幸せはシャンソニア劇場から Faubourg 36

●「幸せはシャンソニア劇場から Faubourg 36」
2008 フランス・ドイツ・チェコ Pathe Films,and otheres,120min.
監督・脚本:クリストフ・バラティエ  音楽:ラインハルト・ワーグナー 作詞:フランク・トマ
出演:ジェラール・ジュニョ、クロヴィス・コルニアック、カド・メラッド、ノラ・アルゼデール他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
フランス映画の素敵なところが全部出たような作品だった。ストーリーは良くある劇場
再生物語だが、そこにフランスならではのユーモアやエスプリが効いていて、ほろりと
したり微笑したり、感情移入しやすくできている。甘い映画だなあ、という人もいるだろう
けど、私は好きで、結局2回見てしまった。
WOWOWの説明では、そもそも本作は、歌が先にあり、これにクリストフ・バラティエが
そのイメージで脚本を仕上げ、映画にしたのだそうだ。
プロデューサーのジャック・ぺランは「ニュー・シネマ・パラダイス」で大人になって
映画監督になったサルヴァトーレを演じた人なので、全体を包む雰囲気が何となく似ている。

出ている役者は1人も知らないが、皆愛すべきパリの庶民を味ある形で演じいた。
中でもやはり、準主役と思しき若い女性歌手ドゥースを演じたノラは、どこかオドレイ・トトを
思わせる雰囲気で、可愛らしいパリジェンヌを演じていた。
他にも幕引きかかりから支配人になる主役ピゴワルのジェラール・ジュニョ、モノマネ王子の
カド・ラメッド、ラジオ男のピエール・リシャールなどが、いい感じでそれぞれの
エピソードを抱えつついい味を出していた。
時代設定、大戦前夜、貧しさの中の幸せ、アコーディオンが効いた素敵なシャンソンに
乗せて、こころ温まる2時間だった。

<ストーリー>
『「コーラス」のクリストフ・バラティエ監督が第二次大戦前夜の激動のパリを舞台に、
不況で閉館に追い込まれたミュージック・ホールの再建に尽力する人々の心温まる
物語を、劇中で披露される華麗なショウの数々とともにハートフルかつノスタルジックに
綴る音楽人情ストーリー。
主演は「バティニョールおじさん」のジェラール・ジュニョ。また、新人歌姫ドゥースを
演じたノラ・アルネゼデールは本作で一躍フランス期待の若手スターとなった。
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 1936年、パリ。長年パリっ子たちに愛されてきた下町のミュージック・ホール
“シャンソニア劇場”も不況のあおりでついに閉館に。裏方としてこの劇場に人生を
捧げてきたピゴワルは悲嘆の中で酒に溺れる日々。
そんな父に代わって健気な息子ジョジョが得意のアコーディオンで日銭を稼ぐが、
ほどなく警察に見つかってしまう。失業中のピゴワルは保護者失格と言われ、
ジョジョは別れた元妻が引き取ることに。
最愛の息子を取り戻すため、ピゴワルは劇場の再建を決意、新オーナーを
説得して一ヵ月間の猶予を手に入れると、かつての仲間たちとシャンソニア劇場
復活に立ち上がるが…。」(allcinema)

冒頭、ピゴワールが警察署で何か事情を聞かれるシーンから始まる。
そして、シャンソニア劇場がギャラピアという不動産屋に買収され、全員解雇と
なる。しかし、ピゴワールと仲間達は1ヶ月という猶予を手に入れシャンソニア
劇場を再生しようと動き始める。
そしてそのオーディションにやってきたのがドゥースという娘だった。彼女は
歌手希望だったが、採用のポイントは足が綺麗だったから。
しかし、いよいよ再オープンしたときは司会として使われていたドゥースが
客からのリクエストで歌を歌うとこれがとても上手く、たちまち劇場の人気者に。
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パリの有名劇場からドゥースは引き抜かれてしまい、またまたシャンソニア劇場
から客足が遠のいた。
そんな時、ラジオ男といわれる引きこもりの初老の男性が、ドゥースの歌声を
ラジオで聞き、彼女こそかつてシャンソニア劇場で人気者だったローズの
娘に違いない、と確信する。ラジオ男はそのローズと恋仲であったのだが、
ローズは仕事上の駆け引きで身体を売らざるを得ず、ドゥースを懐妊すると
ローズはどこかに去っていってしまった。それ以来20年間、ラジオ男は
引きこもりになってしまったのだ。
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20年ぶりに外に出てドゥースの劇場に行き、対面、母の写真を見せて、
シャンソニア劇場を救ってくれ、と懇願する。歌はたくさんあると。
彼は作詞作曲も手がけていたのだった。
ドゥースは、恋仲になっていたミルーとのこともあったのでシャンソニアに
戻るが、彼女も、オーナーであるギャラピアに身体を要求され拒否するという
母と同じような目に会う。しかし、ドゥースは、頑張ってカネを稼ぎ劇場を
買い戻すと心に決める。
一方、ドゥースが帰り、モノマネ王子も実は歌がものすごく上手いことが
判り、ミルーも歌うことになったのだが、息子ジョジョが元妻のところから
戻らないことでやけを起こしていて、現実的に定職を得てジョジョを
育てられることを証明しなければならないのに心を奪われていた。

しかし、ジョジョが元妻のもとを脱走、仲間の元へ戻り、父の住むアパート
の窓の下でアコーディオンを弾いてみせる。
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父と一緒にいたい、というジョジョの健気なキモチに動かされピゴワールは
支配人としてまた役者として劇場に復帰した。

全員が揃い再びオープンしたシャンソニア劇場にはおおくの人が連日
押しかけ、時の首相すら見学にやって来た。かれらはツアーにも出て
お金がたくさん入るようにもなった。
そんな時期のパリ祭。お祭りに繰り出す一行に対し、いつも金庫を
泊り込みで守っていたミルーに代わり、ジャックが泊り込むことに。
そこにギャラピアが放った強盗団が押し入り、寝ていたジャックを
ミルーと間違えて撲殺してしまう。
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事態を知ったミルーは銃を持ってギャラピアの元へ。銃を突きつけるが
反撃にあう。そこに続けてやってきたピゴワールがギャラピアを
撃つ。
ミルーは自分がやったと自首するが、目撃者がありピゴワールは
逮捕され10年の刑務所生活に。
その間戦争も終わり、出所してきたピゴワール。シャンソニア劇場は
今でも元気。成長したジョジョもステージの人気者になっていた。
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ミルーの革命的な姿勢、それを嫌うファシストよりのギャラピア、
世の中の動きを料理に取り入れ、窓に書き出す劇場前のレストラン
そしてジョジョのストーリーなど、サイドストーリーもしっかりしていて
それぞれが上手く交差して、映画を面白くしていた。
愛すべきフランス映画であった。
この映画の詳細は,こちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2011-02-15 23:10 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)