ヘルプ~心がつなぐストーリー~ The Help

●「ヘルプ~心がつなぐストーリー~ The Help」
2011 アメリカ Dream Works SKG,Reliance Entertainment,146min.
監督:テイト・テイラー 原作:キャスリン・ストケット
出演:エマ・ストーン、ヴィオラ・デイヴィス、オクタヴィア・スペンサー、ブライス・ダラス・ハワード他
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<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
いい映画を観ました。お話としても面白かったし、作品自体の出来もよかったし、出演者も
良かった。最後の方はウルウルしてしまった。原作モノなので、本来のストーリーテリング
としての魅力は原作にあるのだろうけど、これを、ここまで上等なモーションピクチャーに
仕立て上げた監督の力量を評価すべきだろう。

それと出演者。オスカーの助演女優賞を獲得したオクタヴィア・スペンサーは勿論、
主演女優賞ノミニーのヴィオラ・デイヴィス、加えて私は、この物語の縦軸を構成
する若きライター希望のスキーターを演じたエマ・ストーンの素晴らしさを、特に
評価したい。ディープサウスの60年代にあって、黒人を擁護するような行動は
生命の危機すら覚えるはずなのに、その中にあって黒人メイドの実態を書いた
本をだすという微妙な立場を、一生懸命演じていた。好ましく思えた。
あの顔つきがいい。
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ヴィオラとオクタヴィアは、公民権運動が盛り上がりつつある時期とはいえ、
女性という立場で、スキーターという存在があったとはいえ、忍耐と受容を乗り越え
自らの生きる道を自らの手でつかもうとする勇気、友情、信頼というものを
まことに心憎いまでのヒューモアの中で、実現していく。その様は見ていて
気持ちよく、心洗われ、勇気づけられるものだ。シーンの展開がそう多くない
ジャクソンという町の中の話で、会話が重要なポイントになる映画であり、2時間
30分近い長さがあるが、物語の流れの中に、しっかりと同化できるのだ。
これがアメリカ人なら、また別の受け止め方があるのだろう。当事者として。
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この2月からオスカーものを含め何本か見て来たが、作品のできの良さでは
1、2を争うものだと個人的には感じた次第。
「抑圧された黒人=哀れ、可哀想」「抑圧する白人=傲慢、鼻持ちならぬ」と
いう単純な構成から一歩抜け出た完成度は、作品賞こそ取れなかったが、
重いテーマをユーモアの味付けも加えて堂々とした作品にしあがった。
出てくる白人の中にも、救いがある人たちも出てくるのが、単純な黒白の
対決図式に陥らないで済んだ厚みもまた加えている。
きっと私の今年のベストテンに入ってくる作品だろう。

<プロダクションノート&ストーリー>
“ヘルプ”とは南部の上流家庭で働く黒人メイドの事。
黒人であるというだけで卑劣な暴力の犠牲になる事も珍しくなかった60年代を
舞台にした新人作家キャスリン・ストケットのデビュー小説「ヘルプ」を、
同郷であるミシシッピ州ジャクソン出身の新人監督テイト・テイラーが自ら脚本も
手がけ映画化した本作は、ユーモアと抑制の利いた演出が功を奏し、
登場する女性たちが極上のアンサンブルを見せてくれる。
悲しみと怒りを秘めたエイビリーンを演じるヴィオラ・デイヴィス、親友ミニー役の
オクタヴィア・スペンサー、彼女に救われるジェシカ・チャスティンら誰もが奥行きの
ある人物としてスクリーンの中で輝いている。
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1960年代を舞台に、白人家庭でメイドとして働く黒人女性たちとジャーナリスト
志望の若い白人女性の勇気と友情によって、旧弊な町に変革をもたらしていく様を
描くヒューマンドラマ。
監督は「ウィンターズ・ボーン」など俳優としても活躍するテイト・テイラー。
出演は「ラブ・アゲイン」のエマ・ストーン、「ナイト&デイ」のヴィオラ・デイヴィス。

1960年代前半のアメリカ南部。大学を卒業したスキーター(エマ・ストーン)が
ミシシッピ州ジャクソンの町に戻ってきた。
ボーイフレンドもできないスキーターは母シャーロット(アリソン・ジャネイ)の心配の
種だが、本人は結婚よりも作家になることを夢見ている。

地元の新聞社に就職したスキーターの初仕事は、家事に関するコラムの代筆だった。
家事の知識がないスキーターは、実家のメイドのコンスタンティン(シシリー・タイソン)に
知恵を借りるつもりだったが、ひさしぶりに帰った実家に彼女の姿はなかった。
問いつめるスキーターに、母は言葉を濁す。

スキーターは友人エリザベスの家のメイド、エイビリーン(ヴィオラ・デイヴィス)に話を
聞くが、取材を続けるうち、自分をとりまく南部の上流社会への疑問が芽生えてくる。
そんな中、同級生のリーダー格、ヒリー(ブライス・ダラス・ハワード)は黒人が不潔だと
主張し、各家庭に黒人メイド専用トイレを設置させる活動をしていた。
ヒリーに感化されたエリザベスも屋外にエイビリーン用のトイレを造らせる。
そんな仕打ちにも黙って従うエイビリーンの姿に、スキーターは胸を痛めた。
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黒人メイドの現実を伝える本を書きたいと、ニューヨークの編集者スタイン女史
(メアリー・スティーンバージェン)に電話をすると、メイドたちの証言がとれるなら
出版できるという答えだった。スキーターはエイビリーンにメイドの苦労話を聞かせて
ほしいと頼むが、頑なに断られた。
南部で黒人が自由にものを言うことは、身の危険を意味しているのだ。
だが、エイビリーンの親友で、ヒリーの家で働いていたミニー(オクタヴィア・スペンサー)が、
家族用のトイレを使用したために解雇されたことをきっかけに、エイビリーンは
スキーターの取材に応じることを決意する。そしてその小さな一歩は数多くの勇気へと
広がり、やがて彼らを取り巻く社会を根底から揺るがす大事件へと発展していくのだった
……。 」(goo映画)
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