卒業の朝 The Emperor's Club

●「卒業の朝 The Emperor's Club」
2002 アメリカ Universal Pictures,Beacon Communications,109min.
監督:マイケル・ホフマン
出演:ケヴィン・クライン、エミール・ハーシュ、エンベス・デイヴィッツ、ジェシー・アイゼンバーグ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
学生と先生を描いた映画はアマタあるけど、やはり、行き着く先は感動。本作もそう。
しかし、描き方がちょっと変わっていて、それはそれで良かったと思う。教師の
素晴らしさを描いたものだが、教師も生徒によって育てられる、というのがサブテーマに
なっているようだ。
1つのクラスには必ずいる問題児、普通の学園ものなら、彼は更生して、先生と涙の
卒業式、となるのがが、本作では、卒業した問題児は、大きくなっても問題を解決
しないまま大人になり、老いた教師を愕然とさせる。冒頭、ソクラテスだかの言葉で
「人格は生まれながらに定まる」という至言が紹介されるのだが、まさに、彼の場合が
そうであったのだ。
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エンディングで、再び母校の教壇に立つ老教師、新しいクラスの一人に、かつて
自分が担当していたクラスの息子が入ってきた。老教師は、彼の父親を昔、正当に
評価してやらなかったという負い目を負っていたのだが、父親の方が教師を許したの
だった。老教師の目には涙が浮かんでいた。
人の人生に大きな影響を与え、時には人生を変えてしまうほどの力を持つ教師であるが、
必ず、思いえがくように育ってくれない場合もあるし、逆に、生徒から、自分の非力や
限界を教えられる場合もある。 しかし、優秀な教師との出会いがある、ということは
その人の人生にとってとても幸せなことだ。
描かれている学校が裕福な家の姉弟を対象にした私学なので、基本的にはみんな
いい子なのだが、若い頃白人ばかりの生徒が、退職し、再び教壇にたつころになると
黒人はもちろん、中国系あり、なにより男子校であったのが共学になっているところが
時代の流れを感じさせている。ありきたりの学園ものにはないひとひねり効いた佳作で
ある。

<ストーリー>
「かつて一人の問題児の存在によって自らの信念を揺さぶられ深い挫折を味わった
老教師が、その教え子との25年ぶりの再会によって湧き起こる様々な思いを描いた
ヒューマン・ドラマ。
教育と人生の意味を温かくもシビアに見つめる。原作はイーサン・ケイニンの短編小説
『宮殿泥棒』。
監督は「素晴らしき日」「真夏の夜の夢」のマイケル・ホフマン。
主演は「ワンダとダイヤと優しい奴ら」「海辺の家」のケヴィン・クライン。

 長年に渡って名門校、聖ベネティクト男子校で歴史学を教えていたウィリアム・ハンダート。
彼は引退後の余生を送っていた2001年のある日、25年前の卒業生で今では大企業の
トップとなったセジウィック・ベルから招待を受ける。それは、ベルが生徒の頃に苦杯をなめた
同校の伝統行事“ジュリアス・シーザー・コンテスト”のリマッチを主催することによるものだった。
ハンダートの中で76年の苦い思い出が鮮明に甦る。彼は確固とした信念で教鞭を執り、
生徒たちから厚い信頼を受けていたが、そんなハンダートに徹底的に反抗したのが転校生の
ベルだった…。」<allcinema>

ベルは上院議員の息子であり、頭はいいのだが不良ぶっている。コンテストまでは結構真剣に
勉強していたのだが、コンテストでカンニングをし、ハンダートは、それを見破って、彼を
優勝させることはしなかったが、咎めることもしなかった。ベルはそれ以来卒業まで学業を
ほっぽり出し、コネでイエール大学へと進んだ。そのコンテストへの出場権をかけたテストで
ハンダートは、ベルを依怙贔屓してしまい、これが後に彼に悔いを残すことになる。
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校長まで経験したが、優秀な先生は優秀な経営者にはなれず、一旦辞職したが、
25年後のベルから、自分が経営するリゾートで、かつてのコンテストのリベンジをしたい、
との申し出があった。差し回しのヘリでホテルに到着したハンダートの前には立派に
成長したかつての生徒たちがいた。
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そして25年ぶりのローマ帝政時代を舞台にした3人でのクイズ形式のコンテストが始まった。
正しい道に成長したと思っていたベルだが、耳にワイヤレスのイヤホンを仕込み、
会場の後ろから200ドルで雇った歴史専攻の大学院生に答えさせていたのだ。昔と
全然変わっていなかったことに、愕然とするハンダート。トイレで、ベルにイヤホンのことを
指摘し、人間は、いつの日にかいやでも裸の自分と向き合わなければならない時がくる、
その時鏡に映るのは、虚栄に満ちた君の姿だ、と語る。しかし、ベルは「それがどうしたと
いうのですか?」と全然分かっておらず、しかも、このコンテストを自分が父の跡を次いで
上院に立候補する発表の場として利用したことも、ハンダートは失望していた。
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しかし、そのほかの生徒たちは、優秀に育ち、彼に感謝する気持ちを次の日の朝食会で
示すのだった。そして、彼はリタイアから復帰し、再び母校の教壇に立つのだった・・・。

作品中には、思いを寄せる既婚の女性のロンドン行き、彼女の離婚、そして彼女との
結婚などの挿話もあるが、基本はハンダートとベルとその仲間の物語にしてしまったことで
分かり易いストーリーとなった。
この映画の詳細はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2012-06-16 17:10 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)