2011年 12月 29日
幸せがおカネで買えるワケ The Joneses
2009 アメリカ Echo Lake Productions,96min.<日本未公開>
監督:デリック・ボルテ
出演:デヴィッド・ドゥカヴニー、デミ・ムーア、アンバー・ハート、ベン・ホーリングスワースほか。
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
なんでこれが未公開なのかな。とても面白かった。テンポも良く、まあどこかビックコミックに
出てきそうなお話だけど。
「ニセ家族でQVC」見たいな感じで、会社に雇われた4人が家族を作り、小金持ちがいそうな
住宅街に引っ越してきて、人があこがれるライフスタイルを、見せびらかすことにより、関連
商品を売る、という話。 実際にこういう売り方ありそうで、リアルな感覚でも楽しめる。
人はどうしても他人と自分を比べて価値を見出すところがあるのでそこを上手くついた商売
なのだ。これまで映画でありそうでなかったテーマ。目の付けどころが良かった。
上映時間も短くて良い。このころまでのデミ・ムーアもちゃんと見れたのにねえ。
クルマはアウディが全面的に協力している。
<ストーリー>
ジョーンズという一家が新興住宅街にやってきた。一家は隣人や学校の仲間たち、美容院の
客らを通じて友達を増やしていく。そして父親はゴルフ場で、新しいクラブやサングラス、
ウェアなどをさりげなく、「これいいんだよ」とか言って、仲間に欲しがらせる。
妻は、美容院に化粧品を売り込んだり、家で開くパーティーで冷凍食品を、娘は学校で
化粧品を、息子も学校でゲーム機やスポーツ用品を、さりげなく見せびらかして
買わせていく。ときどき会社の偉い人がやってきて、それぞれの売り上げがどのくらい伸びて
いるかを示していく。
父親のスティーブは、元はアリゾナのプロゴルファーになりそこねた自動車販売員だった。
しかし、他の三人に比べるとどうも売り上げが伸びない。そこで妻がいろいろと知恵をつけたり
シチュエイションを整えたりする。すると彼の売り上げも急上昇し、ボーナスに高級車を
あてがわれる。 ニセ家族をしていても、個人としてはそれぞれ生身の人間。
娘は、妻の友人の夫と不倫関係になる。スティーブも仕事で嘘とはいえないものの、
ダマシに似た手法で商品をうる手法に疑問を感じていたが、妻役のケイトを本当に愛して
しまった。やがて、息子役の青年がゲイであることが分かったり、不倫していた娘が相手に
こっぴどく振られたり、次第に本当の家族のような関係が生まれてくる。
成績が上がったことで、会社からステイィーブは、「アイコン」とよばれるトップファミリーの
父親役にスカウトされるが、問題はあるけど、僕には良いチームがいる、といて断って
しまう。
やがて、スティーブとケイトは結ばれ、愛するようになる。
しかし、隣人のラリーは、スティーブにあこがれ、借金をしてスポーツカーを買ったり、見栄の生
活に嵌ってしまった。彼の妻は化粧品のセールスなのだが、やがてカネがなくなり、スティーブを
罵倒した揚句、自宅のプールで自殺してしまう。
集まった住人に、自分たちの本性を暴露してしまう。ラリーの妻に横面を張られるスティーブ。
他の3人は、そそくさとクルマでどこかに行ってしまう。
その3人は、他の街で新しい父親役を得て、また同じやり口の商売を始めていた。
そこへ、スティーブが現れる。彼はケイトに愛を告げ、リアルな世界に戻って僕と暮らそう、と
誘うが、彼女はニセ家族のもとに戻る。娘役に「思われてしまったのね」と言われるとたまらなく
なり、彼女は彼の後を追う。
悄然とケイトらの家から歩いて去るスティーブの後を、ケイトはクルマで追い付き、彼を乗せ、
スティーブの実の父親が暮らすテキサスに、一緒に行こう、と告げるのであった。
現代は、「ジョーンズ一家」という意味だが、邦題が軽い。軽いコメディみたいに見えちゃう。
結構考えさせられるシリアスなドラマだ。
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