トゥルー・グリット True Grit

●「トゥルー・グリット True Grit」
2010 アメリカ Paramount Pictures,Skydance Productiorns,.110min.
監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン 原作:チャールズ・ポーティス
出演:ジェフ・ブリッジス、マット・デイモン、ヘイリー・スタインフェルド、
   ジョシュ・ブローりン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
昨年度のオスカーを賑わした作品をついに鑑賞。結局無冠だったけど。
全体の印象としては、コーエン兄弟の作風とはちょっと違うなあと感じた。
原作があるので、オリジナル脚本のようには行かないとは思うけど、
コーエン兄弟独特の「狂気」とか「毒気」が感じられない。普通に
出来の良い西部劇なのではないだろうか。確かに14歳の利発な娘役を
演じ、オスカーの助演女優賞にノミネートされたヘイリー・スタインフェルド
は素晴らしいと思ったし、ジェフもマットも悪くは無いのだが、
エンドロールの製作総指揮にスピルバーグの名前を見つけるに及び
この映画の雰囲気が納得できてしまった。
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コーエン兄弟なんで原作がある作品をこの時期に選んだのだろうか。
オスカー・ノミニーの脚色は確かに優れていると思ったし、映像の構成や
テンポの付け方なんかはコーエン兄弟らしさは出ていたのだが。
ロングとアップの構成は確かに上手い。

「ノー・カントリー」「バートン・フィンク」「ファーゴ」などに
代表されるように、カタルシスがない「不条理」の世界を期待したものと
しては原作モノ、と聞いたときにある程度諦めなくてはならなかったのかも
しれない。オリジナルのジョン・ウェイン主演「勇気ある追跡」(原題:
True Grit)は未見だが、本作はコーエン兄弟によって相当脚色されていると
見られる。そういう味わいは有るのだろう。特にエンディングに。
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出来が悪いわけでは決して無いし、こういう西部劇だと思えばむしろ
秀作なのだろうと思うけど、コーエン兄弟の作品として評価しようと思うと
私としては★を減らさざるを得ないのだ。
1点、敵のチェイニーが実はそう極悪人に描かれないのが面白い。ジョシュ・
ブローリンがなんで敵役、憎まれ役なのか、そういう設定もまたコーエン兄弟の
本作でのこだわりなのだろう。
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白眉は、蛇にかまれたマティを馬を潰してまで走り助けたところと、その25年後の
マティの姿とコグバーン保安官との関わり(エンディング)であろう。
この数分はおそらくオリジナルには無く、コーエン兄弟の脚色が一番強く出ている
ところであろう。普通の西部劇の終わり方には無い、ある種の不条理が提示され
中年になったマティが独身であることは明かされるが、何をしているのか、
幸せなのか、それは判らないのだ。

<プロダクション・ノート>
「2010年度アカデミー賞に作品賞、主演男優賞ほか10部門でノミネート、監督に
コーエン兄弟、製作総指揮にスティーヴン・スピルバーグという豪華布陣の話題作は、
かつてジョン・ウェインが初めてオスカーを手にした『勇気ある追跡』のオリジナル
原作を映画化したもの。
父親を殺された少女が、二人の男と犯人を追う復讐劇だ。壮絶な追跡のあとに訪れる
感動の瞬間が、観る者の胸を熱くする。コーエン兄弟の集大成とも言うべき美しい
映像とドラマチックな展開で、彼らの最高傑作との呼び声が高い。2年連続で
オスカーノミネートのジェフ・ブリッジスやマット・デイモン、弱冠14歳で大役に
抜擢された新星ヘイリー・スタインフェルドらの、いずれ劣らぬ名演を堪能できる
一作だ。」(goo映画) ※彼らの最高傑作の呼び声高い・・・とは思わないけどなあ。

<ストーリー>
「牧場主の娘として産まれながらも責任感が強く信念の強い14歳の少女、
マティ・ロス(ヘイリー・スタインフェルド)の父親が、雪の降るある夜、
雇い人のトム・チェイニー(ジョシュ・ブローリン)に無残にも撃ち殺された。

知らせを受けたマティは、遺体を引き取りにオクラホマ州境のフォートスミスへと
やってくる。一方、チェイニーは、わずか2枚の金貨のためにマティの父を殺した後、
逃亡者となってインディアン領へ向かい、お尋ね者のネッド(バリー・ペッパー)
率いる悪党達の仲間入りをすることになる。

フォートスミスで父親の形見の銃を譲り受け、犯人に罪を償わせることを心に誓った
彼女は、“トゥルー・グリット(真の勇気)”があると言われる大酒飲みでアイパッチを
した連邦保安官ルースター・コグバーン(ジェフ・ブリッジス)に犯人追跡を依頼。
最初は子供扱いで相手にもされないマティだったが、決して諦めない執念と報酬の
魅力に負け、コグバーンはマティの依頼を受けることにする。

その後、別の容疑でチェイニーを追ってフォートスミスへ来ていた若きテキサス・
レンジャーのラビーフ(マット・デイモン)も加わり、犯人追跡の過酷な旅が始まる。
マティにとっては人生初めての旅。しかも最も危険な領域に足を踏み入れることに
なる辛い経験であったが、チェイニーを捕らえ、罪を償わせることだけしか彼女は
考えることができなかった。そして遂に、3人にとって各々の“真の勇気”が
試される時が訪れる……。」(goo映画)
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インディアン領地に入りチェイニーを追跡するも、手がかりを失い、コグバーンは
酔っ払って諦めた、というし、ラビーフはテキサスに帰ると言い出す。
そんな夜が明け、川に水を汲み行ったマティは、馬に水を飲ませていたチェイニーと
出くわす。そこから物語が一気に動き出す。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-03-25 23:10 | 洋画=た行 | Comments(0)