ブラック・レイン Black Rain

●「ブラック・レイン Black Rain」
1989 アメリカ Paramount Pictures,125min.
監督:リドリー・スコット
出演:マイケル・ダグラス、高倉健、アンディ・ガルシア、松田優作、ケイト・キャプショー、若山富三郎他。
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<感想>
なんか、キワものかなあ、という先入観があり、これまで観なかった作品。この際、WOWOWで
観賞。このタイトルは、今村昌平の「黒い雨」と、つまるところの意味は同じだ。つまり、戦争中、
爆撃に遭い、そのあとに降る雨は黒い、という若山富三郎のセリフにある。ただ、今村作品は、原爆
ではあるが。
閑話休題。アメリカ人監督が描いたジャパニーズヤクザの世界。日本人が見ると奇異に感じる
オーバーな表現は、いたしかたないが、同じリドリーでも、「ブレードランナー」の方が近未来ということも
あり、自然だったな。(日本とは言ってないけど、わかまつ、のネオンは日本でしょうね)とにかく日本が
好きなんだね、この人。ならば、もう少し、研究したほうが宜しかろうと。様式美にこだわる人なので、
あのデコトラとか、ちゃりの行進とかは、なんか変だなあ。
しかし、そのほかの映像美は、さすがの感があった。
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この映画は松田優作の遺作となったことでも有名になったが、その松田の切れぶりはやはり素晴らしい。
また高倉健、若山富三郎の渋さも日本らしさが良く出ていたと思う。ただ、ヤクザの大親分が流暢な
英語を話す、というのはちょいとねえ。
更に、日本のシーンが全体に暗いというのも、リドリーらしさだと思う。「ブレードランナー」はもっと
暗かった。ストーリーとして、どうこういう所はない。ニューヨーク市警VS日本ヤクザ。
それよりもそのシチュエーションでの各俳優の演技を楽しむべきだろう。マイケル・ダグラス、
アンディ・ガルシア、松田、高倉、若山などなど。難しくないし、日本が主な舞台なので、入り易い映画
ではある。それにしても、一旦アメリカに送り返されるマイケル刑事、飛行機に一旦着席してから
貨物室から逃げ出すのだが、乗客が一人いなくなれば、飛行機は飛び立たないと思うけどなあ。
男の子には楽しい映画たと思いました。
しかし、撮影当時の日本側の規制は相当なものだったらしく、結局撮影ビザ期間中に撮りあげることが
出来ず、カリフォルニアのナパで撮影されたのだそうだ。どうりでブドウ畑みたいなとこだなあ、と
思えたはずだ。

<ストーリー>
ニューヨークで、二人の男が殺され、近くにいたニック(ダグラス)とチャーリー(ガルシア)の二人の
刑事が犯人である佐藤(松田)を追いつめ、身柄を確保する。二人は佐藤の護送を命令され、
空路、大坂に入る。飛行機の降り口で佐藤を引きとって行ったのは、佐藤の組の若い奴らで、
大坂府警の刑事にばけていたのだった。
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佐藤は、贋札の原版をアメリカまで追い、持っていた男2人を殺害したのだった。彼の望みは親分衆の
仲間入り。チンピラに毛が生えたような、しかも仁義や任侠が解っていない若い佐藤を快く思わない
ボスの菅井(若山)は、佐藤が原版を抑えている限り、仕方が無いと固めの杯を交わそうという。
一方大坂で、佐藤を逃がしてしまったニックと府警警部補の高倉は、佐藤の行くえを追うが、なかなか
身柄を確保できない。そのうち、相棒のチャーリーが、バイクの佐藤に日本刀で殺されてしまう。
復讐に燃えたニックは佐藤を追い詰め、チャーリーの遺品の銃をぶっ放すが、これが府警の逆鱗に
触れ、ニックは帰国させられ、相棒の松本(高倉)は謹慎になってしまった。
しかし、ニックは飛行機から脱出し、松本を誘い、佐藤が親分衆と固めの杯を交わす場所に接近し
そこで佐藤を捕えようと計画、大親分の菅井もそれを承知していた。

原版をもって現れた佐藤は、菅井にこれまでの落とし前をつけろ、と言われ、小指を切り落とす。
その間、実は佐藤の手下らが、表裏の原版一式を独占すべく、親分衆を皆殺しにしようとしていた。
佐藤は、菅井から杯を進められて近づくと、いきなり菅井の掌にナイフを突き立て、それを合図に
手下が会場に銃撃を加えてきた。様子をうかがっていたニックと松井は、佐藤らに応戦、逃げ出した
佐藤をバイクで追い、殴り合いの果てに、ついに佐藤を捉えることに成功した。

空港で別れを惜しむニックと松井だったが、ニックが置いて行ったお土産のワイシャツの箱の下には
ニックがどさくさにまぎれ奪った1組の原版が入れてあった・・・・。

ああした男と男の友情は、任侠のようであり、洋の東西を問わずあるような。終わり方としてはちょいと
くさかったかなあ。
西洋人のお辞儀ってなんであんなに不思議に映るんだろう。この映画を以てリドリー・スコットが何を
言いたかったのかは、ちょいと判らない。
この映画の詳細は
こちら
まで。
Tracked from ☆彡映画鑑賞日記☆彡 at 2010-01-24 08:57
タイトル : ブラック・レイン
 コチラの「ブラック・レイン」は、「アメリカン・ギャングスター」、「ワールド・オブ・ライズ」のリドリー・スコット監督が、日本を舞台に描いたクライム・アクションです。  主演は、マイケル・ダグラス。その相棒にアンディ・ガルシア。ニック(マイケル・ダグラス....... more
by jazzyoba0083 | 2010-01-23 17:15 | 洋画=は行 | Trackback(1) | Comments(0)