2012年 05月 19日
カントリー・ストロング Country Strong
2010 アメリカ,Screen Gems,Maguire Entertainment,.117min.
監督・脚本:シャナ・フェステ <日本劇場未公開>
出演:グウィネス・パルトロウ、ティム・マッグロウ、ギャレット・ヘドランド
レイトン・ミースター他
<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
カントリー歌手の再生と絶望のお話。最近ではジェフ・ブリッジス主演
「クレイジー・ハート」があった。パルトロウの歌、吹き替えなしで
上手い。だけど、作品としての本作の仕上がりは、いまいちパンチに欠ける。
お話が平板なんだな。ストーリーとして面白くないことはないのだが、
カントリーというジャンルにあまり人気のない日本では未公開もしょうが
ないか。主人公のケリー(パルトロウ)という歌手が、病気とは言え、
感情移入が出来ない「わがまま」な振る舞いで、最後には自殺しちゃうんだ
けれど、病気はかわいそうだけど、自分ひとりで突っ走って死んでいった、
何なの?という感じを免れない。ボーとチャイルズの未来に栄光あれ、と
いうまとめ方でいいのかな。
<ストーリー>
グラミー賞を何回も獲っているカントリー界のスーパースター、ケリー・
カンター(パルトロウ)は、ダラスの公演で飲酒が原因で転倒して流産、
これが原因で精神的にも弱くなり、施設に入って更正中、そんな彼女を
暖かく見守る、ボーという青年。
彼も、町のクラブでカントリーを作詞・作曲して歌う日々。彼はそれで
満足していた。
ケリーは、マネージャーで夫のジェームスと上手く行っておらず、心は
優しいボーへと向かっていくのだった。
そんな中、夫ジェームズは、ケリーのツアーを無理して組んでしまう。
このツアーに、同じクラブで歌っているチャイルズという若手の
女性歌手も前座として同行することになった。ボーはミスコン出身の
駆け出しにはまだ無理だと反対する。しかし、ボーも夫からケリーの
身を気に掛けてくれということで同行することになる。
大型バスで移動するケリー。バンに押し込められて移動するボーとチャイルズ。
ヒューストン、などで大観衆を前に公演に臨むケリーだが、まともに歌えない。
反面、前座で歌うボーとチャイルズの評判はどんどん上がっていく。
ケリーとボーは愛し合うが、住む世界が違うと、ボーはケリーから離れ、
自分に好意を寄せるチャイルズと接近する。彼女はミスコン出はバカだと
思われたくない、と常識を身につけようという努力、そして作詞作曲にも
努力していた。
最初の公演では食中毒で体調が悪かったと言い逃れたが、つぎの
オースティンでは、プロモーターからもう、ケリーは終わりだと見限られ
ボーとチャイルズが公演を救う。そこでまた二人に脚光が当たる。
ケリーは何とか立ち直ろうと難病の子らの施設を慰問したりするが、
夫との対立、ボーとの別れからくる寂寥感はいかんともし難かった。
因縁のダラス。ここでも熱狂的はファンが待ち構えていた。前座のボーが
歌っている間、楽屋でケリーはチャイルズに、歌を歌っていく上での
教訓を伝授、そしてその後圧倒的なステージを見せて、楽屋に閉じこもる。
ケリーはそこで薬物自殺を図るのだった。
華やかなツアーの世界から、もう一度カリフォルニアのクラブ歌手に戻り
たいと決心したボーはチャイルズを誘うが、彼女は少し考えさせてくれと
いう。
カリフォルニアに戻ったボーは、また自作の歌を少数の気のいい客の前で
歌う生活に戻っていた。そんなボーの前にチャイルズが現れた。
二人はデュエットを歌い始めたのだった・・・・。
ボーもチャイルズも人気が出てきたのに勿体無いなあ、というのが素直な
感想。売れたくても売れない歌手は五万といるのに。まあ、それも人生
だけど。ケリーはかわいそうな人生だったが、夫の心が離れてしまったのも
何か彼女に原因があるような気がする。最後にチャイルズに人生訓みたいな
ものを伝授するのだが、何かそう彼女の心を蝕んでしまったのか、ダラスの
事故なのか、そのあたりの機微がもう少し描かれるともっと良かったのでは
ないか。女流監督らしい、優しい演出が、逆効果になってしまったか。
この映画の詳細はこちらまで。
彼女がボーに送った手紙で愛と名誉どちらかん選ぶとしたら迷わず愛を選べという言葉があったと思います。
コメントありがとうございました。なるほど、そういう見方も出来ますね。夫からもボーからも愛されていないから死んでしまうケリー、可哀想すぎます。