クレイジー・ハート Crazy Heart

●「クレイジー・ハート Crazy Heart」
2009 アメリカ Fox Searchlight Pictures,111min.
監督:スコット・クーパー
出演:ジェフ・ブリッジス、マギー・ギレンホール、ロバート・デュヴァル、ライアン・ビンガムほか。
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<2010年度アカデミー賞主演男優賞、歌曲賞受賞作品>


<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
★は7,5。いきなりネタばれで恐縮だが、取り敢えず悲劇的結末でなくてよかった。
ストーリーはどこかで観たような、カントリー歌手の再生物語。同様の映画なら作品としては
やはり「レスラー」の方が出来はいい。
この映画は、なんといってもジェフ・ブリッジスの演技を観るべき作品だろう。57歳のカントリー
歌手。かつての栄光は今いずこ。アルコール依存症、タバコ依存症で、逃げてばかりの人生。
でも、実は心は弱く、愛情に飢えている。そんなメタボなオヤジの、強気と弱気の間で揺れる
気分を実に良く演じている。私は観ていて唸っちゃいましたよ。「レスラー」のミッキー・ロークが
演じた主人公のほうが激しい人生だったと感じた。ミッキーはオスカーは逃したが、2008年は
「ミルク」とかライバルの存在が厳しかった。

作品としての見せどころはきちんと置かれているが、起伏がやや平板。アルコール依存症を
一発で治してしまうところ、なんかはアレレな感じ。思いを寄せていた子連れの女性記者
(マギー・ギレンホール)に、子どもの前でアルコールは止めて、と云われていたにも関わらず
バーに入り、子どもを迷子にしてしまう。その件で、彼女に振られ、アルコール依存に戻るか、
と思いきや、作曲に精を出して、1年4カ月後。ライバルで、パートナーである歌手、トミーの
新曲が受けているコンサートで再会を果たす二人。彼女の指には結婚指輪が。
諦めのいいオヤジでもある。というか、自己主張が弱いから、ああいう人生になり、振られ、
諦められるのだろう。そんなあたりを淡々と描く。淡々と描かれるところどころに挿入される
西部の大きい空が印象的で、どこか詩的ですらある。
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ジェフ・ブリッジスの歌が上手いのにビックリ。アメリカ人にとって、カントリーと云うのは日本人の
演歌のように、国民の心に根ざした音楽なんだな。カントリー音楽(歌手)を題材にした映画は
枚挙に暇がない。映画を観終わるころは、「カントリーっていいな」と思うに違いない。
ギレンホールはまあまあだが、やはり、ロバート・デュヴァルの存在が大きい。作品が締まって
いた。

<ストーリー>
『「フィッシャー・キング」「ビッグ・リボウスキ」のジェフ・ブリッジスが、落ちぶれたカントリー・
シンガーを熱演し絶賛された音楽人生ドラマ。
酒に溺れ、結婚にも失敗し、才能がありながら成功とはほど遠い音楽人生を歩んできた
初老ミュージシャンが、彼に興味を抱いた女性ジャーナリストとの出会いをきっかけに再起を
図る姿を、ユーモアとペーソスを織り交ぜ感動的に綴る。

共演に「ダークナイト」のマギー・ギレンホール。俳優としても活躍するスコット・クーパーの
監督デビュー作。また、T=ボーン・バーネットとライアン・ビンガムの共作による主題歌
『The Weary Kind』はみごとアカデミー歌曲賞に輝いた。
 
 57歳のカントリー・シンガー、バッド・ブレイクは、かつては一世を風靡したこともあるものの、
すっかり落ちぶれた今では場末のバーなどのドサ回りで食いつなぐしがない日々。
新曲がまったく書けなくなり、かつての弟子トミー・スウィートの活躍にも心穏やかではいられず、
酒の量ばかりが増えていく。
そんなある日、地方紙の女性記者、ジーン・クラドックの取材を受けることに。親子ほども年の
離れた2人だったが、思いがけず一夜を共にしてしまう。しかし、離婚の痛手を抱え、
4歳の息子と2人暮らしのジーンは、関係を深めることに躊躇いをみせる。そんな中、
巨大スタジアムで公演を行う弟子のトミーから共演の依頼が舞い込むバッドだったが…。」
(allcinema)

トミーとの共演て、前座だ。バックの夢は、メインを前座にして歌うことだが、トミーだけは
いやだ、と云うバッドだったが、断れずに受け入れる。栄光にすがりたい、再び脚光を浴びたい
というバッドの弱くも偽らざる気持ちが良く出ているシーンだ。
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ヒューストンがベースのバッドだが、4日間の休みを取ってテキサスから息子と遊びに来てくれた
ジーン。しかし、3人でヒューストンの街に遊びに出て、バッドとジーンの息子だけになった時、
ちょっと一杯、と入ったバーで息子を迷子にしてしまう。先述のシーンだ。これで、決定的に
ジーンに嫌われる。そして断酒会に入る。そしてテキサスに向かうが、酒を断ってもジーンは
もうバッドの元には帰らなかった。傷心のバッドは、それを歌にしてトミーに送る。

そして1年4カ月後となる。これは先述。

途中、交通事故で入院したフェニックスだかの病院で、医者にあらゆる病気の可能性が高いから
酒とたばこは止めろ、と云われるがそんなこと聞く訳もなく、こりゃ、絶望的な終焉が待っているのかな
と思っていたら、心温まるラストだったのでホッとした。

ともかく眠くならずに見られた良作ではある。

この映画の詳細はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2011-08-13 22:45 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)