フロスト×ニクソン Frost/Nixon

●「フロスト×ニクソン Frost/Nixon」
2008 アメリカ Unversal Pictures,Imagine Entertainment,Working Title Films,122min.
監督:ロン・ハワード
出演:フランク・アンジェラ、マイケル・シーン、ケヴィン・ベーコン、レベッカ・ホールほか
e0040938_0132979.jpg

<感想>
去年、いつも行くシネコンにかからず、結局本日のWOWOWまで待ってしまった。
いい映画だった。もともとが舞台劇だけあって、会話で成り立っている作品だが、字幕を
追うこともそう苦痛にならない2時間強であった。
特に、インタビューに当てられた4日間のうちのラスト2日間は、醍醐味があった。責める
フロストと立ち向かうニクソン双方の心の動き、葛藤が良く描けていたのではなかったか。
1つ個人的に判らないのが、ニクソンがフロストに夜中、電話を掛けてきてから、それまで
攻めが甘かったフロストの姿勢に俄然変化が産まれたのだが、ニクソンのルール無しの
打ちあいだ、といわれて覚醒したのだと思うんだけど、今一つすっきりと心に落ちてこなかった。
e0040938_0142590.jpg

主役の二人は舞台からそのままのキャスティングとあって、実に味のある演技だった。
白眉である最終日に、ついにニクソンが言葉に詰まって見せる、疲れ、自己嫌悪にまみれた
表情は、まさに言葉の要らない素晴らしい1ショットだったと言える。(もっとも、ノン
フィクションであることが観客の心理をバックアップしているのも確かだが)
e0040938_0145851.jpg

ロン・ハワードは、ドキュメンタリーだけに、創りものである映画とノンフィクションとの
折り合いを、映画に出てくる主役以外の関係者のインタビューで構成し、テンポも良く、
切れのある演出だった。まさにアップの勝利を映像で示して見せた。
昨年はゴールデングローブやアカデミーに多くの部門でノミネートされながら結局無冠に終わ
ったが、見ごたえのある言い映画であることは確かだ。ただ、ニクソンが大統領時代にアメリカ
で何が起きていたかを理解していないと、面白さは3文の2位に減じるかもしれない。
e0040938_0155662.jpg

<ストーリー>
「ウォーターゲート事件で辞任に追い込まれ、その後罪を認めることなく沈黙を守り通した
ニクソン元米国大統領。しかし辞任から3年後の77年、一人の英国人司会者デビッド・
フロストが彼の単独TVインタビューを敢行する。

本作は全米中が注視したこの伝説のTVインタビューをテーマに、その舞台裏で繰り広げら
れた両者のブレーンを巻き込んでの熾烈な駆け引きと緊迫のトーク・バトルの模様を、名匠
ロン・ハワード監督がスリリングに描き出した実録ドラマ。

原作は、本作の脚本も手掛けたピーター・モーガンの舞台劇で、同舞台でそれぞれニクソンと
フロストを演じた「ナインスゲート」「スーパーマン リターンズ」のフランク・ランジェラと
「クィーン」「アンダーワールド」のマイケル・シーンが映画版でもそのまま同じ役に起用
された。
 
 1974年。アメリカの歴史上、初めて任期途中で自ら職を辞した大統領という不名誉な称号を
背負うことになったリチャード・ニクソン。その後は沈黙を守り、国民は彼の口から謝罪の
言葉を聞けずにいた。
その頃、英国の人気テレビ司会者デビッド・フロストは、より高いステータスを手に入れる
べく全米進出の野望を抱いていた。そこで目を付けたのがニクソンの単独インタビュー番組と
いうものだった。
e0040938_017373.jpg

さっそく出演交渉を開始するフロストだったが、海千山千のニクソンは法外なギャラを要求
しつつ交渉を有利に進めていく。さらに、3大ネットワークへの売り込みも、コメディアン
上がりのフロストなんかに大物政治家の相手が務まるわけがないとの理由で不調に終わる。
フロストはやむを得ず、番組を自主製作することを決意、そのために莫大な借金を抱え込む
ことに。
e0040938_0173014.jpg

こうしてようやくニクソンの単独インタビューには漕ぎ着けたものの、番組が放送局に売れる
かどうかは、ニクソンから謝罪の言葉を引き出せるかどうか、その1点にかかっていたの
だが…。」(allcinema)

こういう事実があったことも知らなかったし、フロストという司会者がいたということも
知らなかった。ニクソンは94年に脳溢血で亡くなったが、フロストは現在も活躍中だとか。
アメリカのキャスターたちじゃなくて、イギリスの当初は山っ気たっぷりのタレントだった
フロストが、ニクソンと対峙していく中で、自らが成長していく様子もまた見ものであった。

ベトナム戦争、カンボジア侵攻、米中国交回復、ブレジネフとの会話、そしてウォーター
ゲート事件と70年代の重苦しいアメリカを象徴するようなニクソン。ケネディとの大統領
選挙においてテレビ討論で映像的に敗北したトラウマを持つニクソンが、映像を味方にしな
がら政権にしがみつきつつ、結局は映像の前に敗北していく、皮肉さが出ていた。
また、ネットの無い時代のテレビの力の強大さをもまた、再認識させられる作品でもあった。
e0040938_0175952.jpg

"Sir David Frost&Michael Sheen"

この映画の詳細はこちらまで。


“Real interview D.Frost vs. R.Nixon

トラックバックURL : http://jazzyoba.exblog.jp/tb/12224753
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Tracked from oguoguの日々映画見.. at 2011-06-04 23:09
タイトル : フロスト×ニクソン
2009年4月上映 監督:ロン・ハワード 主演:マイケル・シーン、ケビン・ベーコン  ニクソンに、英国出身のTVの司会者が一世一代のインタビューを挑む・・・緊張感漂う良作!...... more
Tracked from 我が頭に巣くう映画達 at 2012-04-12 21:46
タイトル : フロスト×ニクソン
46点 2008年のアメリカ映画で、 監督は「ビューティフル・マインド」、「ダ・ヴィンチ・コード」のロン・ハワード、 主演はマイケル・シーン、フランク・ランジェラです。 ウォーターゲート事件によ...... more
by jazzyoba0083 | 2010-02-27 23:51 | 洋画=は行 | Trackback(2) | Comments(0)