ヒア・アフター Hereafter

●「ヒアアフター Hereafter」
2010 アメリカ Warner Bros.Pictures,Malpaso Pro.,Amblin,129min.
監督・製作・音楽:クリント・イーストウッド 製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ
出演:マット・デイモン、セシル・ドゥ・フランス、フランキー・マクラレン、
   ジョージ・マクラレン、ジェイ・モーア、ブライス・ダラス・ハワード他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
待ちに待ったイーストウッド監督作品。今回はちょっと嗜好が代わってる。
イーストウッドもお歳を召して、死後の世界を扱う精神世界に入り込んだ
観念映画を取るようになったのかな、と思ったのだが、エグゼクティヴ
プロデューサーにスピルバーグを迎えていることを考えると、彼のファンタジー
志向がイーストウッドの世界と融合した結果の映画だったのだな、と
思うことが出来た。下馬評では、もっと泣ける映画か、と思ったのだが、
そうでもなく、エンドロールが出るころに、ジワ~っと心に沁みるものが湧き出て
来た。これは何だろうとロールを見ながら考えた。人間の優しさか?
命あるものも、死せるものも、共に幸せな世界に生きることは出来るということか?
とにかく、胸にこみ上げるものがあったことは確かだ。人間ていいなあ、とういう
ことでもいいのだが、そんなに簡単なことでわき上がった感動では無いような気が
するのだ。

冒頭の津波シーンで度肝を抜かれるが、後は「舞台劇」に仕立ててもいいくらいの
会話劇になり、凹凸の無さに一瞬眠くなるかもしれない。
イーストウッドの良さがスピルバーグによって倍加されてない、私としては
イーストウッドの死後の世界観が観たかったな。
今年のアカデミーがノミネートを見送ったのも理解できる。これではちょっとな、と
言う感じだ。ただし、音楽は良かったぞ。ピアノが効いていた。

マット・デイモン、セシル・ドゥ・フランス、フランキー&ジョージ・マクラレンの
3組が主役だが、それぞれ、とてもいいキャスティングだと思った。
話は単純だが、奥は深い。観ているものにいろんなことを投げかけてくる、一定の
水準を上回る佳作ではある。

<ストーリー>
「パリのジャーナリスト、マリー(セシル・ドゥ・フランス)は、恋人と東南アジア
でのバカンスを楽しんでいた。だがそのさなか、津波に襲われ、九死に一生を得る。
それ以来、死の淵を彷徨っていた時に見た不思議な光景(ビジョン)が忘れられない
マリーは、そのビジョンが何たるかを追究しようと独自に調査を始めるのだった。
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<みやげを買いに出て大津波に襲われ店の子を連れて逃げるマリー>

サンフランシスコ。かつて霊能者として活躍したジョージ。(マット・デイモン)今では
自らその能力と距離を置き、工場で働いていた。しかし、好意を寄せていた女性との間に
図らずも霊能力が介在してしまい、2人は離ればなれに。
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<恋人はいやがるジョージに霊能力を発揮させてしまい、結果、離別に>

ロンドンに暮らす双子の少年ジェイソンとマーカス。ある日、突然の交通事故で
兄ジェイソンがこの世を去ってしまう。もう一度兄と話したいと願うマーカスは霊能者を
訪ね歩き、やがてジョージの古いウェブサイトに行き着く。
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<ロンドンの一卵性双生児ジェイソンとマーカス。母はヤク中だ>

そんな中、それぞれの事情でロンドンにやって来るジョージとマリー。こうして、
3人の人生は引き寄せ合うように交錯していくこととなるが…。」(allcinema)

サンフランシスコの霊能力者ジョージは、兄の金もうけ手段に使われて、「他人の
人生のために自分の人生を犠牲にするのはもういやだ」と、大好きなディケンズの
生まれ故郷であるロンドンを訪ねる。そこで開催されていたブックフェスティバル
で、自分の著書を朗読していた、マリーと運命の遭遇をする。
また、兄を亡くしたマーカスも、霊能者が著者として集まるだろうこのフェアに
足を向け、そこでジョージと運命の出会いをする。
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<ブックフェアで自著を買ってくれるジョージはマリーに不思議な感覚を>

マーカスはウエブサイトでジョージが霊能者であることを知っているため、彼を
見つけ、執拗に追いかける。根負けしたジョージは、マーカスと亡くなった兄との
交信をする。一卵性であることで、マーカスはジェイソンで、ジェイソンはマーカス
なんだよ!と理解することが出来た。亡くなったジェイソンはマーカスの中で
しっかり生きているんだ、と。
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<マーカスはブックフェアでジョージの姿を見つけ、追いまわすのだが>

(二人の母親はヤク中で、それを治療しようと決心、ジェイソンが薬屋に
母親の治療薬を買いに行くが、その帰りに不良に絡まれ、逃げようとしてトラックに
はねられたのだ)

マーカスは、お礼にとマリーの宿泊しているホテルをジョージに教える。
ジョージは彼女にメッセージを残し、会うことにする。霊的な世界を追求して以来
周りの目が冷たくなったし、ボーイフレンドも去って行った。しかし、ある
出版社が彼女の著作に目を付けて出版することになったのだ。そんな彼女に
ジョージは、運命的な何か、を感じる。
そして彼には二人が結ばれる光景が現実のものとして見えるのだった。

死後の世界を描いていた暗くない。明るくもないけど。先がある展開は救われるだろう。
イーストウッドファンとしては評価が別れるかもしれない。
私としては、具象的な表現が嬉しいのだが・・・。
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この映画の詳細はこちらまで。
Commented by シムウナ at 2011-03-13 14:26 x
相変わらずクリント・イーストウッド監督は
良質な作品を提供してくれます。
死後の世界はどうなるか?
生きている我々にとってこの先の命題かも
しれませんね。自分は無の世界だと
思ってます。ただ、死んだ人はこの世に
戻らないので精いっぱい、誰かを愛したいと
願う今日この頃です。
Commented by jazzyoba0083 at 2011-03-18 23:27
シムウナさん
いつもありがとうございます。私はどちらかというと迷信深いほうなんですが、これが映画の中で描かれちゃうのとは、ちょっと
違うなあ、という感じです。しかし、このたびの地震などを見てますと、色々と考えますね。
by jazzyoba0083 | 2011-02-20 12:35 | 洋画=は行 | Comments(2)