J・エドガー J・Edgar

●「J・エドガー J・Edgar」
2011 アメリカ Warner Bors.Pictures,Imagine Entertainment,
Malpaso Production,137min.
監督:クリント・イーストウッド
出演:レオナルド・ディカプリオ、ナオミ・ワッツ、アーミー・ハマー、ジョシュ・ルーカス、
ジュディ・デンチ他
J・エドガー J・Edgar_e0040938_2011264.jpg

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
去年も今ごろイーストウッド作品を見ていた。彼のファンとしては★9つ位は取って
貰いたかったが、今回も、ちょっとできとしては残念だった。まあ、彼としては
ハードルが相当上がっちゃっているので、可哀想だとは思うが。
有名なエドガー・フーバーの自伝としては良く出来ているとは思うけど、エピソードが
薄くて、(リンドバーグ幼児誘拐事件くらい ケネディ暗殺とかも出てくるがほんの少し)
映画への感情移入、フーバーへのシンパシーを感じ得なかった。そのあたり「グラントリノ」
とは偉く違う。イーストウッドの作品にしては珍しく、途中で時計をみてしまった。
これはつまり、フーバー物語ではなく、フーバーを借り物にした、こういう男の人生譚と
みたほうが正解なのかもしれない。

期待されてたオスカーには何もノミネートされなかったのも、これじゃ仕方ないか、と
いう出来だ。面白くないか、と言われれば、面白いのだが、日曜の一番上映とはいえ
小屋はガラガラだよ。
J・エドガー J・Edgar_e0040938_20113298.jpg

ディカプリオは、若い頃から老年までのフーバーを熱演していたが、どこか空回りの風情。
これは脚本にも恵まれなかったかもしれない。ナオミ・ワッツも同じ。
生涯を通して、同性愛的な愛情で結ばれていた副局長トルソン(アーミー・ハマー)の
老人メイクが気持ち悪かったなあ。

エピソードとしてはリンドバーグ事件とマーチン・ルーサー・キングのノーベル平和賞の
くだりだけ、だったけど、ケネディ暗殺事件は大きすぎたのかなあ。
ルーズベルト大統領夫人の不倫事件は初耳でそれなりに面白かったし、それに対する
エドガーの対応も興味深かったけど、なんか中途半端だったなあ。

共産主義の蔓延に異常な恐怖を覚えたFBIの創設者の孤独で変質な人生、
同性愛者で、マザコン、嘘つきの上昇志向主義的愛国者。
一方で捜査に科学的手法を取り入れた点は評価されよう。
なんとも評価が難しい作品を作っちまいましたね、イーストウッドさん....
J・エドガー J・Edgar_e0040938_20133286.jpg

<ストーリー>
「約50年にわたりFBIの長官としてアメリカの権力の中枢に君臨し、名声とともに
悪評も高い男、J・エドガー・フーバー。この一人の孤独な男の生涯を、
名匠クリント・イーストウッド監督が描き出した。
J・エドガーを演じるレオナルド・ディカプリオは、特殊メイクも取り入れながら、
20代から77歳までの彼を見事に演じている。
実際のJ・エドガーの私生活は謎に満ちていたが、現存するすべての資料を
入手したという製作陣は、彼を、母の期待に応えようとして自分を抑え、権力欲を
肥大させていく男として描く。彼の母を演じるジュディ・デンチの迫真の演技も素晴らしい。
J・エドガーを支え続ける部下を演じたアーミー・ハマー、ナオミ・ワッツも特殊メイクで
役作りに挑んでいる。
J・エドガー J・Edgar_e0040938_20122599.jpg

FBIのジョン・エドガー・フーバー長官(レオナルド・ディカプリオ)は、人生の終盤に差し
掛かり、部下に命じて回顧録を書き取らせる。
記憶はFBI誕生以前へと遡り、彼の表の経歴が語られるとともに、その裏側の野望、
企み、葛藤、苦悩が次第に明らかにされていく……。

20世紀の半分を占めるおよそ50年もの間、アメリカで大統領さえも及ばない強大な
権力を手にしていた男。そのたった一人の人間が、アメリカのあらゆる秘密を掌握し、
国さえも動かしていたという事実。
J・エドガー J・Edgar_e0040938_2014351.jpg

50年間に入れ替わった大統領は8人にのぼり、その誰もが彼を恐れた。
それが、ジョン・エドガー・フーバーFBI初代長官である。20代でFBI前身組織の長となり、
以後、文字通り死ぬまで長官であり続けた。今日では当たり前とされる科学捜査の
基礎を確立し、犯罪者の指紋管理システムを作ったのも彼なら、FBIを子どもたちの
憧れの的にまで押し上げたのも彼だった。

紛れもない英雄であるにもかかわらず、彼には常に黒い疑惑やスキャンダラスな
噂がつきまとった。やがて、国家を守るという絶対的な信念は、そのためになら法を
曲げてかまわないというほど強く狂信的なものとなる。それゆえ彼は正義にもなり、
悪にもなった。国を守るという大義名分のもと、大統領を始めとする要人たちの秘密を
調べ上げ、その極秘ファイルをもとに彼が行った
“正義”とは一体何だったのか?映画やコミックを使ってFBIの素晴らしき喧伝させる
裏側で、彼は何を画策していたのか……?
あきなく高みを目指した男の深い心の奥底が描かれる……。」(goo映画)

この映画の詳細はこちらまで。
Tracked from LOVE Cinemas.. at 2012-02-05 20:17
タイトル : J・エドガー/J. Edgar
クリント・イーストウッド監督最新作。FBI初代長官ジョン・エドガー・フーバーの半生を描いた伝記物語だ。大統領ですら手が出せないほどの権勢を誇った男の人生の裏側を赤裸々に映し出す。主演は『インセプション』のレオナルド・ディカプリオ。共演に『愛する人』のナオミ・ワッツ、アーミー・ハマーらが出演している。... more
Tracked from 労組書記長社労士のブログ at 2012-02-09 12:55
タイトル : J・エドガー 自らの権威にここまで執着する人物ってすごい..
【=7 -0-】 最近、クリント・イーストウッド監督の作品は絶対に見逃せないと思っている。 封切りからずいぶん経ってしまったが、先日ようやく鑑賞できた(上映時間がなかなか噛み合わなかった) 期待を裏切らず、興味深い、のめり込める作品だった! FBI初代長官として...... more
Tracked from soramove at 2012-02-11 21:33
タイトル : 映画「J.エドガー」正義に取りつかれた男の物語
「J.エドガー」★★★★ レオナルド・ディカプリオ、ナオミ・ワッツ、 ジョシュ・ルーカス、ジェフリー・ドノヴァン、 リー・トンプソン、ジュディ・デンチ出演 クリント・イーストウッド 監督、 137分、2012年1月28日公開 2011,アメリカ, ワーナー・ブラザース (原題:J. Edgar ) <リンク:人気ブログランキングへ">>→  ★映画のブログ★どんなブログが人気なのか知りたい← 「クリント・イーストウッド監督と レオナルド・ディカプリオで どんな映画が出来あがったのか す...... more
Tracked from 映画的・絵画的・音楽的 at 2012-02-24 06:10
タイトル : J・エドガー
 『J・エドガー』を渋谷シネパレスで見ました。 (1)こうした実在の人物を描く作品はあまり好みませんが、クリント・イーストウッド監督(注1)が制作し、L・ディカプリオ(注2)の主演ということであれば、何はともあれ見ざるを得ないところです(同監督の『インビクタ...... more
Tracked from 我が頭に巣くう映画達 at 2012-04-12 21:44
タイトル : J・エドガー
33点 2011年のアメリカ映画で、 監督はクリント・イーストウッド、 主演はレオナルド・ディカプリオです。 FBIの初代長官である、ジョン・エドガー・フーバーの 生涯を描いた作品です。 う~ん...... more
Tracked from ここなつ映画レビュー at 2012-06-18 15:55
タイトル : J.エドガー
ジョン・エドガー・フーヴァー。1895年生まれ。アメリカ連邦捜査局(FBI)の初代長官。就任当時のカルビン・クーリッジからリチャード・ニクソンまで、8代の大統領に仕える。彼の持つ情報量は莫大であり、アメリカ合衆国のスキャンダルを主とした秘部を全て取り仕切っていたと言っても過言ではない。1972年に亡くなった後、その秘密資料は秘書のヘレン・ギャンディによって処分された。 彼の回想録を執筆するにあたって、年老いた(それでも現役)J.エドガーの口述を元に、物語は展開する。 地味だがしっかりとした骨太...... more
Tracked from 映画部族 a tribe.. at 2012-06-22 13:16
タイトル : 猜疑心と虚栄心、そして愛 『J・エドガー』
監督:クリント・イーストウッド出演:レオナルド・ディカプリオ、ナオミ・ワッツ、アーミー・ハマー、ジュディ・デンチアメリカ映画 2011年 ・・・・・・ 6点... more
by jazzyoba0083 | 2012-02-05 12:25 | 洋画=さ行 | Trackback(7) | Comments(0)