クライシス・オブ・アメリカ The Manchurian Candidate

●「クライシス・オブ・アメリカ The Manchurian Candidate」
2004 アメリカ Paramount Pictures,Scott Rudin Productions,Clinica Estetico,130min.
監督:ジョナサン・デミ 原作:「影なき狙撃者」(リチャード・コンドン)
出演:デンゼル・ワシントン、メリル・ストリープ、リーヴ・シュレイバー、ジェフリー・ライト

<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
監督と大物俳優の出演、ということで見てみた。この手の映画は好きなほうだし。
長いけど、最後まで一応の緊張感は保てたものの、終わり方がなんだか拍子抜け
だった。デンゼル演じる暗殺者は、一応本懐は遂げたのではあるが・・。
 
ここまでの技術はまだ出来てないにしても、いかにもありがちな「洗脳」の
設定。それが母である上院議員が息子を大統領にしてホワイトハウスに送り込み、
軍需産業と結びついて国の利権を独り占めにするという塩梅なのだが、
設定が壮大すぎちゃって、いささか現実味を欠く。あんなヒヨッコがとんとん
拍子に副大統領になるかね。
耳元で「フルネームを階級付き」で囁かれると、人が変わってしまい、とたんに
暗殺者になる、という設定はロバート・ラドラムの小説にあったように記憶して
いるが。そのときは「潜在催眠術」みたいなものだったのだが。
一番盛り上がったのは、副大統領候補であったジョン・ボイトが、かつて自分の
嫁だった娘と共に、洗脳状態のレイモンドに湖で殺されるところかな。
それと、ラスト、一発の銃弾で母息子を串刺し状態で射殺してしまったマルコとは
全く違う別人が防犯カメラのCGで仕立てられ行くところ。

正副大統領登場のシーン、警備が甘くないか?本来ならもっともっと厳しいはずだ。
何日も前から会場をチェックして。

悪役のメリルはあまり見たことがないから、見たくないなあ、と思いつつ演技は
確かだった。デンゼルもいいんじゃないかな。冒頭の作戦自体が仕組まれていたこと
ということでいいのかな。 

<ストーリー>
「サスペンス映画の歴史を変えた『羊たちの沈黙』のジョナサン・デミ監督が、
「新しい恐怖を描いた、もう一つの『羊たちの沈黙』」として製作したサスペンス・
スリラー。
62年の名作『影なき狙撃者』を現代仕様にアレンジ。戦争後遺症、対テロリズム、
情報監視、大統領選のパワーゲームと、今のアメリカがはらむ社会不安が代わる代わる
現れるストーリーは、フィクションでなければ困るぐらいショッキングな内容にも関わらず、
社会的寓意に富み、実話のようなリアリティを備えている。

湾岸戦争の英雄として政界入りしたレイモンド・ショー(リーヴ・シュレイバー)は、
上院議員を務める母エレノア(メリル・ストリープ)の後ろ盾を受けて、大統領選で党の
副大統領候補に指名されることになった。
ショーのテレビ演説を複雑な気持ちで見つめる元上官のベン・マルコ少佐(デンゼル・
ワシントン)は、ショーを名誉勲章の叙勲者に推薦した一人だったが、一方で記憶にある
ショーの英雄的行為が幻覚ではないかとの思いにとらわれていた。

やがてマルコの脳裏に蘇る悪夢。そこに登場するショーは、軍の仲間を平然と殺す殺人者
だった。この謎の解明に乗り出したマルコは、やがて自分の体の異変に気づく。
肩に覚えのない傷跡があり、ナイフでそこをえぐってみると、カプセル状のチップが
埋められていた。
マルコは、昔なじみの科学者デルプ(ブルーノ・ガンツ)を訪ね、これが人間の記憶を
操作し、意識をコントロールするチップだと知る。英雄に仕立て上げたレイモンドを意の
ままに操り、彼を通じてアメリカの政策を自在に動かそうとする巨大組織の企みに気づいた
マルコは、真相を告発すべく、副大統領候補の最有力であるジョーダン上院議員
(ジョン・ヴォイト)に働き掛ける。だがジョーダン議員、そして娘のジョスリン
(ヴェラ・ファーミガ)は、マインド・コントルーロされたレイモンドに溺死させられて
しまう。黒幕は彼の母エレノアだった。

やがてレイモンドは副大統領に当選。その祝賀会の際、マインド・コントロールされた
マルコは大統領候補の暗殺に向かう。だがレイモンドとエレノアを同時に射殺する結果に。
そして政府は、映像操作で暗殺者を別の人物に仕立て上げ、真相は闇に葬られるのであった」
(goo映画)

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by jazzyoba0083 | 2011-12-05 22:55 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)