2011年 04月 29日
エニグマ Enigma
2001 ドイツ・イギリス Manhattan Pictures International,Intermedia Films,119min.
監督:マイケル・アプテッド 原作: ロバート・ハリス 『暗号機エニグマへの挑戦』(新潮文庫刊)
出演: ダグレイ・スコット、ケイト・ウィンスレット、サフロン・バロウズ、ジェレミー・ノーサム ほか。
<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
第二次世界大戦。イギリス諜報部暗号解析チームがナチスUボートの暗号を解析しようと
する中で、ロシア軍が引き起こした「カチン惨殺事件」が絡む、なかなか面白いテーマと
ストーリーを持った映画だったが、何せ暗号やら、事件が複雑に絡むので、映画自体が暗号の
ようで、完全に理解を仕切れないままに終わった感じだが、でも面白かったなあ、と思える
不思議な映画だ。
知っている俳優さんはケイト・ウィンスレットしかいないが、彼女がまたいい役周りであり、それを
上手く演じていて、映画が面白くなっている。主人公の俳優さんは杉本哲太そっくりだなあ。
「カチンの森惨殺事件」など、当時の戦争の背景を知らないと、映画に付いて行くのが辛いかも
しれない。「エニグマ」とはドイツ軍が完成させた高度な暗号解析機の名前。この秘密を分析する
イギリス情報解析チームの初期のコンピュータのような装置が糸巻き機の全員集合のような光景で
描かれていたけど、興味深かった。
暗号解析にケンブリッジの研究者ら、相当高度な学者らが集められていた、という史実も私には
目新しかった。
アメリカから大量の物資を欧州に運ぶ船団とUボートを巡る暗号解析合戦と、これに並行して
起きる「カチンの森惨殺事件」が絡み、一人の女性を巡り、謎が謎を呼び、それをほどいて行く
様子が面白い。でも難しい。
<ストーリー>
「第2次大戦下のイギリスを舞台に、ドイツ軍の難解な暗号システムに挑む暗号解読チームの
活躍を描いたロバート・ハリスのベストセラー『暗号機エニグマへの挑戦』を映画化。
主人公の天才数学者が暗号解読と元恋人の失踪という2つの謎に立ち向かう。
監督は「ワールド・イズ・ノット・イナフ」のマイケル・アプテッド。出演は「M:I-2」のダグレー・スコットと
「タイタニック」のケイト・ウィンスレット。
1943年、イギリス軍の暗号解読センター。ここに様々な分野のエキスパートが集められナチス
ドイツの暗号化装置“エニグマ”機の解読が進められていた。
その頃、チームの中心的存在で若き天才数学者のジェリコは、同じセンターで働く恋人クレアと
喧嘩別れしたことが原因で神経衰弱に陥り、強制的に休暇を取らされていた。
そんなある日、彼は急遽センターに呼び戻される。ようやく解読に成功したエニグマの暗号コードが
突然変更されたのだ。連合軍は一転して窮地に立たされる。イギリス諜報部のウィグラムは
この一件でチーム内にスパイがいると睨み捜査を開始する…。」(allcinema)
ポーランドで起きたロシア軍によるポーランド兵大量惨殺事件「カチンの森事件」で、弟を殺された
チーム内のポーランド人の男。彼は、連合軍としてはイギリスの同盟国であるロシアが弟を殺した
ことを許せず、ドイツ海軍に有利な情報を流す。(実際の解析チームにはポーランド人はいなかった
そうだが) イギリス軍諜報部にやとわれていた美女クレアは、この事実を掴み、このポーランド人に
殺される。
クレアはチームに参加してきたジェリコと良い仲になるが、これも彼女の作戦の一つ。あまりに
クレアに入れ上げたジェリコは精神的に参り病院送りとなるが、エニグマの暗号が変更されたことで
またチームに呼び戻される。ジェリコはクレアと同じ宿舎に住んでいた女性へスター(ウィンスレット)
の協力を得て、内部調査をして、政府と軍部が敢えてロシアとの関係を壊さないために
「カチンの森惨殺事件」の暗号を傍受して解析していたにも関わらず、秘密にしていたことを付きとめる。
そこに気が付いたジェリコとへスターに警察の手が伸びる。
一方でポーランド人の解析員がドイツに内通してたことも、判明、彼はクレアとも関係していて、
彼を救いに来たUボートで脱出を図っていた。これを追跡したジェリコはUボートが現れたところで
逃走用の小型艇に飛び乗り、争いとなるが、Uボートは事前に出現を察知していたイギリス空軍に
爆撃され沈没してしまう。ポーランド人も巻き込まれる。
戦争が終わり、ジェリコとへスターは大英博物館で待ち合わせをしていた。へスターを待つ
彼の前にクレアが現れた・・・しかし、それは人違いであった・・・。でも彼はクレアがまだどこかで
生きていると信じていた。
「エニグマ」についてはWikiを始めネット上でいろんな情報を得られる。
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