ブラック・スワン Black Swan

●「ブラック・スワン Black Swan」
2010 アメリカ Fox Searchlight Pictures,108min.
監督:ダーレン・アロノフスキー
出演:ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス、バーバラ・ハーシー
   ウィノナ・ライダーほか。
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<2010年度アカデミー賞主演女優賞受賞作品>

<評価:★★★★★★★★☆☆>

<感想>
どんな展開なんだろう、と予告編だけの知識で観賞。R15+という最大限の規制付きなので
お子様は当然いない。ドラッグとセックスが主要な部分の一つになっているのでしょうがない。

で、作品。面白かった!ホラーだね、これは。人を怖がらせるホラーとはちょっとニュアンスが
違うのだが、人間の内面(二面性)を描くホラー。誰の心にも住む魔物であるが故に
共感は得やすいだろう。が、この手の映画は賛否も分かれるのではないか。
つまり、ポートマンが遭遇する、自分を襲う恐怖は、自らの心の産物であり、芸術家と
いう側面も感情移入しやすくできていて、判りやすい半面、判りやす過ぎる、ただの脅かし
じゃん、という人もいるだろう。
ほとんど屋外の無く、モノクロな世界。鏡が効果的に使われている。そしてステディカムと
多用されるアップ。映像的にも引き込まれるものがある。

白鳥の湖のプリマドンナに抜擢されるニナ(ポートマン)を襲う恐怖や、意地悪さは、
彼女の内面そのものであり、それが次第に鏡という小道具を使って明らかになる。
白鳥を踊らせたら敵う者のないニナであったが、自分を抑制してしまう正確が災いして
黒鳥を上手く踊る完成に欠けている。なんとか抑圧された自分を解放したい、と願う強い
気持ちが、様々な幻覚や、幻視に付きまとわれ、それらと対峙し、闘う中で「完璧」を
手に入れる一方で、自らを大きく傷つけることになってしまうのだ。

これでオスカーを獲ったポートマンは、「この演技じゃあ、獲るわなあ」と唸る怪演ぶり。
女に手を出すのが早いと噂の演出家ルロイは、彼女の身体を求めるが、これはエロ心から
じゃなくて、ホントに黒鳥を演じる感情を得て欲しいという気持ちも半ばあるな、と
感じた。ポートマンの吹き替えなしのバレエも素晴らしく訓練されていた。

「完璧」を尽きつめようとする悲劇の中に美しさが生まれる、皮肉であるが、真実を突いて
いると思わせるのである。悪魔に魂を売っても完ぺきを求めたい、との狂気が観客に迫る!

<ストーリー>
「レクイエム・フォー・ドリーム」「レスラー」のダーレン・アロノフスキー監督が、
野心と嫉妬渦巻くバレエの世界を舞台に描く異色の心理スリラー。

バレエに全てを捧げるヒロインが、新プリマの座を巡って自分とは対照的な勝気な
新人ダンサーと熾烈な競争を繰り広げる中で、次第に精神的に追いつめられていく姿を
スリリングに描き出していく。
主演は、その迫真の演技が絶賛され、みごと自身初となるアカデミー賞主演女優賞にも
輝いたナタリー・ポートマン。共演にヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス、
ウィノナ・ライダー。
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ニューヨークのバレエ・カンパニーに所属するニナは、元ダンサーの母親の期待を一身に
背負い、バレエに全てを捧げて厳しいレッスンに励む日々。そんな彼女に、バレエ人生
最大のチャンスが訪れる。長年バレエ団の象徴的存在だったプリマ・バレリーナ、ベスの
引退を受け、新作の『白鳥の湖』のプリマにニナが抜擢されたのだ。
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しかし、白鳥の湖では純真な白鳥役と同時に、奔放で邪悪な黒鳥役も演じなければならない。
優等生タイプのニナにとって、魔性の黒鳥を踊れるかが大きな試練としてたちはだかる。
対照的に、官能的にして大胆不敵な踊りで、芸術監督のルロイに理想的な黒鳥と言わしめた
新人ダンサーのリリー。彼女の台頭によって、不安と焦りが極限まで高まってしまうニナ
だったが…。」(allcinema)
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サンフランシスコから来た新人リリーを演じたミラ・クニス、ニナの母親(元バレリーナで
ニナを妊娠してバレエを諦めたが、娘には異常なばかりの期待を寄せる、子離れできない
母)を演じたバーバラ・ハーシー、そして無理やり引退させられてしまうプリマ、ベスを
演じたウィノナ・ライダーも、その狂気の含み方が良かった。
私としては「英国王のスピーチ」の方が点が上ではあるが、この春見た映画では2番目に
面白いと思った作品だ。(感動、とか泣けるという意味ではないのだが、エンタティンメントと
して面白い)
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この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2011-05-15 17:10 | 洋画=は行 | Comments(0)