レスラー The Wrestler

●「レスラー The Wrestler」
2008 アメリカ Wild Bunch,Protozoa Pictures,Saturn Films 109min.
監督:ダーレン・アロノフスキー
出演: ミッキー・ローク、 マリサ・トメイ、エヴァン・レイチェル・ウッド
   マーク・マーゴリスほか。
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
このところ、大した映画に出会えてなかったが、8月も最後になっていい映画に出会えた。
手の込んだ映画では無いのに、ストーリー性が卓抜。ミッキー・ロークの衰えぶりが
いい。マリサ・トメイもいい感じだ。
主人公ランディ・ロビンソンはかつて一世を風靡した人気プロレスラーだが、いまや
歳を取り、耳には補聴器、眼には老眼鏡という生活ながら、いまだにプロレスから
足を洗えない。彼や他のプロレスラーたちは、試合の血なまぐささとは裏腹にいい奴ら
ばっかりで、試合に「段取り」は欠かせない。仲間もランディの過去の栄光に敬意を
払っている。
しかし、ギャラは安い。
彼には一人娘がいるのだが、試合が続く中、自分でも認めるダメ父親であり、娘からは
嫌われている。
さらにランディの行きつけのストリップバーの踊り子キャシディ(マリサ)とランディは
いい仲なのだが、キャシディも自分がもう歳であり、5歳の子持ちのストリッパーの
生活に限界を感じていた。しかし、近づいてくるランディには客と踊り子の一線は
越えたくないと、一緒になることを断っていた。

ある日の試合で、ランディは心臓発作を起こし、バイパス手術を受ける。医者には
もうプロレスの試合は出来ないと宣告されてしまう。彼は引退を決意、町のスーパーの
総菜売り場で働いて生活費を得ていた。

そのキャシディがランディの娘と彼の仲を取り持ち、二人は合うことになる。父は
娘に、お前だけには嫌われたくない、これまではお前を顧みず悪い父親だったと告白し
涙ながらに謝るのだった。痛々しくも胸を打つ光景だ。
娘と土曜にディナーをする約束をするが、ランディは、キャシディに振られた腹いせに
店にいた娘と寝て、そのまま寝過してしまい、今度という今度は許さないと娘に絶縁
されてしまう。

これを機会に、ランディは、またリングに立とうと思う。キャシディに別れを告げて
20年来の友人とのリターンマッチに臨んだ。キャシディは、ランディが心配になり
踊りの途中で会場に向かい、「俺の居どころはここしかない」「もうだれもいない」
「外の世界の方が辛い」と語るランディに、「私がいるわ」といいうキャシディだった
がその言葉を振り払うようにリングに向かい、そしてリング上で、マイクを取った
ランディは、ファンに感謝の言葉をかけた。人は時に命を失ってもすることがある、
と、この世に別れを告げているかのようなセリフだった。試合が始まり、かつての友達の
ために身体に気を使いながら試合をしてくれるのだが、ランディの具合が明らかに悪く
なっているのが判ると相手のレスラーも、もう終わりにして俺にフォールをかけろ、
という言葉をかけてくれるがランディはこれを無視し、ラム・ジャムという大技を仕掛け
るためにリングポストに上がり、飛んだ・・・
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プロレスしか能の無い不器用な男の、しかし、心優しい男の、人生は、負け犬という風に
見えるだろうが、果たしてそうだったのだろうか。彼の人生は悲惨だったのだろうか。
過去の栄光を引きずってしか生きていけないダメ人間だったのだろうか。
さまざまな思いが映画を観ている途中から終わっても胸に去来する。不器用な男が精いっぱい
生きた、それでいいじゃないか。彼のどこが悪い?誰だ悪いといえるだろうか。

この手の映画はボクシングを題材にすることが多いが、この映画はあえてプロレスを選び
その胡散臭さの中で生きる一人の男の物語を、ドキュメンタリーのように写して見せた。
プロレスのシーン(凶器が多用され、血が多い系のプロレスだが)も良くできていて、
監督も演者たちもキャメラも良く研究したな、という印象を受ける。
ミッキーローク、あの伊達男の姿を知るだけに、ランディと重なり、余計に胸に迫るものが
ある。
この映画の詳細はこちら
Commented by zebra at 2011-04-07 00:53 x
こんばんは jazzyoba0083さん
 
 レスラー人生もそろそろ終わりに近づき、娘とは絶縁状態、ステロイドの影響で心臓は弱っているありさまの中年レスラー ランディー。唯一の心の支えが マリサ・トメイ演じるストリップ・ダンサー キャシディーだけ

  あ、そうそう  jazzyoba0083様は 同じミッキー・ロークの主演の「ホーム・ボーイ」という'88年の映画 知っていますか?

 こちらは、ロークが アメリカ各地を渡り歩く流れ者ボクサーのジョニー役です。元妻のデボラ・フューアーと共演しています

 これ以上説明するとネタバレになりますので 省略しますが  「レスラー」と「ホーム・ボーイ」 ともにミッキー・ロークの主演で、ふたりの不器用な男が主人公 ランディーとジョニー
 ふたつの作品を比べながら見るのも 悪くないですよ

最後に マリサ・トメイ演じる ストリッパー キャシディ 
Tバック姿で踊る姿とっても キレイで色っぽかったですよ。
Commented by jazzyoba0083 at 2011-04-09 17:59 x
zebraさん コメントありがとうございました。残念ながら「ホーム・ボーイ」はまだ見ていません。チャンスがあれば是非。
まだ若いミッキーの不器用なボクサーがどう描かれているのか
とても興味がありますね。ありがとうございます。
マリサ・トメイの体当たり演技、ファンであっただけにビックリも
しました。でも、確かに悪くなかったですね。
Commented by oguogu at 2011-11-25 23:39 x
TB&コメントさせてもらっちゃいますね~。
私もミッキーロークの伊達男っぷりを鑑賞してますが、
(子供の頃でよくわからなかっったですが、エロかった記憶があるw)
それとのギャップは凄いモノがあります。
これがまた、映画とかぶって感慨深いモノがありますよね~。
アイアンマンとかシンシティとか影のある暗い役が多くなりましたが、この存在感はまだまだ健在でした。
Commented by jazzyoba0083 at 2011-12-12 23:29
oguoguさん ほぼひと月遅れのレス、物凄く済みません!
ミッキー、若い頃は本当に美男でした! ご指摘のギャップが重なる、というのも判りますよ。苦労しましたものね。まだまだ渋い約、出来るとおもうので頑張って欲しいものです。
by jazzyoba0083 | 2010-08-30 22:45 | 洋画=ら~わ行 | Comments(4)