エニグマ  Enigma

●「エニグマ Enigma」
2001 ドイツ・イギリス Manhattan Pictures International,Intermedia Films,119min.
監督:マイケル・アプテッド  原作: ロバート・ハリス 『暗号機エニグマへの挑戦』(新潮文庫刊)
出演: ダグレイ・スコット、ケイト・ウィンスレット、サフロン・バロウズ、ジェレミー・ノーサム ほか。
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
第二次世界大戦。イギリス諜報部暗号解析チームがナチスUボートの暗号を解析しようと
する中で、ロシア軍が引き起こした「カチン惨殺事件」が絡む、なかなか面白いテーマと
ストーリーを持った映画だったが、何せ暗号やら、事件が複雑に絡むので、映画自体が暗号の
ようで、完全に理解を仕切れないままに終わった感じだが、でも面白かったなあ、と思える
不思議な映画だ。

知っている俳優さんはケイト・ウィンスレットしかいないが、彼女がまたいい役周りであり、それを
上手く演じていて、映画が面白くなっている。主人公の俳優さんは杉本哲太そっくりだなあ。
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「カチンの森惨殺事件」など、当時の戦争の背景を知らないと、映画に付いて行くのが辛いかも
しれない。「エニグマ」とはドイツ軍が完成させた高度な暗号解析機の名前。この秘密を分析する
イギリス情報解析チームの初期のコンピュータのような装置が糸巻き機の全員集合のような光景で
描かれていたけど、興味深かった。
暗号解析にケンブリッジの研究者ら、相当高度な学者らが集められていた、という史実も私には
目新しかった。

アメリカから大量の物資を欧州に運ぶ船団とUボートを巡る暗号解析合戦と、これに並行して
起きる「カチンの森惨殺事件」が絡み、一人の女性を巡り、謎が謎を呼び、それをほどいて行く
様子が面白い。でも難しい。

<ストーリー>
「第2次大戦下のイギリスを舞台に、ドイツ軍の難解な暗号システムに挑む暗号解読チームの
活躍を描いたロバート・ハリスのベストセラー『暗号機エニグマへの挑戦』を映画化。
主人公の天才数学者が暗号解読と元恋人の失踪という2つの謎に立ち向かう。
監督は「ワールド・イズ・ノット・イナフ」のマイケル・アプテッド。出演は「M:I-2」のダグレー・スコットと
「タイタニック」のケイト・ウィンスレット。
 
1943年、イギリス軍の暗号解読センター。ここに様々な分野のエキスパートが集められナチス
ドイツの暗号化装置“エニグマ”機の解読が進められていた。
その頃、チームの中心的存在で若き天才数学者のジェリコは、同じセンターで働く恋人クレアと
喧嘩別れしたことが原因で神経衰弱に陥り、強制的に休暇を取らされていた。
そんなある日、彼は急遽センターに呼び戻される。ようやく解読に成功したエニグマの暗号コードが
突然変更されたのだ。連合軍は一転して窮地に立たされる。イギリス諜報部のウィグラムは
この一件でチーム内にスパイがいると睨み捜査を開始する…。」(allcinema)

ポーランドで起きたロシア軍によるポーランド兵大量惨殺事件「カチンの森事件」で、弟を殺された
チーム内のポーランド人の男。彼は、連合軍としてはイギリスの同盟国であるロシアが弟を殺した
ことを許せず、ドイツ海軍に有利な情報を流す。(実際の解析チームにはポーランド人はいなかった
そうだが) イギリス軍諜報部にやとわれていた美女クレアは、この事実を掴み、このポーランド人に
殺される。
クレアはチームに参加してきたジェリコと良い仲になるが、これも彼女の作戦の一つ。あまりに
クレアに入れ上げたジェリコは精神的に参り病院送りとなるが、エニグマの暗号が変更されたことで
またチームに呼び戻される。ジェリコはクレアと同じ宿舎に住んでいた女性へスター(ウィンスレット)
の協力を得て、内部調査をして、政府と軍部が敢えてロシアとの関係を壊さないために
「カチンの森惨殺事件」の暗号を傍受して解析していたにも関わらず、秘密にしていたことを付きとめる。
そこに気が付いたジェリコとへスターに警察の手が伸びる。

一方でポーランド人の解析員がドイツに内通してたことも、判明、彼はクレアとも関係していて、
彼を救いに来たUボートで脱出を図っていた。これを追跡したジェリコはUボートが現れたところで
逃走用の小型艇に飛び乗り、争いとなるが、Uボートは事前に出現を察知していたイギリス空軍に
爆撃され沈没してしまう。ポーランド人も巻き込まれる。

戦争が終わり、ジェリコとへスターは大英博物館で待ち合わせをしていた。へスターを待つ
彼の前にクレアが現れた・・・しかし、それは人違いであった・・・。でも彼はクレアがまだどこかで
生きていると信じていた。

「エニグマ」についてはWikiを始めネット上でいろんな情報を得られる。
この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2011-04-29 23:20 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)