまう。彼女は離婚して二人の子持ちであった。(それがジャックの手段であったのだが・・)
そうこうするうちにテディとジャックは肉体関係となり抜き差しならぬことになってきた。
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裁判が始まった。双方様々な証人を立てて、有罪、無罪を立証しようとする。まず、殺された妻の兄が
出廷、ジャックは優秀な経営者だ、と証言、続いて出てきた女性は、かつてのジャックの浮気相手。
しかし、彼女が一方的にジャックに岡惚れしていたということだけで済んだ。次に検察側が連れてきた
証人は、疑いもなくジャックの愛人だった。これは言い逃れの出来ないことであった。また、殺された夫人
が通っていたテニスクラブのコーチのスレイドも続けて出廷、ジャックの奥さんと不倫関係であたったことを
証言した。さらに夫人が「ジャックは人を利用する達人よ」と言っていたとも。
ジャックから愛人の存在を知らされていなかったテディは激怒する。その言いより方が、テディを口説いた
ときと同じだったから、彼女はジャックを罵倒し、この裁判から降りるわ!と。
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テディはその足で裁判長の家に行き、裁判を降りたいと申し出る。しかし、翌日の裁判にテディは出てきた。
二度目の証言に立ったコーチのスレイドは、彼が真犯人のような心証を残した。クラブの警備員は
ジャックのロッカーに入っていたナイフが、ロッカー番号の見間違いで、他人のナイフを見たかもしれない
と証言を翻した。テディの弁護のたまものであった。(このころはジャックへの愛情ではなく、スタイルズ
事件の罪滅ぼしで動いてたとしか思えない)。この日の裁判が終わった地下駐車場でコーチのスレイドが
テディを脅すという伏線もあったり。

するとまた事務所にタイプライターで、ジャックは無実。サンタ・クルーズのジュディが証言する、と
書いてあった。テディはジュディを証人として立てた。彼女は、まるでジャックの夫人が殺されたような
手法で殺されかけたことを証言、しかも、夫人の殺人事件に手口が酷似していることを検事のクラズニー
に報告したが、クラズニーは握りつぶしていたことも証言したのだった。また、彼女はテニスクラブの
会員であり、スレイドのコーチを受けていたことが判明した。スレイドの犯行であるとことを印象付けた。

しかし、スレイドは18か月前から同じ犯行をしておいて、お膳立てをして、夫人殺しに及んだと説明、
ジャックの計画的犯行だ、と主張したが、裁判長は却下した。
そして判決。陪審員の評決は「無罪」であった。その席でテディはかつてクラズニーのもとでスタイルズ
事件を担当したが、その時、裁判の過程でスタイルズが無罪であることを決定づける証拠が挙がった
にもかかわらず、クラズニーは無視をし、自分も何も出来ず、彼は有罪となり、刑務所で自殺したのだ
と記者団に向かって告白した。警察はコーチのスレイドを指名手配したとテレビが言っていた。

その晩、テディはジャックの家に行き、再び二人の愛を確認した。しかし、バスルームの棚に、なんと
あの42年製のコロナのタイプライターがあり、小文字のtが跳ね上がる癖が一致した。恐怖に駆られ
子供が熱を出したから、といって、ジャックの家を離れるテディ。スレイドの犯行に持っていくために
ジャックが仕込んだことだったのだ!(こういう時に限って、逃げようとするクルマのエンジンがかからない
んだな)。その夜、ジャックから電話が入り、子供の熱はどう?と聞いてきたが、テディは、タイプライター
を見つけたわ、とだけ言った。ジャックはすぐそちらに行くからと。
切った電話で助手を務めていてくれた探偵に電話するが、そちらに行こうか、というのを断り、真実を
告げられなかった。そうするうちに、ドアのガラスを破って黒装束の男が侵入、ナイフとロープと言う
夫人殺しのスタイルで「顔を見せて、ジャック」というテディに迫ってきた。銃を4発。テディは男を殺した。
そこに探偵が駆けつけ、覆面を取ると、案の定、ジャックの顔が・・・。
この映画の詳細はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2009-11-12 22:50 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)