2012年 05月 12日
冒険者たち Les Aventuriers
1967 フランス CGIC,Compagnia Generale Finanziaria Cinematografica,.110min.
監督:ロベール・アンリコ 音楽:フランソワ・ド・ルーベ
出演:アラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラ、ジョアンナ・シムカス他。
<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
古き良きフランス映画の香り高き名作だと思う。基本的にはフィルム・
ノワールなのだが、それ以上に詩情豊かな作品で、見ていて心地よくさえ
ある。特にルーベの音楽の特徴あるテーマソング(日本でもヒットした)が
全編、哀愁を漂わせて流れ、作品に叙情的な味わいを加味していると言える。
ストーリーも、判りやすく(突っ込みどころもあるけど気にならない)
それ以上に映像と音楽が上手に融合し、詩的が味わいを表現、これがフランス
の雰囲気をとてもよく出していた。なんか夢見るような青春映画だった。
パイロットのアラン・ドロン、エンジニアのリノ。ヴァンチュラ、前衛芸術家の
ジョアンナ・シムカスの3人も、それぞれの味わいが深い個性を上手く演じて
いたと思った。演出+配役+音楽+脚本が、フランス的に上手く合体すると
こういう佳作が出来るという見本だろう。フランス映画を語るときに
(あまり観てないけど)外すことの出来ない作品ではないか?
<プロダクションノート&ストーリー>
「飛行機、レーシングカー、船による宝探し、そして友情と恋。
これだけ聞くと、アクション映画かと思ってしまうような内容だけれど、
実はそんな映画ではない。
冒頭の、虚ろな瞳で歩くジョアンナ・シムカスが象徴しているように、
この映画には虚無感があふれている。南の島、青い海、若い男女…。
これだけの舞台と登場人物が整っていながらも、映画は淡々とすすむ。
ジョゼ・ジョヴァンニの同名小説を、彼と「ふくろうの河」の監督ロベール・
アンリコ、ピエール・ペルグリの三人が共同で脚色し、ロベール・アンリコが
監督したアクション。
撮影はジャン・ボフティ、音楽はフランソワ・ド・ルーベが担当。
出演は「パリは燃えているか」のアラン・ドロン、「女王陛下のダイナマイト」の
リノ・ヴァンチュラ、「スタンダールの恋愛論」のジョアンナ・シムカスほか。
イーストマンカラー、テクニスコープ。
マヌー(A・ドロン)とローランド(L・バンチュラ)は、性格はまったく
違っていたが、実の兄弟のように仲が良かった。
マヌーはパリにある飛行クラブの教師で、ハンサムでスマートな外見に似合わず、
驚くほどの命知らずで大ぼら吹きだ。ローランドはパリ郊外の廃車置場の中にある
奇妙な仕事場に住み、画期的なカー・エンジンの開発に専念していた。
(この廃車置場に、芸術家のレティシア(シムカス)が、彫金の材料集めに
やってきて、ローランドとマヌーと知り合うことになる。そしてそこを
自分の仕事場として作品を作り始めることになる)
ある日マヌーは飛行クラブの生徒から、耳よりな話を聞きこんだ。それはある
映画プロデューサーが撮影のため凱旋門を飛行機でくぐり抜けた者に2500万
フランの賞金を出すというのだ。マヌーは科学的調査をして、十分に勝算のある
ことを知った。いよいよその当日となったが、凱旋門に大きなフランス国旗が
下げられていることが判明、飛行はとりやめとなり、都心を低空飛行したことで
マヌーは飛行士の免許を剥奪されてしまった。
おまけにこの話が巧妙に仕組まれた冗談であることが分った。
失業したマヌーは友人ローランドの仕事場へ移ったが、仕事は思うように進行
しなかった。冗談から操縦士免許を取り消されたマヌーとローランドは、ウソを
吹き込んだ生徒をとっちめるが、その男が、侘びの代わりのように、コンゴ動乱
から脱出したベルギーの金持ちの乗った飛行機がアフリカ沖に沈んでいるという
情報を二人に与えた。
二人はこの調査に乗りだした。一方、レティシアは開催した彫金の個展が新聞に
酷評され、落ち込み、二人の元に泣きながら転がり込んできた。
調査の結果それは間違いなかった。マヌーとローランド、レティシアの三人は
スクーナー船に乗りこんで、宝探しを始めた。途中墜落して死んだと思われていた
パイロットが船を訪れた。一瞬対立するパイロットと3人だったが、協力しあい
ついに金貨やダイヤモンドなど、一人当たり1億フランほどの財宝を手に入れた。
ところがこの財宝に目をつけていた男たちが、水上警察の臨検を装ってやってきた。
墜落機のパイロットは、彼らが偽者だと見やぶり、銃撃戦となる。
その戦いの中でレティシアは流れ弾を食らって死んでしまう。彼女はローランドと
二人の生活を夢見ていたのだった。二人は、彼女に潜水服を着せて水葬する。
そして、墜落機のパイロットを救助艇に乗せて、追放したのだった。
危機を脱出した二人は彼女の故郷アイクス島を訪れた。ラ・ロシェルという港町で
レティシアの親戚を探す。一人の雑貨屋に甥がいることが判明、彼に彼女の財宝の
取り分を信託財産として預けるのだった。
レティシアを愛し続けていたローランドは、島に残った。その島の沖にはボワイヤー砦
というナポレオンが作らせた、島状の要塞があった。レティシアは、ここで作家活動を
することを夢見ていたのだ。ローランドは、手にした財宝でこの島を買い取り、ここを
ホテルに改造しようと計画した。パリに帰ったマヌーだったが、やはりローランドとは
別れがたく、再び彼の元へと戻る。ローランドはマヌーに自分の計画を明かし、彼に
客を送迎するヘリのパイロットを務めてくれるように依頼する。
しかし、マヌーの後をつけてきた財宝狙いの一味が島に上陸、銃を持って財宝を
手渡すよう脅迫してきた。ローランドとマヌーは、雑貨屋の少年から教えてもらった
その要塞に隠されているドイツ軍の銃や手投げ弾を使って、一味と対抗。その争いの
中で、マヌーは撃たれてしまう。ローランドの活躍で一味は全滅したが、マヌーは
ローランドの腕の中で、天国へと旅立ったのだった」(goo映画・一部訂正しました)
映画全編みられます。
http://www.youtube.com/watch?v=GprEn4PjY94&feature=related
この映画の詳細はこちらまで。