それでも恋するバルセロナ Vicky Cristina Barcelona

●「それでも恋するバルセロナ Vicky Cristina Barcelona」
2008 スペイン・アメリカ Mediapro,96min.
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:ハビエル・バルデム、ペネロペ・クルス、スカーレット・ヨハンソン、レベッカ・ホール他
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<2008年アカデミー賞助演女優賞(ぺネロぺ)受賞作品>

<感想>
本作のちょっと前に観たウディ・アレンの「メリンダとメリンダ」にちょっとがっかりしていた
ところ、本作を観賞する機会を得た。ご存じ、ぺネロぺがこれでオスカーを獲ったやつです。
今回は面白かった。まず、配役が絶妙。舞台をウディのホームグラウンド、ニューヨークから
バルセロナに移し、音楽もジャズでなくスパニッシュを配し、不思議な恋愛模様を、渇いた
ナレーションを使いながら描く。ストーリーの意外性、バルデムの振りまわしているようで
振りまわされている人生など、それぞれのキャラが良く立っていて、完成度が高い、しかも感情
移入しやすいウディ流のラブストーリー。
「ノーカントリー」でオカッパ頭の奇妙な殺人者を演じていたバルデムだが、ここでは一転
自由な恋愛をエンジョイしているようでいて、元妻との関係を切ることが出来ない、また
才能では彼女を超えられない、ウディの劣等感の化身のような気もする。
ぺネロぺのキレ芸は見ものである。それに対して、不思議な四角関係の中を快感と不安の中で
泳ぐスカーレットとレベッカが浮かび上がらせる。
ウディ独特の恋愛観について行ける人は楽しいだろうな。ぺネロぺが都合が悪くなるとクリス
ティナの前でスペイン語になるのだが、それをファン・カルロスが、「彼女の前では英語で
話せ」と命じるが、激するとスペイン語になる。そのあたりの英語とスペイン語の使い分けにも
ぺネロぺの感情を表現して見せる脚本は良かったな。96分の間に綺麗に物語を収めたのも
いい感じだった。

<ストーリー>
「何を求めているかが判っている」ヴィッキー(レベッカ)はロンドンに婚約者がいる、堅実派。
「何を求めていないか、が判っている」クリスティナ(スカーレット)は、とりあえず突撃
してみるタイプ。親友ではあるが、恋愛に関する価値観はまるで対照的である。
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その二人がNYを離れ、夏休みをバルセロナで過ごすことに。そこでたまたま出会った画家
ファン・アントニオ。クリスティナはたちまち流し眼を送る。ファン・アントニオもこれに
応じて、オビエドという街に自分が操縦する小型機で遊びにいってセックスしよう。とさそう。
興味を持つクリスティナ。私は全然その気はないわ、婚約者がいるのよ、というヴィッキー。

しかし、結局二人ともエドナに行くことに。そこはファン・カルロスの生まれた家に近く、
素敵な観光地もあり、二人はたっぷり遊んで、夜を迎えた。しかし、さそうファン・カルロスに
二人は一応は警戒する。最初は「私は全然タイプじゃないわ」と言っていたヴィッキーだったが
クリスティナが食あたりの腹痛で寝込んでしまい、結局ファン・カルロスとヴィッキーが
休日の一日をオビエドで楽しみ、彼の、婚約者にはない怪しい野性的な?魅力に惹かれてしまった
ヴィッキーは、ファン・カルロスと一夜を共にする。しかし彼女は後悔の念に苛まれる。

ところがファン・カルロスはそんなヴィッキーに、自分が愛しているのはクリスティナであり、
君は婚約者との幸せな結婚をしなくてはいけない。君の幸せは壊せない、と彼女を突き放す。
そうしてファン・カルロスとクリスティナは同棲を始める。
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そんな二人の元に、ファン・カルロスの別れた妻マリア・エレナ(ぺネロぺ)が現れる。
最初はどろどろの三角関係か、と思われたが、マリアは自分は天才であり、彼は私のまねを
しているにすぎないといい、二人と同居して絵を描く。またクリスティナは写真をマリア・
エレナから教わり、腕を上げていく。そうするうちにマリア・エレナとクリスティナの間にも
愛情が芽生え、不思議な3人の同居生活が始まる。ロンドンからヴィッキーの婚約者も
駆けつけて、事態は一段とややこしくなる。
さらに、ヴィッキーたちを泊めてくれている家の叔母さんが、自分が不幸な結婚をしていること
から、ヴィッキーがファン・カルロスに心を惹かれながらも結婚するという事態をなんとか
止めさせたい、とおせっかいを焼きにくる。
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しかし、そんな生活も長く続かず、マリア・エレナは出て行ってしまう。そして睡眠薬自殺を
企てる。ファン・カルロスは、クリスティナを愛していながら、マリア・エレナとの関係を
切ることができず、夜中に病院に駆けつける。
そうこうしているうちに夏休みが終わった。クリスティナは、せいせいとニューヨークに
引き上げることを宣言。クリスティナがいなくなり、微妙な三角関係がくずれたことでマリア・
エレナはまた荒れ始めた。婚約者とバルセロナを去る直前、ファン・カルロスはヴィッキーを
ランチに誘った。食事を終えて、家に入って絵を見ていると、銃を持ったマリア・エレナが
乱入してきて、彼女が放った銃がヴィッキーの手に当たってしまう。婚約者にはスペイン語の
教師が集めていた銃が暴発した、と嘘をいって難を逃れたヴィッキーだった。
こうして二人のバルセロナの夏休みは終わり、彼の地を後にした。
そしてファン・カルロスとマリア・エレナは・・・・
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by jazzyoba0083 | 2010-03-20 22:55 | 洋画=か行 | Comments(0)