シッピング・ニュース The Shipping News

●「シッピング・ニュース The Shipping News」
2001 アメリカ Miramax Films,111min.
監督:ラッセ・ハルストレム 
出演:ケヴィン・スペイシー、ジュリアン・ムーア、ジュディ・デンチ、ケイト・ブランシェット他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
「サイダー・ハウス・ルール」「ショコラ」のラッセ・ハルストレム監督と知って見たので、
彼らしい映像美、叙情性、またメルヘンに溢れた、人間模様が描かれる本作に、なるほど、
との印象をまず受けた。
派手な映画ではなく、起伏も少ないし、それなりに時間も長いので眠くなるかもしれない。
ただ、節目節目にはちゃんとイベントが配されていて、ビックリもするし、笑いもする
仕掛けになってはいる。
それゆえ淡々と進む人間模様は、主人公の幼い頃からの心の傷が、人との出会いや、
事件との遭遇で、再生されていく様は、心にジワリと染込む、しみじみ系の作品といえる。
出演者ではケヴィンとジュリアンが光るが、ジュディそれに、汚れ役のケイトも迫力があり
作品を締めていた。終始どんよりとした曇り空が広がるニューファンドランド島の空気感が
抑うつされた主人公一族の歴史を投影していて、鬱陶しいけど、ストーリーに合っていた。
溺死したと思われた島の新聞社のオーナーが通夜の席で息を吹き返すシーンは笑って
しまった! しかし、これとてケヴィンの娘の母親の死への伏線になっているのだった。

<ストーリー>
「ピュリッツァー賞と全米図書賞をダブル受賞したE・アニー・プルーの世界的ベストセラー
小説を、「サイダーハウス・ルール」「ショコラ」のラッセ・ハルストレム監督が映画化した
ヒューマン・ドラマ。
絶望の淵に沈んだひとりの中年男が、移り住んだ小さな漁港での日々の生活を通して自らを
取り戻していくさまを丁寧な筆致で描いていく。
主演は「アメリカン・ビューティー」のケヴィン・スペイシー。
 
 新聞社に勤めるクオイル(ケヴィン)は、父親の厳しい教育がトラウマとなって自分の
殻に閉じこもる孤独な男となってしまった。そんな彼は、美しい女性ペタル(ケイト)と
出会い初めての幸せを味わう。結婚もし、女の子も生まれるが、ペタルは娘をほったらかし、
若い男と遊んでばかり。
そして、ある日、突然に娘を連れ去り、男とともに家を出ていってしまう。次にクオイルの
もとに届いた知らせは、ペタルの交通事故死と、彼女が娘を養子として売り飛ばそうと
していた事実だった。失意のクオイルは人生をやり直すため、娘を連れ、父の故郷ニュー
ファンドランド島へと向かうのだったが……。」(allcinema)

クオイルは、厳しさを通り越した父の教育のため、積極性のない引きこもりの性格の
大人に成長し、新聞社の輪転機の前でインクの補給をチェックする掛りを長年続けていた。
誰とも口を利く必要がないからだ。そんなクオイルの前に(ガソリンスタンドで給油を
しようとしたら前のクルマからケンカして自分のクルマに乗り込んできた、ケバい化粧の女)
ぺタル(ケイト)が出現する。彼女は娼婦のような行動でクオイルの家に上がりこみ、
勝手にセックスをして、恋愛免疫のないクオイルの「愛してる」という言葉に、なぜか結婚し、
子供までもうける。

だが、もともとクオイルに興味があったわけじゃいぺタルは子供をほっぽりだして男遊びに
狂い、ある日、娘を連れて男と家をでてしまう。そして、オープンカーで川に転落し、娘は
助かったがぺタルと男は死亡する。

現在の暮らしに絶望したクオイルは父の故郷であるニューファンドランド島に渡り、島の
「港湾ニュース」という小さな新聞社に雇ってもらう。クオイルにはアグニス(ジュディ)
という伯母がいて、一緒に住むことになるのだが、クオイル家には島から歓迎されない
歴史があった。
それは、彼の先祖は、見通しの悪い海にニセの灯台の火を燃やし、沖を行く船を座礁させ
襲い、金品を強奪していたのだった。このため島の人たちは、クオイルの家を島の端まで
ロープで強引に引っ張っていってしまったのだ。

島に帰ったクオイルと娘、それにアグニスは、その廃屋に住み始める。しかし娘は幽霊を
見たという。ある夜クオイルは犬を連れた男を発見、負うと、彼も隠れて住んでいる
クオイル一族の男だった。彼はアグニスは12歳の時、実の兄に犯されて妊娠し、中絶、街を
去ったことを説明した。

クオイルは島で、智恵遅れの息子を持つウェイヴィ(ジュリアン)と出会う。そして
お互いの苦い人生を包み込むように接近していく。
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島の小さな新聞社で記事を書かせてもらったクオイル、その記事が評判でさらにコラムを
書いてみろとオーナーに言われる。しかし、次に書いたコラムがタートという上司により
別の文章に書き換えられていたため、オーナーに抗議する。これが受け入れられ、
再度彼のコラムは掲載されることになる。そうするうちにも、海でくびなし死体が見つ
かったり溺死したオーナーが通夜の席で息を吹き返したり、大嵐が来て、家が吹き飛んで
しまったり様々な事件が起きる。

島の人々に溶け込む一方、ウェイヴィとの間も次第に深まり、娘も母の死をきちんと受け
入れた。また新聞社の同僚もクオイルとの友情を育んでくれ、引きこもりだったクオイルも
生きる喜びに包まれるようになってくる・・・・

たまにはこういうしっとりした映画をじっくりと鑑賞する気分もいいものだ。
この映画の詳細はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2011-01-04 23:20 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)