知りすぎていた男 The Man Who Know Too Much

●「知りすぎていた男 The Man Who Know Too Much」
1956 アメリカ Paramount Pictues,120min.
監督・製作:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ジェームズ・スチュワート、ドリス・デイ、ラルフ・トルーマン、ダニエル・ジェランほか。
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<1956年度アカデミー賞歌曲賞「ケセ・ラ・セラ」受賞作品>

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
今さら評価もどうか、と思うヒチコックのクラッシック・サスペンス。このあたりのヒッチコックは
「間違えられた男」「めまい」「北北西に進路を取れ」「サイコ」「鳥」と傑作を次々のものしていく
油の乗った時期だ。 サスペンス映画の王道を築きあげた作品の一つで、何度となく見ていて
またいつ見ても面白ろい。ストーリも結末も判っていても観ちゃうんだな。
ストーリー展開はさすがに大時代的であり、鷹揚に進んでいくが、それがまた今の時代の
サスペンスとは違って古典の面白さがある。
物語も単純で判りやす過ぎるくらいだ。主題歌の「ケセ・ラ・セラ」は日本でもペギー葉山が
歌い大ヒットした。

<ストーリー>
モロッコのマラケシュ行きのバスの中で知り合ったフランス人の男。一家はアメリカからパリの
医学会議に出席してアフリカ観光にやってきた。ベン(ジェームズ・スチュワート)とジョー
(ドリス・デイ)の夫婦と5歳位の男の子。そのフランス人にマラケシュで食事をしましょうとさそわれる。

しかし、待ち合わせの部屋でフランス人と部屋を訪ねてきたある男(暗殺者)が顔を合わせたこと
からフランス人は急遽、食事をキャンセル。一家はその後、アラビア料理店に行くが、そこで
ある夫婦と意気投合する。 そのレストランに、そしらぬ顔でフランス人がやってきた。

抗議しようとする気の短い旦那を押しとどめる妻。一家はイギリス人夫婦と明日バザールに遊びに
行く約束をする。そして次の日、バザールで楽しんでいたところに、顔を茶色く塗って現地人に
変装したフランス人が、ナイフを背中に突き立てて、よろよろと一家の方に歩み寄り、
ベンに、イギリスである政治家が暗殺される、と場所を言ってこと切れた。

このことで警察に事情を聞かれるが、総領事に申し出る、と言って解放される。
フランス人が言っていたこととは??
警察にいたジョーにある男から電話がかかってくる。「フランス人から言ったことを警察にいうと
子供の命があぶなくなるぞ」という内容だった。ホテルにイギリス人と戻っていると思っていた
ベンとジョーは、いそいでホテルに帰ってが、なんとイギリス人夫妻は、もうチェックアウトして
しまっていた。

息子はイギリスに戻ったと確信したベンとジョーはロンドンに飛ぶ。そこでフランス人がささやいた
名前らしき人を突き止め、訪問し、詰問するが、人違いだった。フランス人がささやいたのは
教会の名前だったのだ。ジョーとベンは子供を救うために教会に潜入する。

教会にいた神父はあのイギリス人だった。子供を救おうとすると、ベンは殴られて気絶。ジョーは
警察を呼ぶが、なかなか対応をしてくれない。

実は、ある国の内紛にからみ、首相をアルバートホールで暗殺しようという計画が進んでいたのだ。
イギリス人夫婦は、首相を追い落とす一派の手先で、暗殺者と行動を共にしていた。

ロンドンに帰った時に、事情を聴いた警部が、アルバートホールに行ったと聞き、まずジョーが
会場に急ぐ。そこでは、オーケストラのシンバルの一撃を消音効果として、銃を発射し、首相を
暗殺するため、例の暗殺者が、会場の二階に陣取っていた。暗殺者が、二階に居ることに
気がつくジョー。シンバルの一撃が近づく。あまりの緊張にジョーが悲鳴を上げると、暗殺者の
手元が狂い、首相はかすり傷で済んだ。

イギリス人夫妻は、息子を大使館に運び込み軟禁してた。反首相派の首謀者は、失敗に激怒
さらに大使館に子供を連れてきたことも承知できない。
大使館に息子がいると隠しにたボブは、ジョーが首相の命の恩人ということで、その晩に
大使館に行きたいという。首相は歓迎すると。

そして夫妻は大使館に。そこでジョー(プロの歌手)、は大きな声で「ケセ・ラ・セラ」を唄った。
二階の部屋で息子を軟禁しいたイギリス人の妻は、反首相派から、息子を殺して大使館を出せ
と指示をうけてたものの、子どもに情が移り、ママが来ている、と確信した息子を逃がそうとする。
ママの声に合わせ口笛を吹く息子の存在を知り、探しに行くボブ。ついにその部屋に押し込むが
イギリス人の夫に俺も逃げる、と、息子と共に人質にされ、銃を突きつけられ二階から外へと
でようとする。
しかし、ボブはイギリス人を階段から突き落とし、形勢逆転。事件は一気に解決したのだった。

オーケストラの演奏時間が長いのだが、ジョーが駆け付けたボブや警察に犯人の居所や
事情を教えるシーンは、セリフが一切聞こえず、オーケストラの音楽だけが響く。これがまた
追い詰められた心理を上手く表現していた。 一気の終わり方は、この頃の映画のパターンだ。

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by jazzyoba0083 | 2011-09-16 23:16 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)