キラー・インサイド・ミー The Killer Inside Me

●「キラー・インサイド・ミー The Killer Inside Me」
2010 アメリカ Hero Entertainment,Muse Productions,Stone Cayon,109min.R15+
監督:マイケル・ウィンターボトム 原作:ジム・トンプソン「おれの中の殺し屋」
出演:ケイシー・アフレック、ケイト・ハドソン、ジェシカ・アルバ、ネッド・ビーティー他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
ふとしたことで目覚めてしまった心の狂気。留まることをしらない、殺人への衝動。
コーエン兄弟の不条理とはちょっとちがって、形而上的表現だが、ある種の
「不条理」を描く。相当の暴力シーンとsexシーンがあるので、制限は最大級。

ひどい事件の犯人の感想を聞かれると「なぜ、あの人が?」というコメントが
多く聞かれるが、本作の主人公もそうしたタイプであるが、幼少時のトラウマと
兄を街の実力者に殺された、ということ
ある時期に、あることがきっかけで覚醒してしまい、暴走を始める。そこには
ただただ、殺人に突き進む衝動しかないあたりが、見ている人をして恐怖させる。

こいつは、人を殺すことでしか自分のアイデンティティを確認出来なくなっていったのだ。

主演のケイシー・アフレックは、フツーの男がさらりとしたなかに狂気を内包している
人物としては良かったと感じた。ボコボコにされる、娼婦ジェシカ・アルバ、
主人公(保安官補)の恋人の女性教師、ケイト・ハドソン、最終的には残念な結果に
なるのだが、それぞれ存在感を出していた。
二人に「不条理に振るわれる絶望的な暴力」に恐怖を感じた。
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<ストーリー>
「ノワール作家ジム・トンプスンの傑作犯罪小説『おれの中の殺し屋』
(『内なる殺人者』)を「イン・ディス・ワールド」「マイティ・ハート/愛と絆」のマイケル・
ウィンターボトム監督が映画化した戦慄のクライム・ドラマ。
好青年と評判の保安官が、ふとしたきっかけから内なる殺人衝動を目覚めさせ、
恐るべき凶行を繰り返していくさまを描く。主演は「ジェシー・ジェームズの暗殺」
「ゴーン・ベイビー・ゴーン」のケイシー・アフレック。
共演にジェシカ・アルバ、ケイト・ハドソン、ビル・プルマン。

 1950年代の西テキサス。田舎町で保安官助手をするルー・フォードは誰からも好感を
持たれる純朴青年。幼なじみの女性教師エイミー・スタントンと気ままな逢瀬を重ね、
町の治安同様、穏やかな日々を送っていた。
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ある日、住民からの苦情を受け、売春婦ジョイスのもとを訪ねたルー。そんな彼を客と
勘違いしたジョイスは優しくもてなすが、保安官と分かるや態度を一変、口汚くののしり
平手打ちを喰らわす。その瞬間、抑えがたい怒りに駆られたルー。最初はジョイスを
ベッドに押さえつけ激しい殴打を繰り返し、やがて落ち着きを取り戻すと今度は互いに
激しく求め合う。以来、ジョイスとの情事が日課となったルー。
そして、これまで心の奥底に眠っていた闇も解き放たれてしまい…。」(allcinema)

ネタバレですが、ルーは結局、街を追い出せと言われ、その後恋仲になる、実は町の
実力者チェスター・コーンゥエルの息子のお気に入りだった、娼婦ジョイス(ジェシカ)、
その息子を殺し、犯人を知り合いの若者ガソリンスタンドのジョニーになすりつけ、
彼を留置場の中で、首吊り自殺に見せかけ殺す。さらに、いきずりの男にゆすられる
と、婚約者エイミーまで殺し、エイミー殺しをいきずりの男のせいにして、彼も別の警官に
射殺される。ルーの上司の保安官ボブも自殺してしまう。
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こうして犯行を重ねるルーを犯人と確信し追い詰める若き検事補。実は殺されたはずの
ジョイスは顔をボロボロにされながも生きていて、決定的証人として登場してきた。

しかし、彼は追い詰められたことを察し、家にガソリンをまいておき、登場したジョイス
(彼女はこれだけの目にあっていてまだルーを愛していた)を再度ナイフで刺し、
更に家に火を放ち、ガソリンに引火し、家は大爆発を起こしたのだ。
何をしに生まれ、死んでいったのか、巻き込まれた人たちの無念はどうなのだ・・・。
回答を出すことなく映画は終わっていく。

この映画の詳細はこちらまで。
Tracked from LOVE Cinemas.. at 2012-04-21 17:28
タイトル : キラー・インサイド・ミー/The Killer Insi..
田舎の保安官助手を務める青年が、ひょんなことで知り合った娼婦との情事ををきっかけに、自らの内にある狂気を爆発させてしまう。ジム・トンプソンの「おれの中の殺し屋」の映画化だ。主演は「オーシャンズ」シリーズのケイシー・アフレック。共演に『NINE』のケイト・ハドソン、『マチェーテ』のジェシカ・アルバ。監督はマイケル・ウィンターボトムが務める。... more
by jazzyoba0083 | 2012-04-19 23:30 | 洋画=か行 | Trackback(1) | Comments(0)