ヒート Heat

●「ヒート Heat」
1995 アメリカ Warner Bors.Pictures,Regency Enterprises,Forward Pass,.170min.
監督・脚本:マイケル・マン
出演:アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ、ヴァル・キルマー、ジョン・ヴォイト他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
デ・ニーロとパチーノの初共演。見ごたえのある約3時間だった。舞台は警察対
ギャングという構図だが、根っこには人間が愛する人を求める姿が浮き彫りに
されていて、だだのクライム・アクション映画ではない。中々趣深く観る事が
出来た。マンご自慢の警察対ギャングの10分以上もあろうかという銃撃戦も
見ものではあるが、その「人間」が描かれている本作の優秀さがなければ、
3時間は引っ張れないだろう。

パチーノはLAPD殺人課の敏腕刑事だが、仕事オンリーで家庭を振り返ることなく
3番目の奥さんとせっかく懐いてくれている連れ子ローレン(ナタリー・ポートマン)
とも共に過ごす時間も無い。パチーノ演ずる刑事ハナは気が短いので色んなものを
良く壊すし暴力的なので、時々デ・ニーロとギャングはどっちだっけ?と判らなく
なる(爆)。
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一方、デ・ニーロはギャングの一味を率いる冷徹で賢いボス、ニールを演じる。
非常な割りに人情味があり、クリスという若いやつに目をかけていた。
(奥さん役がアシュレイ・ジャッド)。現金輸送車や銀行を襲うのだが、
ニールは次の銀行強盗を最後に、知り合って愛するようになったイーディと
ニュージーランドに高飛びする計画を練っていた。彼ら一味を影で糸を
引き、根回しをするのがネイト(ジョン・ヴォイト)である。

それぞれ、警察とギャングの仕事の裏に、女性がらみでの問題を抱えていて
表のハードボイルドな世界を離れて、本来の安らぎを得られる家族・家庭へ
の回帰を夢見る。
しかし、現実は上手くいかない。そのあたりのもどかしくも、永久の安寧への
希求が、ハードな銃撃戦や殺し合いの間に描かれていて見事だ。
これを、「警察対ギャング」のドンパチ映画と思ったら大きな間違いだ。そういう
面でのスカッとした感じはあるが、マンが描こうとしていたのは、善悪を超越した
「人間の懊悩」「安らぎへの希求」であったようだ。

結局ギャング一味はかつて仲間だったやつで、仲間を外したやつが裏切って
警察に動きを教えるような動きをしたため、銀行強盗はハナ刑事たちLAPDの
知るところとなり、市街地での大銃撃戦が繰り広げられる(ここは見ものだ)。
しかし、この銃撃でクリスが大怪我を負い、必死に逃げて何とか一命を
取り留めたが、クリスの妻が警察に確保され、おびき出しに使われる。
実はここにも、男と女、家族といったキーワードが動いている。

結局、最後、悪は栄えないわけだが、ニールは裏切り者を許すことができず、
高飛びの途中で、空港ホテルにいる、そいつのもとに行き、射殺。
そのことが警察の知るところとなり、ハナ刑事に追われる。空港での行き詰る
二人の撃ちあい。ハナ刑事に安寧は訪れたのだろうか。クリスと妻は・・・。

余韻を残して映画は終わっていく。

<ストーリー>
「LA。大胆で緻密な手口で大きなヤマばかりを狙う冷徹なプロの犯罪者、
ニール・マッコーリー(ロバート・デ・ニーロ)とその仲間たちは、
ハイウェイで多額の有価証券を積んだ装甲輸送車を襲った。

新顔のウェイングロー(ケヴィン・ゲイジ)が警備員の一人を射殺して
しまい、ニールは仕方なく口封じのためにほかの警備員も手にかけて
逃走する。急報を受けた市警強盗・殺人課の切れ者警部、
ヴィンセント・ハナ(アル・パチーノ)が陣頭指揮に当たり、
部下たちに的確な指示を与える。
過去2度の離婚歴を持つ彼は、妻ジャスティン(ダイアン・ヴェノーラ)や
連れ子ローレン(ナタリー・ポートマン)との現在の家庭もしっくり
いっていない。

ニールたちの盗んだ160万ドルもの債券は、悪徳金融業者ヴァン・ザントの
ものだった。ニールは長年の犯罪ブレーンであるネイト(ジョン・ヴォイト)
から、債券は元の持ち主に買い戻させた方が得だと説明され、その考えに
従った。
ニールたちはウェイングローを人けのない駐車場で始末しようとするが
逃げられた。報酬を得て、それぞれの家庭に戻る犯罪者たち。
金庫破りと爆破のプロ、クリス(ヴァル・キルマー)には愛妻シャリーン
(アシュレイ・ジャッド)がいるが、夫の裏稼業を知る彼女には見えない
不安と不満が鬱積している。

生粋の犯罪者チェリト(トム・サイズモア)は幼い娘たちのよき父親。
一人、帰るべき安らぎの場所を持たないニールだったが、ある夜、
グラフィック・デザイナーのイーディ(エイミー・ブレネマン)と出会い、
この無垢な娘との新しい世界が広がっていく。

ニールはセザールという犯罪同業者から千二百万ドルの上がりが見込める
銀行強盗の襲撃計画を買うことにするが、そのための資金にと考えた
ザントとの債券取引交渉が、相手の奸計によって失敗する。
一方、執拗な追跡調査を進めるヴィンセントはチェリトとクリスの面の
割り出しに成功し、二人の家や車に盗聴器が仕掛けられた。

ニールたちは銀行襲撃の金を工面するため、貴金属貯蔵倉庫を襲うことに
する。現場ではヴィンセントら捜査陣が網を張って待ち受けていたが、
その気配を敏感に察知したニールは作業の中断を命じ、速やかに引き揚げる。

自分たちが警察にマークされていると知ったニールは、仲間たちに
手を引く相談をするが、この稼業でしか生きていけないと知るクリスらに
煽られてしまう。そこでニールは逆にヴィンセントらをおびき出し、
刑事たちの顔を一人一人確認した。

互いに相手がひと筋縄ではいかない敵と認識したニールとヴィンセントは、
ついにあるレストランで対峙した。同じ匂いを嗅ぎ取った2人の間に奇妙な
共感が流れるが、互いに次に出会う時はどちらかが死ぬ時だと分かっていた。

周到な下工作を経て、ニールたちは最後の大仕事、銀行襲撃を実行に移し、
半ば成功するかに見えた。しかし、匿名の密告電話で駆けつけた警察隊と
ニールらの間で市民をも巻き込んだ一大銃撃戦が白昼の路上で展開された。
チェリトがヴィンセントの銃弾に倒れ、ニールは重傷を負ったクリスを
抱えて辛くも脱出に成功する。
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裏切ったのは犯行に加わらなかった運転手役のタウナーではと考えた
ニールは彼の家へ向かうが、タウナーは虫の息で、背後で糸を引いていた
のはザントとその懐に飛び込んだウェイングローだとわかる。

ニールは自ら手を下してタウナーを楽にしてやると、ザントの屋敷に侵入
して彼を血祭りに上げた。その頃、警察に囮捜査を強要されたシャリーンの
元に、クリスが罠とも知らずに現れるが、彼女はそっと手振りで逃げるように
伝えた。
ニールはイーディを連れて高飛びを決意し、ネイトに段取りを依頼する。
しかし、途中でウェイングローが空港ホテルに潜伏していることを知った彼は、
けじめをつけるためにホテルに向かい、彼を殺した。
一方、娘ローレンの自殺未遂というショックに見舞われながらも、ニールの
行動をキャッチしたヴィンセントも空港に向かう。空港の敷地内で対決する二人。
死闘の末ニールが倒れ、ヴィンセントは死にゆく彼が差し出した手を握りしめた。」
(goo映画)

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by jazzyoba0083 | 2012-03-19 23:30 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)