幸せのきずな Flush of Genius

●「幸せのきずな Flush of Genius」 日本未公開
2008 アメリカ Universal Pictures,Spyglass Entertainment,119min.
監督:マーク・エイブラハムズ 原作:ジョン・シーブルック
出演: グレッグ・キニア、ローレン・グレアム、ダーモット・マローニー、アラン・アルダ他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
自動車の間欠ワイパーの発明の後ろに、こんな実話があったなんて知らなかった!
私としては、とっても面白く観たので、劇場で公開されていないことが信じられなかった。
話が地味なのかなあ。みんな興味のあるテーマだと思うし、家族愛の映画であり、法廷映画
でもあり、2時間、飽きることなくテンポよく展開するストーリーも良い。
俳優は地味目な人たちで(これだから未公開かな?)あるが、映画の面白さにそれは全く
関係なく、むしろHBOが作る優秀なテレビ映画のような趣さえ感じた。
歴史的事実とはいえ、フォードが負けた裁判の映画。日本でトヨタが同じような裁判を
起こされたら、映画になるかな。ならないだろうなあ。これがアメリカの凄いところだと
思う。

<ストーリー>
今では誰でも知っているクルマの間欠ワイパー。これにアメリカで初めて試作機を作ったのは
カーンズという大学の電子工学の教授だった。彼は自動車部品工場を経営する友人や
仲間の学者とともに、試作機をフォードに売り込みに行く。もちろん特許をとって。
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そもそも彼が間欠ワイパー(彼はまばたきワイパーという)を思いついたのは、結婚式の
時に膝に挟んで抜いたシャンパンのコルクが目に当たり弱視となり、ある雨の日曜日教会からの
帰り道、ワイパーも目のように瞬いたらいいのにな、と思いついたのだった。
発明家でもあったカーンズは独自のアイデアで間欠して動くワイパーを完成させたのだった。

彼には妻と6人の子供がいた。これが売れれば自分で工場を作り、カーンズ・コーポレーション
を立ち上げる夢を見ていた。

友人とフォードに行くと、フォードは大変興味を持ち、国の審査を通すためにワシントンに
持っていく試作品をもってきてくれ、と依頼する。その通りにするカーンズだったが、
しばらくすると、フォードから「間欠ワイパーには興味が無くなった」との連絡が入る。
工場用の巨大な建物も準備していたというのに。
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そして暫くすると、フォードの新型車に間欠ワイパーが華々しく付いて登場した。自分の
アイデアが盗まれた、と怒ったカーンズはフォードに抗議し、裁判に持ち込もうとするが
周囲の誰もが、巨大企業を相手に訴訟を起こすのは無謀だ、と反対する。
そんなこともあり、カーンズはノイローゼになってしまった。病気は治り、家族ももう訴訟
なんて諦めたのか、と思っていたら、カーンズは、正式に弁護士を雇って提訴することに
したのだった。この弁護士はフォードから40万ドルの和解金を引きだしたが、カーンズは
金の問題ではない、この正義をなさずして子どもに正義のことなど言えない、と一人でもたち
向かう決意だった。やがて弁護士も降りてしまう。さらに6人の子供を抱えて失業し、この先の
見通しも立たないと、妻は彼のもとを去っていく。

しかし、1人でも法律を勉強し、フォードを相手に正式な裁判を起こした。弁護士を雇う金は
無いので自分が自分の代理人を務めることに。そして裁判が始まった。
成長し大学生になっていた長男をはじめとして子どもたちも手伝ってくれた。フォード側は
ついに3000万ドルで和解しないか、と誘ってきた。カーンズは子どもたちにも意見を聞くが
「パパがんばって」だった。
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そして、陪審員たちが出した判決は「フォード敗訴」1010万ドルを支払え、というものだった。
正義を貫き通して12年が経っていた。勝ちはしたが、妻は戻ることはなかった。カーンズに
とっては寂しい勝利であった・・・。

家族のきずな、裁判劇、そして間欠ワイパーと、焦点が絞られていて判り易く、また12年を
いいテンポで描く。歴史的事実なので、下駄をはいてはいるが、それにしても良く描いたと
思う。どうしても余計なエピソードを入れたがるのだが、2時間弱に絞り込んだ監督と
編集を買いたい。機会があれば是非見ていただきたいお勧めの一作である。
この映画の詳細はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2010-10-16 22:55 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)