ボトル・ドリーム カリフォルニアワインの奇跡 Bottle Shock

●「ボトル・ドリーム カリフォルニアワインの奇跡 Bottle Shock」
2008 アメリカ Shocking Bottle,Intellectual Properties Worldwide (I)
Unclaimed Freight Productions,Zin Haze Productions,.110min.
<日本未公開>
監督:ランドルー・ミラー
出演:クリス・パイン、アラン・リックマン、ビル・プルマン、レイチェル・テイラー他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
カリフォルニアワインがフランスワインを打ち破って世界にその名を高めたという
事実に基づく作品。ナパバレーには行った事があり、ワインの試飲もした身としては
ナパの光景と共に、思い入れが濃い映画であった。実話がベースというのも
興味を引いた。1976年の、作品で描かれる試飲会のことは知らなかったし、
「シャトー・モンテレーナ」というワインも知らなかったので。今度安いやつを
飲んでみよう。

1976年にパリで開催されたワインの試飲会で、ナパを代表して出品された、
「シャトー・モンテレーナ」の白が、並み居るフランス産を押さえ、優勝して
しまうのだが、それに至るまでのワイナリーの苦労を描いていく。
もちろんハイライトは、試飲会でのナパワインの優勝だが、それ以外に、その
ワインが出来るまでの、特に、一旦茶色くなり、2~3日で透明になっていく
ところは、ハラハラもしたし、顛末に都合のよさも感じてしまったが、事実
なのかもしれない。 日本未公開だが、ワイン好き出なくても、ナパに行ったこと
がなくても、そこそこ楽しめる出来になっている。
ワイナリーにやってきた若き女性研修生を巡る恋の鞘当なんかもあるし。
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<ストーリー>
今ほどナパワインが有名でなかった1976年、「シャトー・モンテレーナ」という
ワイナリーを経営する脱サラ弁護士、ジム・バレット(アラン・リックマン)は
上等なワインを造ることに苦労していた。息子ボー(クリス・パイン)は大学を
休んでワイナリーを手伝っていているのだが、厳しい父と対立することが多い。
ここにはメキシコ人のグスタボという青年が手伝っていて、これに農業研修生と
して美人のサムがやってくる。

一方、パリでワイン店兼ワイン学校を経営する英国人ワイン評論家スパリエ
(ビル・プルマン)は、アメリカ人の友人に刺激され、フランスワインを国際的
視点から評価するために、世界各地からワインを集め、覆面試飲会を開催する
ことにした。彼は、自らナパバレーを巡り、その味わいの良さに感激、
26本のワインをフランスに持ち帰ることにした。(飛行機にワインは1人1本しか
持ち込めないので、ワインを荷物として揺らすことを避けたいスパリエは
同じ飛行機に乗る赤の他人に事情を説明し、一人1本づつ手荷物にしてもらう)
ジムのワイナリーにもスパリエは来たが、ジムは、ボトルを売ることを拒否。
しかし、帰りの空港で、ボーが2本、彼に持って帰ってくれ、と懇願したのだった。
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さて、いい白ワインを作る苦闘を金の無い中で苦闘していたジムは、500ケースの
ワインを仕込むことに成功した。出荷を待つばかりだったが、倉庫に行って
見ると、ワインは茶色に変色していた。がっかりしたジムはすべてごみとして
処分することを決め、自分はサンフランシスコの弁護士事務所に復職する相談に
出かけた。

オヤジが茶色くなったワインを前にして呆然としている姿を見た息子ボーは
サムと共に、大学の醸造学教室に飛び、その謎を解明してもらう。理由は単純で
発酵後、あまりにも酸素を遮断したためで、2~3日すれば、透明になる、と
言われた。急いで倉庫に帰る二人だったが、すでに500ケースは出て行って
しまった後だった。
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がっかりして、いつものバーでグスタボと3人で飲んでいると、友人の女性
マスターが「いい白が安くはいったのよ」と言って彼らの前に白ワインを出した。
口にした3人はびっくり。自分のシャトーのワインだったのだ。

理由を聞くと、業者から安いワインを買ってくれと言われたのでビンをリサイクル
すれば、環境にもやさしいから、全部買った、とのこと。捨てられるべきワインは
救われたのだ。急いでサンフランシスコにいる父にも連絡。1本だけ持っていた
ワインを袋から出すと、見事に透明になっていて、味も素晴らしいものだった。
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ジムはパリの試飲会にボーを送り出すことを、ナパのワイナリーの経営者たちに
持ちかけ賛同を得て、ボーはパリの試飲会へと飛んだ。
パリ郊外では、並み居るシェフや評論家たちによって、覆面テストが行われた。
そして、ジムの「シャトー・モンテレーナ」は見事に優勝、フランスワインを
負かしたカリフォルニアワインとしてニュースは全世界を駆け巡った。
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たちまち、ベストセラーになったジムのワイン。その後もカリフォルニアワインは
フランスワインに勝ち続けていったのだった。
フランスの自分の店でスパリエは言う「これは始まりに過ぎない。そのうち南米、
オーストラリア、ニュージーランド、中国、世界中でいいワインが育てられるように
なる」と。実際その通りになっている。

最後のロールで、試飲会に出品されたワインのボトルはスミソニアン博物館に保存展示
されているそうで、ボーは大学に戻り醸造学を学び、シャトーに戻り、グスタボは
自分の夢を叶え、独立して自らのワイナリーを経営している、という。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-05-14 23:40 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)