愛する人 Mother and Child

●「愛する人 Mother and Child」
2009 アメリカ・スペイン Everest Entertainment,Mockingbird Pictures,126min.
監督:ロドリゴ・ガルシア
出演:ナオミ・ワッツ、アネット・ベニング、ケリー・ワシントン、サミュエル・L・ジャクソンほか。
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
面白かったけど、物語が大きく動くまでエラく時間がかかる。静かに進んでいくタイプの映画
なので、じっくり腰を据えてみる覚悟がいる。
示唆に富んだ内容で、いろんな角度から、人生とか子供とか母親とかについて考がえる
ことが出来る。ナオミ・ワッツも良かったけど、やはりアネット・ベニングが光る。
だいぶ老けたけど、その年齢でないと出来ない役回りを上手く演じていた。
落ちが、なかなか考えられていて、ハッピーエンドじゃないのか、と一旦思わせておいて、
実はしっかりとしたエンディングとなっていた。
いい映画だし、配役もいいのに、主だった賞にノミネートされなかったのは、
地味だからかなあ。地味なりに「ベンジャミンバドン~」みたいなケレンがないとアカンの
かしら。ともかく私には面白い映画でした。前半はタルかったけど・・。

<ストーリー>
「この作品は『Mother & Child』という原題の通り、“母と子ども(娘)”の物語だ。
劇中には、多くの母と娘が登場する。娘を手放した事を悔やみ、常に悔恨に苛まれて
生きる母親。
母に捨てられ、刹那的に生きる娘。子どもが欲しいと願い、なんとかして養子を貰い
受けようとする女性。
ロドリゴ・ガルシア監督は、何が正しく、何が間違っているのかと言った主張を述べる
事はなく、彼女らの選択を淡々と映し出す。娘を捨てた母親を演じたアネット・ベニング、
母親に捨てられた娘を演じるナオミ・ワッツが、心境の変化によって顔つきや表情まで変化
していく演技も素晴らしい。
様々な選択が可能になったこの時代だからこそ、多くの女性に観て欲しい一作だ。
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第39回ドーヴィル映画祭でグランプリを受賞。

14歳の時、カレン(アネット・ベニング)は恋人の子供を身籠るが、母親の反対で娘を
手放すことになる。36年後。周囲との深いかかわりを避けてきた彼女は、介護をしながら
一緒に暮らす年老いた母に対して、素直に接することができないでいた。職場で出会った
パコ(ジミー・スミッツ)はそんな彼女を理解してくれるが、関係はうまくいかない。
だた、名前も顔も知らぬわが娘を密かに想い、届く事のない手紙を書き続ける日々。

一方、母親の愛情を知らずに育ったエリザベス(ナオミ・ワッツ)は、弁護士として成功。
孤児であることを否定するように、物事に執着せずキャリアアップの人生を歩んでいた。
だが、彼女に予想外の出来事が起こる。同じ会社のボス(サミュエル・L・ジャクソン)の
子供を妊娠してしまったのだ。
この出来事が彼女を変える。今までのキャリアを捨て、産むことを決意したのだ。
これにより、彼女はずっと閉ざしていた母の存在を意識し始める。
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その頃、カレンの母親が亡くなる。生前、母に対して本当の気持ちを伝えられなかった
ことを悔やむかのように、カレンは娘を探し始める。同じ頃、黒人女性のルーシー
(ケリー・ワシントン)は、愛する夫と家庭を築きながらも、子供を産めない体であるため、
養子縁組を決意。教会に登録し、ある妊婦と巡り会う。不意の妊娠で生まれてくる子供を
養子に出そうとしていた女性だったが、実際に生まれると子供を手放せなくなってしまう。
失意のルーシー。そこへ、登録していた教会から連絡が入る。それが、見知らぬ母と娘を
結びつけることになる。若くして産んだ娘を手放したことを後悔しながら生きてきたカレン。
母の愛を知らずに、拒絶することが当たり前になっていたエリザベス。
母と娘の空白の36年間。決して重なるはずのない2人の人生を、一つの小さな命が
引き寄せようとしていた。」(goo映画)
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上にも書いてあるが、心を閉ざしていたアネット・ベニングとナオミ・ワッツが、それぞれの
出来事をきっかけに、顔の表情が一変するのは、観ていても、ほ~っと思ったくらい見事
でした。
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家政婦につらく当たったり、職場の同僚につっけんどんにしていたカレン、心を閉ざしていた。
頭の切れる敏腕弁護士でありながら、他人の幸福や成功を壊すことに快楽を感じていた
エリザベス。それぞれが、愛する人の死や、新しい生命の誕生、また理解してくれる人の
登場で、変わっていく姿が良く描かれている。 最後は「血は水より濃い」ということかな。
映画の中では「血よりどのくらい一緒に過ごすかが大事」とも言っているが。どちらも大事な
ような気がする。
この映画の詳細はこちらまで。
Tracked from LOVE Cinemas.. at 2012-01-22 00:17
タイトル : 愛する人/Mother and Child
14歳で子供を産み落とした瞬間にその子を手放さなければならなかった母親とその娘が、37年ぶりに人生の転機を迎え引き付け合う…。『彼女を見ればわかること』のロドリゴ・ガルシア監督が『華麗なる恋の舞台で』のアネット・ベニングと『イースタン・プロミス』のナオミ・ワッツの2人を中心に描くヒューマン・ドラマだ。共演にケリー・ワシントン、サミュエル・L・ジャクソンが出演する。... more
by jazzyoba0083 | 2012-01-21 23:00 | 洋画=あ行 | Trackback(1) | Comments(0)