3時10分、決断の時 3:10 To Yuma

●「3時10分、決断の時 3:10 To Yuma」
2009 アメリカ Lionsgate, Tree Line Films, Relativity Media,122min.
監督:ジェームズ・マンゴールド  原作:エルモア・レナード
出演:ラッセル・クロウ、クリスチャン・ベイル、ローガン・ラーマン、ベン・フォスター他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
新しいタイプの西部劇だが、カッコ悪い部分も含めて赤裸々に西部のありさまを活写している。
こういうタイプの西部劇は、ちょっと前ならイーストウッドの「許されざる者」、最近なら
ブラピの「ジェシー・ジェイムズの暗殺」など、良かった。本作もリメイクではあるが、
ラッセル・クロウとクリスチャン・ベイル(ここでは良い)の演技、マンゴールドの演出も
冴えていて、標準を上回る上々の出来だ。

ただ、私として戸惑ったのは、ラッセル・クロウ演じるベン・ウェイドの人物像をどう捉えて
いいか判らずじまいだった、ということだ。西部名うての強盗で、非情の強盗殺人犯が本当
なのか、実は心根の優しいやつなのか、後者とは思いたいが、本当にそれでいいのかなと。
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2回捕まり2回脱獄、自分よりもさらに非常な仲間を連れて駅馬車などを襲う。仲間のオキテを
破れば、平然と殺す。秩序を守るため、とはいえ非情な男であることは間違いない。
人はそう簡単に人は殺せないはずだ。それが、偶然犯行現場を見てしまった借金苦の牧場主と
その息子のために、仲間を殺し、自ら捕らわれ人となる・・。2重人格としか思えない側面も
あり、戸惑ってしまう。だから、心温まるエンディングでは決してないが、更に何かひっかか
るものを残して終わった。

いや実は本作のメインディッシュはベイル演じる牧場主の父親としての生きざま、そして
14歳の子供らしく、天涯孤独の悪漢に憧れをいだき、貧乏で、ダメなオヤジを軽蔑しきって
いた息子が、(息子のため、そして南北戦争での負傷は味方に撃たれたものという負い目を
ふっ切るために)捕らわれたウェイドをたった一人で護送する父親を、認め、受け入れる
ところにある。それにいたる時間の流れと表現は、泥と血にまみれ汚くなった父親の最期に、
収斂されていく。
ウェイドとの間に生まれた信頼?友情?の中で、ウェイドの子分たちがボスを助けに来たにも
かかわらず、護送列車に乗り込むウェイド。それを知らずにボスの仇と、ダンを撃つ子分。

その子分を有無も言わせず、全員射殺してしまうウェイド。父を殺された息子はウェイドに
銃を向けるが、撃つことを止める。息子の男としての成長に胸が熱くなる。
遠のく意識の中で父としての威厳を保てたと安心する父親、そして「立派だった」と
父にエールを送る息子。それを見つめるウェイド。ああ、みんな男だった。この息子の未来は
明るいだろう。そしてウェイドは3たびの脱走をしてくるのだろう・・・。

「ラッセル・クロウとクリスチャン・ベイルの2大スター競演で贈る熱き男の西部劇ドラマ。
エルモア・レナードの短編小説を基に製作された1957年の「決断の3時10分」をリメイク。
アリゾナから裁判所のあるユマへ移送されることになった強盗団のボスと、彼をユマ行きの
列車が出発する駅まで護送することになった借金苦の牧場主、対照的な境遇に生きる2人の
男が道中で繰り広げる駆け引きと奇妙な心の交流を骨太のドラマと迫力のアクションで描き
出す。監督は「17歳のカルテ」「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」のジェームズ・
マンゴールド。
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かつては狙撃の名手だったが、南北戦争で片足を負傷し不自由となったダン・エヴァンス。
彼は妻と2人の息子と共に、アリゾナで小さな牧場を営みながら暮らしていた。
しかし干ばつが続き、借金がかさんで生活は苦しくなる一方だった。そんなある日、町へ
向かったダンは、早撃ちで鳴らした強盗団のボス、ベン・ウェイドが保安官にあっけなく
捕まる現場に居合わせる。ウェイドは裁判所のあるユマへ連行されることが決まるが、
そのためにはユマ行きの列車が出発する3日後の午後3時10分までに遠く離れた
コンテンションの駅に送り届けなければならない。道中はウェイドの手下をはじめ様々
な危険が予想された。それでもダンは報酬目当てに護送役に名乗りを上げ、護送団の一員
として過酷な任務に旅立つのだったが…。」(allcinema)
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Tracked from ☆彡映画鑑賞日記☆彡 at 2010-10-10 10:51
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 『心に秘めた生き様に、男は静かに命を賭ける。』  コチラの「3時10分、決断のとき」は、2009年のベスト・ムービーにあげているブロガーさんも多かった2007年製作、日本では2009年に公開された西部劇です。勧善懲悪の正統派西部劇ではないのですが、強盗団のボスのベン・...... more
by jazzyoba0083 | 2010-10-03 23:27 | 洋画=さ行 | Trackback(1) | Comments(0)