十三人の刺客

●「十三人の刺客」
2010 日本 東宝 TV asahi Films,「十三人の刺客製作委員会(テレビ朝日系)」141min.
監督:三池崇史 原作:池宮彰一郎 「十三人の刺客」脚本(1963)
出演:役所広司、山田孝之、伊勢谷友介、沢村一樹、古田新太、高岡蒼甫、六角精児、
   石垣佑磨、波岡一喜、窪田正孝、井原剛志、松方弘樹、吹石一恵、谷村美月、
   内野聖陽、光石研、岸辺一徳、平幹治朗、松本幸四郎、稲垣吾郎、市村正親
e0040938_1284249.jpg

<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
藤沢周平ものの時代劇も好きだが、久しぶりに時代劇の大活劇というかチャンバラの
映画を見た。ストーリーは復讐譚で単純。対立の構図も極めて判りやすい。
1963年のオリジナルは未見だが、映像の作り上げ方などはこちらの方が上、との
もっぱらの評判だ。役者もいいのが揃った。特に、役所と市村は素晴らしい。
稲垣も「民草の痛みをしらぬボンボン殿様」を好演だが、彼のありようは
「太平の世の中が生み出した怪人」であり、20数年後に滅ぶ徳川幕府の武士道の
対極として作り上げられてしまった歪んだ支配者。これに立ち向かう正道の武士道を
打ち抜く13人(12人?)。少々長さも気になったが、面白く見せてもらった。
エログロも含めて。松方弘樹の殺陣は、さすがに様になっていて気持ちよかったな。
e0040938_1228454.jpg

痛快な50分に及ぶチャンバラ、そしてラスト。三池監督は面白さの後に残る、幕末に
迫る歪んだ武士道を抱えた世の中のメタファーとして稲垣~松本幸四郎~役所ら13人を
配置したに違いない。ただ、ラストの伊勢谷の再登場は、ファンタジー?という誤解?
も呼び勝ちだろうし、ラストのラスト、山田孝之が、武士を辞める!といって刀を
捨てようとするが、捨てきれない様は、この時代の身分の抜き差しならぬありようを
語っていた。
e0040938_12292535.jpg

ただ、みなさんも思われたと思うが、村を3500両で全部買収、火薬も大量に仕掛けた
のなら、200人も敵が来るとは思っていなかったとは言え、もっと火薬でドッカン
ドッカンとやって敵勢を削げば良かったのに。そこまでの大量の敵を予想していなかった
というのなら、落合宿で、じっと待ち伏せた役所の深謀遠慮はそこまで、ということに
なる。買い取った村に仕掛けをたくさんしておいて、「小細工はここまでだ。あとは
斬って斬って斬りまくれ!!」と掛け声を掛けた瞬間、役所は相当困難な戦を覚悟した
に違いない。

日本アカデミー賞撮影賞、美術賞を獲得した画面は、当時の夜の部屋の暗さ、街の
たたずまい、女たちのはがれ気味の化粧など、リアリティの獲得に成功していたと
いえよう。

ラスト、私は一対一の対決となった稲垣と役所、稲垣が実は結構な剣の使い手で、
役所が苦戦し、これを市村が助太刀するのかと一瞬思ったりした。(苦笑)

全体として男の子には楽しい活劇としてよく出来た映画だ。底は浅いと言わざるを得ないが
エンタテインメントとしての完成度は高いといえる作品であろう。

<ストーリー>
「1963年に公開された同名映画を、鬼才・三池崇史がリメイクした超大型時代劇
アクション。主演の役所広司を筆頭に、同士となる刺客に山田孝之、伊勢谷友介、
伊原剛志、沢村一樹、松方弘樹ら。
さらに冷血で残酷な暴君に稲垣吾郎、彼の忠実な家臣に市村正親という、まさに
日本映画界を代表する豪華な顔ぶれが集結。これだけの役者が揃って、面白くないわけがない!

“十三人の刺客”それぞれに、キャラクターや背景までうかがえる見せ場を用意して
あるのも、三池監督らしい心憎い演出だ。そしてクライマックスとなるのは、
“ラスト50分の壮絶な死闘”。人を斬ると切れ味が鈍るので、用意しておいた無数の
刀を使い捨てにしていく描写など、恐ろしいほどのリアリティ。宿場町全体を大きな罠に
仕立て上げる、大胆不敵な知略の数々も見どころだ。


 弘化元年3月。明石藩江戸家老・間宮(内野)が、老中・土井家の門前で切腹自害。
間宮の死は、明石藩主・松平斉韶(稲垣吾郎)の暴君ぶりを訴えるものであった。

将軍・家慶の弟である斉韶は、明年には老中への就任が決まっている。
事件は時の幕府を動揺させ、このままでは幕府、ひいては国の存亡に関わると判断した
土井(平)は斉韶暗殺を決断、御目付役・島田新左衛門(役所広司)にその命を下す。

大事決行を控え、新左衛門は刺客集めに奔走。剣豪浪人平山(井原)、酒と女と博打に
溺れる新左衛門の甥・新六郎(山田)ら十一人の強者達が新左衛門のもとに集う。
暗殺計画が極秘裡に進められる中、斉韶の腹心・鬼頭半兵衛(市村正親)はその情報を
掴んでいた。

彼は、かつて新左衛門と剣の同門でありながらも道を違え、御用人千石の身分を自ら
掴んだ傑物であった。そんな中、新左衛門は、斉韶を襲うのは江戸から明石への
参勤交代の道中しかないと判断、襲撃場所を交通の要所の落合宿に決める。

明石藩の参勤交代が尾張を通る時、尾張藩への通行を阻止すれば、勢力を削られた
行列は落合宿に出るはず。斉韶を落合宿に誘い込むため、新左衛門は事の詳細を
尾張藩の木曽上松御陣屋詰・牧野靭負(市川)に打ち明け協力を求める。

斉韶が落合宿にやって来るかは、極めて危険な賭けであったがそれしか手はない。
刺客たちは現地へ急行、明石藩を迎え撃つべく落合宿を要塞へと改造する。
道中、山の民・木賀小弥太(伊勢谷)が加わり、落合宿にて総勢十三人の刺客が揃う。

だが、明石藩は待てども待てども落合宿にやってこない。新左衛門の計略は失敗に
終わったかに思えたその矢先、敵は200騎以上の多勢となってやってきた。
鬼頭は兵を蓄え、この戦いに備えていたのだ。混乱の中、明石藩の退路を断つ
大橋が爆破。13人対300人超の決戦が始まった……。」( goo映画)
e0040938_12303125.jpg

まあ、13人がいくら剣の達人ぞろいとはいえ、200人の軍勢には勝てないんだけど、
最後、民草への御政道を正すため、「武士は主君の為に死ぬべき」軍団と絶望的な
戦いに打って出るのだ。
e0040938_12304892.jpg

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2011-11-17 23:30 | 邦画・新作 | Comments(0)