冒険者たち Les Aventuriers

●「冒険者たち Les Aventuriers」
1967 フランス CGIC,Compagnia Generale Finanziaria Cinematografica,.110min.
監督:ロベール・アンリコ  音楽:フランソワ・ド・ルーベ
出演:アラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラ、ジョアンナ・シムカス他。
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
古き良きフランス映画の香り高き名作だと思う。基本的にはフィルム・
ノワールなのだが、それ以上に詩情豊かな作品で、見ていて心地よくさえ
ある。特にルーベの音楽の特徴あるテーマソング(日本でもヒットした)が
全編、哀愁を漂わせて流れ、作品に叙情的な味わいを加味していると言える。
ストーリーも、判りやすく(突っ込みどころもあるけど気にならない)
それ以上に映像と音楽が上手に融合し、詩的が味わいを表現、これがフランス
の雰囲気をとてもよく出していた。なんか夢見るような青春映画だった。
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パイロットのアラン・ドロン、エンジニアのリノ。ヴァンチュラ、前衛芸術家の
ジョアンナ・シムカスの3人も、それぞれの味わいが深い個性を上手く演じて
いたと思った。演出+配役+音楽+脚本が、フランス的に上手く合体すると
こういう佳作が出来るという見本だろう。フランス映画を語るときに
(あまり観てないけど)外すことの出来ない作品ではないか?

<プロダクションノート&ストーリー>
「飛行機、レーシングカー、船による宝探し、そして友情と恋。
これだけ聞くと、アクション映画かと思ってしまうような内容だけれど、
実はそんな映画ではない。
冒頭の、虚ろな瞳で歩くジョアンナ・シムカスが象徴しているように、
この映画には虚無感があふれている。南の島、青い海、若い男女…。
これだけの舞台と登場人物が整っていながらも、映画は淡々とすすむ。

ジョゼ・ジョヴァンニの同名小説を、彼と「ふくろうの河」の監督ロベール・
アンリコ、ピエール・ペルグリの三人が共同で脚色し、ロベール・アンリコが
監督したアクション。
撮影はジャン・ボフティ、音楽はフランソワ・ド・ルーベが担当。
出演は「パリは燃えているか」のアラン・ドロン、「女王陛下のダイナマイト」の
リノ・ヴァンチュラ、「スタンダールの恋愛論」のジョアンナ・シムカスほか。
イーストマンカラー、テクニスコープ。

マヌー(A・ドロン)とローランド(L・バンチュラ)は、性格はまったく
違っていたが、実の兄弟のように仲が良かった。
マヌーはパリにある飛行クラブの教師で、ハンサムでスマートな外見に似合わず、
驚くほどの命知らずで大ぼら吹きだ。ローランドはパリ郊外の廃車置場の中にある
奇妙な仕事場に住み、画期的なカー・エンジンの開発に専念していた。
(この廃車置場に、芸術家のレティシア(シムカス)が、彫金の材料集めに
やってきて、ローランドとマヌーと知り合うことになる。そしてそこを
自分の仕事場として作品を作り始めることになる)
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ある日マヌーは飛行クラブの生徒から、耳よりな話を聞きこんだ。それはある
映画プロデューサーが撮影のため凱旋門を飛行機でくぐり抜けた者に2500万
フランの賞金を出すというのだ。マヌーは科学的調査をして、十分に勝算のある
ことを知った。いよいよその当日となったが、凱旋門に大きなフランス国旗が
下げられていることが判明、飛行はとりやめとなり、都心を低空飛行したことで
マヌーは飛行士の免許を剥奪されてしまった。
おまけにこの話が巧妙に仕組まれた冗談であることが分った。

失業したマヌーは友人ローランドの仕事場へ移ったが、仕事は思うように進行
しなかった。冗談から操縦士免許を取り消されたマヌーとローランドは、ウソを
吹き込んだ生徒をとっちめるが、その男が、侘びの代わりのように、コンゴ動乱
から脱出したベルギーの金持ちの乗った飛行機がアフリカ沖に沈んでいるという
情報を二人に与えた。
二人はこの調査に乗りだした。一方、レティシアは開催した彫金の個展が新聞に
酷評され、落ち込み、二人の元に泣きながら転がり込んできた。

調査の結果それは間違いなかった。マヌーとローランド、レティシアの三人は
スクーナー船に乗りこんで、宝探しを始めた。途中墜落して死んだと思われていた
パイロットが船を訪れた。一瞬対立するパイロットと3人だったが、協力しあい
ついに金貨やダイヤモンドなど、一人当たり1億フランほどの財宝を手に入れた。
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ところがこの財宝に目をつけていた男たちが、水上警察の臨検を装ってやってきた。
墜落機のパイロットは、彼らが偽者だと見やぶり、銃撃戦となる。
その戦いの中でレティシアは流れ弾を食らって死んでしまう。彼女はローランドと
二人の生活を夢見ていたのだった。二人は、彼女に潜水服を着せて水葬する。
そして、墜落機のパイロットを救助艇に乗せて、追放したのだった。

危機を脱出した二人は彼女の故郷アイクス島を訪れた。ラ・ロシェルという港町で
レティシアの親戚を探す。一人の雑貨屋に甥がいることが判明、彼に彼女の財宝の
取り分を信託財産として預けるのだった。
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レティシアを愛し続けていたローランドは、島に残った。その島の沖にはボワイヤー砦
というナポレオンが作らせた、島状の要塞があった。レティシアは、ここで作家活動を
することを夢見ていたのだ。ローランドは、手にした財宝でこの島を買い取り、ここを
ホテルに改造しようと計画した。パリに帰ったマヌーだったが、やはりローランドとは
別れがたく、再び彼の元へと戻る。ローランドはマヌーに自分の計画を明かし、彼に
客を送迎するヘリのパイロットを務めてくれるように依頼する。
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しかし、マヌーの後をつけてきた財宝狙いの一味が島に上陸、銃を持って財宝を
手渡すよう脅迫してきた。ローランドとマヌーは、雑貨屋の少年から教えてもらった
その要塞に隠されているドイツ軍の銃や手投げ弾を使って、一味と対抗。その争いの
中で、マヌーは撃たれてしまう。ローランドの活躍で一味は全滅したが、マヌーは
ローランドの腕の中で、天国へと旅立ったのだった」(goo映画・一部訂正しました)

映画全編みられます。
http://www.youtube.com/watch?v=GprEn4PjY94&feature=related

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-05-12 22:45 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)