悲しみが乾くまで Things We Lost in the Fire

●「悲しみが乾くまで Things We Lost in the Fire」
2008 アメリカ・イギリス DreamWorks Pictures,119min.
監督:スサンネ・ビア
出演:ハル・ベリー、ベネチオ・デル・トロ、デヴィッド・ドゥカヴニー、アリソン・ローマン他
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<感想>
う~ん!こういう映画もありかな。独特の雰囲気を持った作品だと感じた。夫を殺された女性と、
その夫の親友で麻薬中毒の弁護士、彼ら二人の心の動きを心象風景的なカット(目のアップとか)を
巧みに使いながら映像で表現している。
結局、女性のことを主に言いたかったのか、親友の麻薬中毒弁護士のことを言いたかったのか、散漫
な感じになってしまったのは残念だ。また、彼がなぜ麻薬中毒になったのか経緯の説明もない。
「トラフィック」でオスカー助演男優賞を獲ったプレエルトリコ系のベネチオ(弁護士役)が、小倉久寛の
ような顔で圧倒的な存在感。ジャンキーの、しかし心根は優しいダメ弁護士を好演。
片や「チョコレート」で有色人種としては初のオスカー主演女優賞に輝いたハル・ベリーも、幸福の頂点
から奈落の底に突き落とされる2人の子持ちの女性を多彩な表情と演技で対峙する。

この二人の演技を観るだけでも価値のある映画だと思う。夫が銃で殺害されるときに鳴り響く銃声以外に
大きな音もなく、結構淡々と過ぎていくが、実はその後ろには描かれている主役二人の物凄い心の
葛藤の動きを見逃すべきではない。(子供や麻薬絶ちの会の若い女性を媒介としているケースが多い)
つまるところ、二人の再生の話なのだが、ことはそう単純に運ばない人生の機微を活写してみせた。
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<ストーリー>
『「ある愛の風景」「アフター・ウェディング」のデンマークの俊英スサンネ・ビア監督がハリウッドに招かれ
初めて英語で撮り上げた喪失と再生の物語。
突然の悲劇で最愛の夫を失った女性が、夫の親友を心の支えに立ち直ろうとする過程で繰り広げられる
葛藤と男女の心の機微を繊細に描き出す。
主演は「チョコレート」のハル・ベリーと「トラフィック」のベニチオ・デル・トロ。
 
 愛する夫ブライアンと2人の子どもに恵まれ幸せな結婚生活を送るオードリー(ハル・ベリー)だったが、
ある日そのブライアンが路上で喧嘩に巻き込まれ射殺されてしまう。
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葬儀の当日、オードリーはブライアンの親友ジェリー(ベネチオ)の存在を思い出す。
弁護士だったジェリーはヘロインに溺れて転落し、誰もが離れていく中、ブライアンだけは見放すことなく
面倒を見てきた。そんなジェリーを疎ましく思っていたオードリーだったが、彼がブライアンのことを
誰よりも理解していることを知り親近感を持ち始める。
その後、喪失感に苛まれる日々に苦しむオードリーは、その日暮らしのジェリーに、しばらく自分の家で
一緒に暮らしてほしいと申し出るのだった。』(allcinema)

補足・・オードリーの夫ブライアンは建築ディベロッパーとして成功していて、金銭的な不自由はない。
ブライアンの仕事の仲間で家族ぐるみの付き合いをしているハワードが何くれとなく面倒を見る。
麻薬中毒から一旦立ち直ったジェリーを自分の会社の弁護士として雇い、彼に不動産鑑定士見たいな
免許を取らせたりする。ジェリーもまた一生懸命勉強をした。
喪失感に苛まれるオードリーはジェリーを自分の家の一角に招いておいて、子供たちの水泳の教え方
を巡り、せっかく子供のことを思ってジェリーがしたことを非難したり、なぜ殺されたのが夫で、
あなたでは無かったの?あなたであるべきだった、とかなりキツイことを言い放つ。しかしジェリーは
じっと耐える。挙句の果てには、もう出て行って、と。
今度はジェリーが唯一の親友の家族のため、と思っていたことが受け入れられなかったショックから
また麻薬にハマってしまう。オードリーは自分が取り返しのつかないことをしたことに気づき、彼を
再び自宅に戻す。彼女の弟も手伝って、ジェリーの壮絶な麻薬断ちが始まる。
ジェリーは本格的に麻薬を絶つために施設に入る決心をする。
以上のようなストーリーにオードリーの二人の子供が微妙に絡み、物語に彩りを添えていく。
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Tracked from ★YUKAの気ままな有閑.. at 2009-11-25 07:13
タイトル : 悲しみが乾くまで
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by jazzyoba0083 | 2009-11-23 22:15 | 洋画=か行 | Trackback(2) | Comments(0)