2011年 02月 10日
プライド&グローリー Pride & Groly
2008 アメリカ・ドイツ New Line Cinema, Solaris, O'Connor Brothers,130min.
監督:ギャヴィン・オコナー
出演:エドワード・ノートン、コリン・ファレル、ジョン・ヴォイト、ノア・エメリッヒ他
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
なんでこれが日本劇場未公開であったのかが、不思議だ。配役が地味だからか。骨太の
警察映画であり、家族を活写した作品だと思う。
タイトルは、警察官たる主人公が吐くセリフの一部でもある。つまり警察官の仕事を
象徴する言葉として使われているのだが、現実は、もっとおぞましいものであることを
突き付ける。警察官一家の家長としてのジョン・ヴォイト、末っ子で正義感溢れる
エドワード・ノートンが良かった。全般的にキャスティングはナイス、だと感じた。
NYPDの内部がさもありなん、という描き方が恐ろしさを募らす一方、そういう境遇で
家族を守ろうとするそれぞれの立場の苦悩が描き出される。そんなに苦悩するなら最初から
手を染めるなよ!と突っ込みをいれたくなるが、環境が許さないのだろう。事実末っ子の
刑事も、正義感だけでは警察官は務まらないと理解しつつも、プライド&グローリーの
為に行動を起こすのだが。
<ストーリー>
「警官が巻き込まれた事件を任されることになった主人公が、捜査を進めるうち一家の
絆を揺るがす驚くべき真相に突き当たり、葛藤していくさまを描いた犯罪ドラマ。
4人のニューヨーク市警警官が麻薬取引の手入れに踏み込んだ際、2人が死亡し、
他の2人も重体となる事件が発生。レイ・ティアニー刑事(エドワード・ノートン)が
特別捜査班の指揮を命じられ、さっそく犯人逮捕へ始動する。父(ヴォイト)は警察高官、
兄フランシスは署長、娘婿の義弟ジミー(ファレル)はフランシスの部下という
警察一家に生まれたレイ。また、彼の友人だった被害者のひとりも兄フランシスの部下で
ジミーともチームを組んでいたことから、この捜査への心境は複雑だった。
すると、捜査線上に複数の警官が浮上。実は、ジミーら数人の警官たちが犯人一味と
内通していたのだった。ジミーたちは、事実が明るみに出る前に街の悪党をその身代わりに
しようと画策。一方、レイはこの事件の結末が兄の進退問題に関わってくると知り、
捜査と家族の板挟みになってしまう。こうしてティアニー家は、それぞれの判断で打開を
図るのだが…。」(allcinema)
結局、強盗団まがいの悪徳警官はジミーとその一味であり、彼らは売人から没収したヤク
を、売りさばき、雑貨店に入っては、レジから勝手にカネを取っていく。悪だとしって
いて、それを逆手に、悪徳の道にハマり、抜け出られなくなる。
そのうちの一人は、ジミーらの犯行を告白したあとレイのクルマの中で拳銃自殺する。
警察幹部も犯行をジミーらに押しつけて事実の隠ぺいを図ろうとする。苦悩する署長である
兄と幹部の父。レニーも、かつて誤って無実の男を殺してしまい、刑事に復帰してきた
ところだった。そんなトラウマもあり、身内の犯罪を暴露することに躊躇する気持ちも
ある。ジミーも、家族を守りたい、父や兄も家族を守りたい、もちろんレニーだって
家族も警察の正義も守りたい。しかしその板挟みとなり苦悩するのだ。
ジミーの最期がちょっとかっこよすぎかなと言う気もするが、結局レニーや兄もプライド
&グローリーを守っていくのである。
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