武士の家計簿

●「武士の家計簿」
2011 日本 松竹 129分
監督:森田芳光
出演:堺雅人、仲間由紀恵、松坂慶子、西村雅彦、草笛光子、伊藤祐輝、藤井美菜、大八木凱斗他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
原作がいいのだろうな。そこに目を付けて映画化したプロデュースサイドも良かったけど
客が入るタイプの映画じゃあないな。おそらく興行的には苦戦したのだろう。
私としては、邦画はほとんど見ないのだが、時代劇は好きで、良いと評判のものは鑑賞する
ようにしている。本作も個人的には面白く見たが、ストーリーの面白さだけで引っ張った感が
あり、やや底の浅さは否めない。原作があるだけに森田流の味付けも、出しづらかったのだ
ろうか。逆に言えば、原作に忠実に、原作の感動を、映像の感動に変換できた森田監督の
手腕を褒めるべきかもしれない。
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刀でなく、そろばんを家業とした貧乏武家の幕末の話。加賀藩の動向とも絡め、そろばん
ざむらい一家の、辛抱と努力が描かれる。一家の財政を立て直そうとするところはまるで
現在の日本経済を見るようだった。主演堺雅人は、いつもの安定感。仲間は
すこし出来すぎの嫁を可もなく不可もなく。松阪慶子演じる姑が、個性的で良かった。
映画としてのまとまりはとても良いのだし、役者も頑張っているが、なにせ地味な作品。
じわじわと面白いこの手の作品、映画館で見るべきか、家で見るべきか、迷うところだ。
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<ストーリー>
「古書店で偶然発見された幕末のとある下級武士一家の詳細な“家計簿”を丹念に
読み解き、彼らの暮らしぶりを鮮やかに甦らせた磯田道史の同名ベストセラーを、
「阿修羅のごとく」「わたし出すわ」の森田芳光監督が映画化。

代々加賀藩の御算用者(経理係)を務める武家に生まれた主人公が、逼迫する
家計を立て直し激動の時代を乗り切るべく、家業のそろばんを武器に、懸命に
質素倹約に励む姿を、家族の絆を軸に描き出す。
主演は「ゴールデンスランバー」の堺雅人、共演に仲間由紀恵、松坂慶子、中村雅俊。
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 江戸時代後半。御算用者として代々加賀藩に仕える猪山家。その八代目、直之も
また幼い頃より算術を仕込まれ、そろばんの腕を磨いてきた。
そして、いつしか“そろばんバカ”と揶揄されながらもその実直な働きぶりが周囲に
認められていく。やがて、町同心の娘お駒を嫁にもらい、めでたく出世も果たした直之。

しかし昇進に伴って出費も膨らみ、家計は苦しくなる一方。そこで直之が父母に代わり
猪山家の財政状況を調べ直してみると、なんと借金の総額は年収の2倍にも膨れ
あがっていた。お家存亡の危機と悟った直之は、家財一式を売り払い借金返済に
充てることを決断する。そして、自らこまかく家計簿をつけるとともに、世間体を顧みる
ことなく創意工夫を凝らしながら倹約生活を実践していくのだった。」

セミドキュメンタリー的な仕上がりになっているのが個人的には心地よかった。

この映画の詳細は
こちら

Tracked from LOVE Cinemas.. at 2012-03-31 20:22
タイトル : 武士の家計簿
磯田道史原作のベストセラー「武士の家計簿『加賀藩御算用者』の幕末維新」を映画化。代々加賀藩の算用役を務めた猪山家の“そろばん侍”が藩の不正を調べたり、破産寸前の家系を立て直したりとそろばんを武器に奮闘する。主演は『南極料理人』の堺雅人。共演に『トリック』の仲間由紀恵、中村雅俊、松坂慶子、西村雅彦ら演技派が揃う。監督は『わたし出すわ』の森田芳光。 ... more
Tracked from 京の昼寝〜♪ at 2012-08-09 17:34
タイトル : 『武士の家計簿』
□作品オフィシャルサイト 「武士の家計簿」 □監督 森田芳光□脚本 柏田道夫□原作 磯田道史□キャスト 堺雅人、仲間由紀恵、松坂慶子、中村雅俊、草笛光子、西村雅彦、       伊藤祐輝、嶋田久作、宮川一朗太、小木茂光、茂山千五郎■鑑賞日 12月11日(...... more
by jazzyoba0083 | 2012-03-28 22:40 | 洋画=は行 | Trackback(2) | Comments(0)