トゥルー・クライム True Crime

●「トゥルー・クライム True Crime」
1999 アメリカ Warner Bors.A Zanuck Company/Malpaso Production 127min.
監督・製作:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、イザイア・ワシントン、ジェームズ・ウッズ他
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<感想>
ラストあたりで、どうも以前見た覚えがあるな、と感じた。が、面白く見た。迫りくる
無実の死刑囚の執行時間と、直前まで無実を証明しようとする映画は、いろいろなタイプが
ある。探偵であったり、刑事であったり。で、ここでは新聞記者であるわけです。
この前に観た「目撃」から2年。ストーリーとしては活劇系ではあるものの、人間臭ささが
色濃くなってきてるあたりは、最近のイーストウッド諸作品に近い仕上がりであろう。
ただ、6年間掛けて裁判をやって死刑になった事件を、24時間で解決してしまうご都合主義と
ラストのクルマぶっ飛ばして、知事の家に行くなら先に電話しろよ、といいたくなってしまう
突っ込みどころもあるな。
ハッピーエンドであるのは良かったが、イーストウッドの記者は、あまりにも不幸でありすぎ
な感じで、所詮まともな社会生活を送れない、はぐれ者を強調し過ぎなような気がした。
昨今の彼の人間の描き方の微妙な陰影からすれば、まだ粗削りだった感じがした。

<ストーリー>
カリフォルニア州オークランド。州立刑務所にはあと24時間後に死刑執行される黒人の男
フランク・ビーチャムが残された時間を家族と過ごしていた。彼は、6年前にコンビニに
押し入って妊娠中の女子大生バイト店員エイミーを射殺した罪で死刑を宣告されていた。
本人は終始無実を主張していたが、2人の目撃者の存在が大きく、死刑が確定したのだ。

一方、地元紙トリビューンの、はぐれもの記者スティーブは、今日もバーで酒浸りの日々。
一緒に飲んでいた若いが有能な女性記者ミシェルが、一緒に酒を飲んでいてクルマで帰った
こともあり、交通自損事故で死亡してしまった。

ミシェルはビーチャム事件を担当していて、彼の最後のインタビューを取ることになっていた。
編集長のアランは、NYで市長を弾劾した記事を書いて自ら会社を辞めたスティーブを拾って
仕事をさせていた。彼は有能であることは判っていたが、仲間や自分の女房にも手を出す女
癖の悪さと酒癖の悪さに辟易としていた。
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しかし、ここはビーチャムの最後のインタビューをステイーブに任せるのだった。スティーブは
事件を調べていくと、どうも冤罪の匂いをかぎつける。ビーチャムの無罪を確信したスティーブ
は、6年前の事件を掘り返していく。すると、3番目の目撃者がいたことがわかり、彼こそ
犯人であると、彼の祖母に会いに行く。しかし彼は3年前に悪い仲間に刺殺されていたのだった。

万策尽きたか、と思われたが、浮気がばれて、それまでの数々の悪行に疲れた妻から離婚を
言いだされ、返された指輪を、バーのカウンターで回していたところ、店のテレビニュースで
殺されたエイミーという女性の写真が出た。彼女はペンダントも盗まれていたのだが、
そのペンダントが、3番目の目撃者の祖母が付けていたことに気が付いたスティーブは、
泥酔状態でクルマを運転、祖母に理由を話すと、確かにペンダントはその夜に彼からプレゼント
されたものであり、裏にはエイミーのイニシャルが彫ってあった。祖母はスティーブとともに
追いかけるパトカーを振り切って知事の家に急いだ。

そうしている間をカットバックで、ビーチャムの家族との別れ、死刑執行への段取りを描き
緊張感を演出する。注射での死刑だが、最初の3つある薬の内、最初の睡眠剤が投与され、
ついで2剤の筋弛緩剤が注入されかかったときに、知事からの中止命令の電話が刑場に
鳴り響き、死刑はただちに中止されたのだった。

最後はクリスマスの夜、別居中の娘にカバの縫いグルミを買うスティーブ、外に出てみると
親子で買い物を終えて出てきたビーチャムと出会う。軽く挨拶する二人。しかしスティーブには
帰る家もなく、ホテルに向かって夜の街に消えていった・・・。

エンドロールバックにダイアナ・クラールの「Why Should I Care」が流れるのもいい感じだ。

ビーチャムが助かるだろうな、というのは、刑務所長がいいやつで、娘が落とした緑のクレヨン
を探して、それで娘が絵を完成させるところ、3番目の目撃者(犯人)の祖母がしていた
ペンダントがアップになるところで、判る。編集長のジェームズ・ウッズも良かったね。
記者スティーブの無頼ぶりやダメオヤジぶりが強調されているが、そんなに強調してどうしようと
いうのさ、助ける死刑囚との対比をしたかったのか。そのあたりは良く解らなかった。
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by jazzyoba0083 | 2010-06-05 23:10 | 洋画=た行 | Comments(0)