ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男 The Hoax

●「ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男 The Hoax」
2006 アメリカ Miramax Films,Bob Yari Productions,and others;116min.
監督:ラッセル・ハルストレム 原作:クリフォード・アーヴィング
出演:リチャード・ギア、アルフレッド・モリナ、マーシャ・ゲイ・ハーディン
   スタンリー・トゥッチ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
いかに、ハワード・ヒューズが世の中に現れない引きこもり生活をしていたとはいえ、
本人の自伝をでっち上げてしまう、という作家がいたんだなあ、という事実に
まずはビックリ。妻も積極的にコミットしてくるのが更に凄い。
この作家のリサーチャーとして長年付き合っていた「童話作家」が1つの
ポイントになるであろう。事実に基づいた話なので、壮大なペテンのドキュメントを
見ているような感じ。だが、そこに「妻」や、「愛人」生き方を異にする
リサーチャーの存在などが、また、だまされる立場になる出版社の思惑、そして
実際ハワードは現れないのだが、実録のVTR映像を使ったり、味付けに厚みを増して
いて、私は中々面白く観た。懲りない奴だなあ、という感じ。
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主役の売れない作家クリフォードを演じたリチャード・ギアだが、彼は何をやっても
リチャード・ギアなので、どうか、と思ったが、ペテン作家を好演していたと
感じた。妻のエディスのマーシャ・ゲイ・ハーディン、リサーチャーの
アルフレッド・モリナ、出版社のスタンリー・トゥッチなど脇の個性も中々いい
配役だと思った。

結局、ハワード本人が自伝の存在を否定、クリフォードなんてやつは知らないと
電話証言したことで、妻ともども捕まっちゃうのだが、それでもハワードの自伝を
まだ諦めてないとはびっくりのバイタリティ。しかし、後述するが、本作は
でっち上げ作家の物語だけではなく、その後ろにあるアメリカの政財界の暗部も
浮かび上げるのである。

自宅も抵当に入り、家具は差し押さえ。金に困ったクリフォードは「歴史的な本を
書けることになった」と出版社に張ったりをかましたのはいいが、
実は何も決まっておらず、リビングで靴にくっついてきた週刊誌の表紙にあった
ハワードの特集を見て、一気に彼の自伝を書くことに決めたのだ。
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そこから、クリフォードのある種狂気に満ちたでっち上げのプロセスが始まる。
騒動を知ったハワードの弁護士からも警告を受けながら、
妻とリサーチャーのディックを巻き込み、犯罪すれすれの手段を使いデータを
集め、ハワードを知るというジャーナリストにも、ハワードしか知りえないことが
入っていて、これは傑作だ、という太鼓判までもらう。
もうこうなるとクリフォードは自分がやっていることは正しいことで、自分と
ハワードは本当の知り合いのような幻想の中に生きることになっていく。
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しかしだが、深層には、ハワードが当時航空会社の合併話で多額の損害賠償を
求められる裁判を起こされていて、困っていて、(ニクソンの手回しか)、ニクソンと
手を切るために、ニクソンが困るネタを騒ぎを知って後、ハワードの番頭が
クリフォードにニクソンの致命的な証拠を送りつける。

ニクソンはその事を知り、ウォーターゲイト事件を起こすことになるのだが。

いわば、クリフォードはハワード対ニクソンの抗争に上手いこと乗せられて贋作を
作らされた、といえなくも無い。結局贋作は当然世に出ることは無かったのだが、
ハワードは裁判で勝ち、多額の賠償金の支払いを逃れることができたのだ。

一瞬、大いなる贋作作家のストーリーのように見えて、その深部にはアメリカの
政財界の闇の部分が隠されていることが判ってくるのだ。
それにしても、妻のジュディス、スイスに口座を作りに変装して偽造パスポートまで
持って行ったが、凄い度胸だね。
ハワード・ヒューズという人の人物像をWikiあたりで一度勉強してから見ると一段と
面白いのではないか。

<プロダクションノート&ストーリー>
『サイダーハウス・ルール』『ショコラ』など数々の名作を世に送り出した
名匠ラッセ・ハルストレム監督が、名優リチャード・ギアほかハリウッドを
代表する豪華キャストと実力派スタッフを迎え、膨大な史実調査を基に、
クリフォード・アーヴィングとハワード・ヒューズという本来は何の関係も
無かったはずの2人の男の存在を通して、政治の混乱や不正がメディアに蔓延
していた70年代アメリカの時代思潮を巧みに映し出す。時代と政治社会に翻弄
された人々を壮大なスケールで綴り、観る者の心を揺さぶる人間ドラマ。
(作品資料より)

1971年ニューヨーク。売れない作家クリフォード・アーヴィング
(リチャード・ギア)は、新作を出版社に売り込んでは却下される日々を送っていた。

ある日、マグロウヒル出版のアンドレア(ホープ・デイヴィス)に、今世紀最大の
作品を持ってくると言ってしまい窮地に立たされるアーヴィングだったが、
変わり者で隠遁生活を送っている有名な大富豪ハワード・ヒューズのニセ自伝を
書くことを思いつく。

実際に彼に会ったことのある人間はほとんどおらず、表舞台にも出てこない。
早速、ヒューズの筆跡をまねた依頼の手紙を手に、アーヴィングは
マグロウヒル社に乗りこみ、筆跡鑑定で本物と出たことで話を進めていく。
並行してアーヴィングの親友でリサーチの腕があるディック・サスキンド
(アルフレッド・モリナ)と共にヒューズの情報収集に走る。

アーヴィングはウソを散りばめた巧みな話術で、マグロウヒル社会長の
シェルトン(スタンリー・トゥッチ)らを説得、ついにヒューズの分と合わせて1
10万ドルの報酬を得ることに成功する。ヒューズ名義の小切手は、
アーヴィングの妻エディス(マーシャ・ゲイ・ハーデン)が偽名でスイスに口座を
作り換金する。
同じ頃、アーヴィングの家に段ボール箱が届く。中身はニクソンらに対して
ヒューズが渡したワイロなどの記述だった。だが、ヒューズの顧問弁護士から
抗議があったことで、アーヴィングのウソは少しずつほころびを見せていく。

一方、ヒューズの自伝の話はホワイトハウスにも届いていた。資金提供などの
情報が漏れることを恐れたニクソン陣営は、民主党本部が本を手にしているかを
偵察させる。これが後の“ウォーターゲート事件”である。
そんな中、アーヴィングはエディスから家を出ていくと告げられ、別れたはずの
愛人ニーナ・ヴァン・パラント(ジュリー・デルピー)との復縁について聞かれた
彼は、妻を繋ぎとめるためここでもウソをつく。ウソにまみれた彼の精神は異常を
示し始め、アーヴィングは自分がハワード・ヒューズそのものであるかのような
錯覚に陥っていく……。」(goo映画)
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この映画の詳細は
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Tracked from LOVE Cinemas.. at 2012-04-25 20:01
タイトル : ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男/The Hoax
2006年公開のリチャード・ギア主演作品。1970年代にアメリカで実際に起こった詐欺事件の犯人クリフォード・アーヴィングの同名原作をベースに映画化したものだ。大富豪ハワード・ヒューズのニセの自伝を出版すアーヴィングの鮮やかな手腕を描き出す。共演には『17歳の肖像』のアルフレッド・モリナ。監督は本作後にも『HACHI 約束の犬』でリチャードとコンビを組むラッセ・ハルストレム。... more
by jazzyoba0083 | 2012-04-18 23:30 | 洋画=さ行 | Trackback(1) | Comments(0)