2011年 08月 16日
Railways 49歳で電車の運転士になった男の物語
2010 日本 松竹 Robot Entertainment 130min.
監督:錦織良成
出演:中井貴一、高島礼子、本仮屋ユイカ、三浦貴大、奈良岡朋子、橋爪功、佐野史郎、
宮崎美子、遠藤憲一、中本健、甲本雅裕、松福亭松之助、石井正則ほか。
<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
ベタな映画だな。男の夢を実現するということは、こんなこともあるのだよ、という凄く解りやすい
ストーリーを、出雲の一畑電鉄という美しい光景を借りて描く。普通に面白いが、お涙、強制的に
頂戴、的な持って行き方に鼻白む。母親が亡くなってから後が冗長であった。
役者連は、演技派を並べたので文句はないし、新人・三浦貴大も頑張っていた。
映画はさておき、一畑電鉄に非常に興味が湧いた。一度訪ねて乗って見たいと強烈に感じた。
<ストーリー>
「東京の電気メーカーの企画室長で、多忙な生活を送る筒井肇(中井)。しかし会社は不景気で
工場を畳まねばならない。そこの工場長川平(遠藤)は同期であるが、モノづくりこそ自分の
生きがい、と工場を畳むことには反感を覚えつつ協力はするが、東京本社への異動は断る。
そんな川平は、病弱な子供を早くに亡くしており、更にある日交通事故であっけない最期を遂げる。
そのことが、筒井に強烈なインパクトを与えた。「自分は真剣に自分の夢と向き合ってきただろうか」と。
一方、妻の由紀子(高島)は、一人娘の(本仮屋)倖が、手が掛からなくなったので、ハーブティーの
店を開業、自分の夢を叶え始めた。そんな中、取締役の目も見えてきた筒井を、川平の死が
突き動かす。故郷の出雲で、行商を営む母親が心臓発作で倒れた、との知らせが入る。
取り急ぎ出雲に向かう筒井であったが、行った先でも電話で会社との連絡が忙しい。
そこに入る川平の死の一報。そして実家で観た、一畑電鉄の切符の山。彼は少年の頃、
実家の眼の前を走る「ばたでん」の運転士になることが夢だったのだ。
「自分の夢と向き合ってきたのか」・・・
筒井は母のこともあり意を決して、会社を辞め、一畑電鉄の運転士募集に応募する。
目を付けてくれていた専務は、理解できず激怒するが・・・。妻は「ダメだと言ってもやるでしょ」と
理解を示す。就職活動中の娘も、最初はあり得ない、と云っていたが、筒井の真剣さに次第に
父の行動を理解していく。
採用試験も無事に終わり、49歳の新人運転士が誕生した。同時に採用されたのは甲子園の
ヒーローでプロとの契約もあった投手の宮田(三浦)。どこかひねた若き同僚を、励ましながら
二人はまず、東京の京王電鉄の訓練センターで操縦や法規の講習を受け、運転士としての
試験を受ける。そして合格。
晴れて一畑電鉄の運転士となったのである。毎日同じ線路の上であるが、天気も乗客も毎日
違う運転に、彼は心から満足していた。電鉄の仲間も気のいい奴らばかり。
ある日、幼い子供が、空になった運転室に入り、少し電車を動かすという事件が起きる。
その日は母が危ないと連絡が入り、動揺している筒井をみた宮田が、運転を代わっていたのだった。
宮田をかばい、自分の電車だったので責任は自分にある、と辞表を提出した。戸惑う幹部。
そこに、「辞めないで」と駆けつけた、筒井のファンたち。(このあたりクサかったなあ)
結局、経営も含めて処分するということで世間になっとくしてもらい、筒井は運転士を続ける。
母親は実は末期のガンでもあり、周りには内緒にしていたが、友人のぼやきからばれてしまう。
一度家に帰してあげるという医師の配慮で実家に帰った母。そんな母を自分が運転する
電車に載せたり、妻が東京からやってきて、「こんなことでも夫婦だよね」「あたりまえじゃないか」
なんてセリフを交わしたり、娘は、祖父の介護を経験したことから地元に帰りヘルパーになる
という夢を叶えた。そうしたなか母は静かに息を引き取る。
そんな最中も筒井は電車を運転していた。今日も、いろいろな人生を載せて、筒井の運転する
「ばたでん」は走る・・・・。
この映画の詳細はこちらまで。
東京の一流企業に勤めるエリートサラリーマンが50歳を目前に、幼い頃からの自分の夢だった「“一畑電車”の運転士になる」を実行に移す姿を中心に、家族の絆、人との触れあいを描いた人間ドラマだ。主演は『ザ・マジックアワー』の中井貴一、共演に『ドロップ』の本仮屋ユイカ、『島田洋七の佐賀のがばいばあちゃん』の高島礼子が出演。監督は作品の舞台となっている島根出身の錦織良成。... more
仕事に打ち込み、順調に出世をしてきたエリートサラリーマンが、母親の 病気などをきっかけに、50歳目前にして少年の頃の夢だった電車の運転士に なる姿を描いた感動ドラマ。 主演は『鳳凰 わが愛』の中井貴一、妻役は『犬と私の10の約束』の 高島礼子、娘役は『スウ…... more