2010年 10月 11日
セントアンナの奇跡 Miracle at St.Anna
2008 アメリカ 40 Acres & A Mule Filmworks, On My Own, Rai Cinema、160min.
監督:スパイク・リー 原作・脚本:ジェームズ・マクブライト
出演: デレク・ルーク、マイケル・イーリー、ラズ・アロンソ、オマー・ベンソン・ミラー
ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ ヴァレンティナ・チェヴィほか
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
現実にあった話をベースにした映画で、ファンタジーの要素も入っている。この手の映画、
割と好きです。しかし、戦闘シーンなど、カットできる場所も多く、長すぎ、というのが
多くの方と一緒の感想。スパイク・リーの戦争映画、ということで期待して観ましたが、
掴みはOK、中だるみ、ラストは割と陳腐、って感じ。でも、全体として面白く見ることが
できました。長い割に、肝心の裏切ったパルチザンの心の動きはほっぽらかしなんで、
イマイチ締りがない映画になっていたこと。
彫像を持ち歩く「巨大なチョコレート」役のオマー・ベンソン・ミラーは、みなさんの指摘
どおり、フォレスト・ウィティカーにそっくりである。
<ストーリー>
「社会派の名匠スパイク・リー監督が史実をヒントに綴られた同名小説を映画化した戦争
ドラマ。第二次大戦下、イタリア・トスカーナに送られた米軍黒人部隊“バッファロー・
ソルジャー”に焦点を当て、皮肉な境遇に置かれた黒人兵の葛藤と彼らが体験したひとつの
奇跡を、史実を織り交ぜミステリアスかつ感動的に描き出す。
出演は「きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー」のデレク・ルーク、
「7つの贈り物」のマイケル・イーリー。
1983年のニューヨーク。ある日、郵便局に現われた男性客を定年間近の郵便局員が
射殺する事件が発生。そして犯人の男ヘクターへ殺人の動機や被害者との関係を追及する中、
彼の部屋では歴史的に重要なイタリアの彫像が発見される。
そんな不可解な事件の謎を解く鍵は、1944年のイタリアまで遡るのだった――。
第二次大戦下、アメリカ軍の黒人だけで組織された部隊“バッファロー・ソルジャー”は、
イタリアの最前線でナチスと戦っていた。そのさなか、無線兵でイタリア語が堪能なヘクター、
リーダーのスタンプス、自分勝手なビショップ、心優しいトレインの4人は、アンジェロと
いう少年を救ったため部隊とはぐれ、敵陣で孤立してしまう。やがて、アンジェロの手当ての
ため、トスカーナの小さな村へ身を寄せる4人。そこで、彼らと村人たちとの間には、
人種や言葉の壁を越えた交流が芽生えていくのだった。だが、そんな心休まる時も束の間、
村がナチスの大軍に襲撃されてしまい…。」(allcinema)
冒頭から、1944まで飛んでいくまでは、いい流れだった。その後の戦闘シーンは変にグロ
かったりで、カットの対象。黒人部隊の置かれた立場を、黒人を観ることさえ無かった
トスカーナ地方の素朴な人々の触れ合いにおいて、アメリカと対比させてみるところは
スパイク・リー監督の思いだった。
ドイツ軍捕虜を確保せよ、と指示されて、捕まえた軍人が、アンジェロ(エンジェル=天使)
を救った兵士であり、パルチザンながらファシスト党でナチに賛同する男が、ドイツ兵も殺し
米兵にも襲いかかる、そしてドイツ兵を村に手引きする。このために、アンジェロ少年を
始め、殆どの村人が惨殺される。ヘクターも撃たれ重傷を負ったが、ナチの高級将校に
すんでのところで救われ、なおかつ、ルガーを手渡され「身を守れ」と言われたのだった。
(ナチの将校が簡単に米兵にルガーを渡すところをみると、もう戦争の見通しはついていたころ
なんだろうな、と想像できる)
それ以降、ヘクターは戦友や村人を虐殺に追いやった男が目の前に現れたら、ルガーで殺す、
と決めていたのだ。そして偶然にも切手を買いに現れたのが・・・。
逮捕されたヘクターは200万ドルの保釈金を要求されるが、官選された弁護士が、200万ドルを
払う人が現れたと説明する。その人物と、バハマで対面。彼こそ、後に大金持ちになった
アンジェロ少年その人であったのだ。彼は撃たれたものの、一命を取り留めていたのだった。
これこそ彫像が顕した、セントアナの奇跡、であったのだ・・・。
この映画の詳細はこちらまで。
『女神は<奇跡>を、 人に託した 運命より強く、 この子を守りたい』 コチラの「セントアンナの奇跡」は、第二次世界大戦下の1944年のフィレンツェと現代1983年のニューヨークを舞台に、実話を基にしたスパイク・リー監督による7/25公開のR-15指定の戦争サスペンス....... more